東片貝町の家

街中の3区画分譲地に建つお家です。土地探しからご依頼を頂きましたが、お施主さんは奥の土地を考えていたそうです。道路際ではなく奥に入っているので静かに暮らせると考えていたそうです。その後、日射取得や間取りの自由度、車の出入り等を考えた結果、道路脇の土地になりました。

西道路の敷地面積61.05坪の土地ですが、土地の形が良かったので、ほぼ平屋の間取りを建てながら、15坪の庭と3台分の駐車スペースが確保出来ました。土地探しを行う場合、金額・敷地の大きさ・希望のエリアを優先順位に上げる方は多いですが、建築的な観点から考える事も必要かもしれません。ちなみに、断熱性能と共に気密性能が高い家になると、道路際に建てても殆ど音が聞こえなくなります。

基本的な設計として、1階と2階の温度差や、冬の日差しを室内に取り込むために吹抜を設置します。吹抜を設置すると1階が寒くなってしまう家もありますが、それは吹抜が原因ではなく、建物全体の設計が悪いからです。特に、屋根面（もしくは最上階の天井面）の断熱気密が悪く、使用している窓の性能と気密性が悪いと余計に寒くなります。

キッチン・食器収納も造作で作りました。食器洗浄機は設置コストやメンテナンスを考え国産です。フルオープンタイプですので使い勝手も良いです。食器収納の壁にはアクセントタイルを貼りました。キッチンの壁はタイルではなくステンレスです。掃除のしやすさ等を考えるとキッチンの壁がステンレス一択だと思います。キッチン横には食品庫がありますが、扉を付けないオープンタイプです。扉を付けなくてもリビングから見え難い位置にありますし、匂いも籠らないし、有効幅も広がります。

TVボードやダイニングテーブル等を造作で作りました。造作で作るメリットは、高さや幅等を自由に作れる点があります。また、耐久性が高く末永く使えますし、使っている間に汚れたり傷が付いてしまった場合でも、表面を少し削り塗装を施せば新品のようになります。また、引っ越しと同時に家具も設置されているのですぐに使えますし、建物全体のイメージに合わせてコーディネイトする事も可能です。ここは市販の家具では難しいかもしれません。椅子は造作家具に合わせてお施主さんにご購入頂きました。なお、今回はお施主さんの好みとして、全体的にシックな色合いにしました。照明の照度も明るくし過ぎないようにしています。

洗面台も造作で作りました。医療機関用の大きな流し台なので幅・奥行き・深さ共にたっぷりしています。これなら洗面だけでなく洗濯にも使えます。流しの横は化粧スペースになっており、鏡は奥様の背丈に合わせて設置しました。なお、鏡は造作洗面台に合わせてご用意して頂きました。隣にWICに繋がっています。

洗面台の隣はWICになります。そして寝室に繋がっています。LD→寝室→WIC→洗面台→脱衣室→UBもしくはLDに戻ります。所謂、回遊型の間取りとなりますので、使い勝手も良くなります。また、廊下を介して移動する訳ではないので、余分なスペースも無くなり、建物の大きさ（延床面積）を最大限に使う事が出来ます。

2階は子供室です。全ての扉を引戸にしているので、引戸が間仕切り壁のように使えます。お子さんが小さなときは扉を開けて使用し、年頃になったら個室として使い、お子さんが卒業したら扉を開けて使う事も出来ます。かなり先の話になりますが、お孫さんが出来たら、家族全員で2階にお泊りに来ることも可能です。間取りは変化できるように考えておくと末永く使う事が出来ます。