下田島モデルハウスが築8年を迎え、この度大幅に改修工事を行いました。
実はたくさんのお客様から購入希望の声をいただき、お譲りすることも考えたのですが、私自身、この家で長年にわたりデータを収集し、多くのお客様をご案内してきたため、強い愛着が湧いていました。そこで、この家をもっと皆さんの役に立つように活用できないかと考え、改修することにしたのです。
8年前の当社にとって、モデルハウスを持つことは大きな決断でした。
当時、地元には「高性能住宅」を標榜する会社は一つもなく、「パッシブ設計」や「全館空調」といった言葉も普及していませんでした。まずはその価値を体感してほしい。それが決断をしたいちばんの理由でした。いま8年が経ち、その役割は終焉を迎えたと感じています。
当初の断熱性能はG1.5程度で、当社の現在の標準であるG2〜G2.5とは大きな差があります。そこで今回は外壁を剥がして付加断熱を行いました。改修後のUA値は0.31です。もっと高い数値を出す事も考えましたが、建てる際の参考にならなければ意味がないので、現実的なところに抑えました。
また、高性能すぎる家で起こっている夏の除湿問題を考えると、温暖地で高性能過ぎる家を建てる事は必ずしも快適にならない場合もあったりします。住宅業界ではUA値を下げる事に熱心になっているように思えるのですが、その結果を考えると不安にもなります。そもそも、Ua値だけを下げても、それだけで夏涼しくなる事もありませんし、冬暖かくなる事もないからです。
以前の外壁は現在当社がよく用いる「ガルバリウム鋼板」ではなく、「ガルバリウムサイディング」でした。ガルバリウム鋼板とガルバリウムサイディングの名前は似ていますが、耐久性の面で違いがあります。実際に、8年経ったガルバリウムサイディングを観察してみると、想定よりも色褪せが進んでいる事も解りました。
また、今回は新しい取り組みとして外壁に群馬県産の杉板を使い、「横貼ファサードラタン仕上げ」にしました。お客様の家でも同じ杉板を使っておりますが、ファサードラタン仕上げにする事により、杉板の耐久性も伸びてきます。
玄関周りも、以前はコーキングレスサイディング仕上げでしたが、杉板との相性を考え、耐久性の高い本塗壁仕上げに変更しました。最近では簡易工法の塗壁が多くなっておりますが、場合によっては10年程度にヒビが多く入ってしまうようです。本塗にする事により、耐久性の変化を検証していきます。
内部もいろいろと改修しました。
キッチンは元のシステムキッチンの天板を生かし、その他の部分は造作に変更しました。システムキッチンの泣き所はフレーム部分です。そこでフレームを造作にする事で耐久性を上げました。このような方法は難しくありませんので、リフォーム工事でも対応出来ます。
2階の床は、これまでは杉板風のフローリング仕上げでしたが、無垢アカシア材に張り替えました。アカシアは広葉樹なので硬めになります。硬めになる事で傷が付きにくくなりますが、歩行感も硬くなります。そこで、1階の無垢杉板(針葉樹なので柔らかい)と比較して床の質感や歩行感の違いを体感していただけます。
さらに2階の天井にも付加断熱を行い、シナベニヤ目透かし仕上げにしました。こちらも当社の標準仕上げとなりますので、家づくりの参考になるかと思います。他にも目に見えない部分も含めて、いろいろと工夫を凝らしていますので、見学をオススメいたします。
今回の改修を通じて感じたことは、使用している材料や施工方法に問題が無かったことを確認できた事です。完成してからでは見る事は出来ない壁の中を見る事で問題が無い事が解りました。これで、今後も安心して家づくりをお手伝い出来ると改めて確信できました。
モデルハウスはただの見世物ではなく、実際の家づくりの参考になるものであるべきだと考えています。これからも新しい技術や素材に取り組みながら、データを蓄積し、家づくりを進歩させていきます。
新しくなった下田島モデルハウスにぜひお越しください。皆さまのご予約をお待ちしております。
東側から。1階の玄関周りだけを塗り壁にすることで、変化をつけました。
外壁は「横貼ファサードラタン仕上げ」に。外付加断熱を施したことで、断熱性能はHEAT20 G3までに向上しました。
外のパーゴラを撤去したことで、1階リビングはさらに明るい印象の空間になりました。
造作デスク横にある格子の中には14帖用の壁掛けエアコンが設置してあります。
スタイリッシュな造作の本棚は実はキッチンとの間仕切りになっています。
以前は既製品のキッチンでしたが、天板のステンレスは活かしつつ、造作部分を加えました。
日射を適切に取り入れることは、冬の室温管理はもちろん、夏の湿度コントロールにもとても大切な要素になります。
2階の床材は独特の風合いを持つアカシア材のリボス仕上げに。1階の杉材との比較が楽しめます。
以前は見せ梁仕様でしたが、天井に付加断熱を施し、シナベニヤを貼りました。
小屋裏の14帖用エアコン1台で、家中が以前よりもさらに快適な空間になりました。
〒373-0844 群馬県太田市下田島町1028-7
①当社施工エリア内にて家づくりを計画中で、土地をお持ちの方、もしくは、土地購入予定の方(群馬県内の土地探し依頼も可能です)
※施工エリア外にお住いの場合は、問い合わせ時に計画地をお教えください
②当社にて家づくりの打ち合わせが可能な方(メールでのやりとりは可能ですが、メールのみの打ち合わせは対応しておりません)
・発熱や咳などで体調がすぐれない場合は、来場をキャンセルしてください。
・ご予約時の参加人数を超える入場はお控えください。
・モデルハウス内には吹抜等もありますので、小さなお子様が参加される場合は、出来るだけお手をつないでの見学をお願いします。事故等が起こった場合の責任は一切持てません。