今回は質問コーナーです。
まずは最初の動画です。
▼実際にあった屋根断熱の施工トラブル
https://www.kosodate-sekkei.co.jp/blog/yane_dannetsu_trouble/
何度かコメントを
くださっている方からの
コメントです。
この方はいろいろと
ご報告をしてくれるのですが、
残念なことに問題がある施工を
されている状況らしくて、
私に相談やご質問をくださいます。
問題を起こした工務店さんに
群馬県でもトップランナーの
工務店の方がインスペクターとして
いらっしゃって、施工した工務店に
いろいろと説明をしてくれたそうです。
屋根断熱については、
通気層の重要性を繰り返し工務店へ
説いてくれたようですね。
調べたところ、天井断熱部分の
棟換気は通気が取れおらず、
たんなる隙間だったようです。
要は屋根があって
口は開いているんだけど、
全く出口がないというところでしょう。
この住宅会社さんは
自社で設計をしていなくて、
お客さんと打ち合わせはするけど
図面は下請けの設計士さんに
描いてもらって、それを
お客さんに見せているという
流れのようです。
施工書には
棟換気と記載されているのに、
棟換気ではなかったと。
下請けの設計士さんは
棟換気と書いたけど、
元請けの住宅会社さんが
棟換気を付けてなかった
という話でしょうね。
これこそ分業制の弊害です。
分業制でも社内の分業制なら
コミュニケーションが取れますが、
利害関係で繋がっているだけなので
あまり強いことが言えないという
感じなのでしょう。
屋根はガルバの縦張り工法で、
通気工法となっているそうです。
縦張りということは
胴縁を横に張るわけなので、
通気するように所どころ
胴縁を切って空気を通すように
してあげるのが普通です。
もしくはダブル胴縁にすると
本当は一番良いですね。
ただその分、コストはかかります。
今回のケースは、
通気部分が切り欠かれていないと。
全て繋がっていたそうです。
つまり全く通気していない
状態だということです。
仕方がないので
外壁を全て剥がして横胴縁を
所どころ切り欠くようですが、
切っている時に防湿シートを
誤って切ってしまうと
防湿されなくなります。
切れても防水テープを貼れば
問題はないですが、
本来は良くないですよね。
さらに構造用合板は
ダイライトのようですが、
ダイライトは通気がしにくいものです。
通気をしないということは
室内側から湿気を入れないように
防湿気密シートを張る方がいいですが、
実際に防湿気密シートも貼って
いなかったようです。
工務店さんが言うには
セルロースファイバーなので
防湿気密シートが省略できるとの
ことだったそうです。
確かにセルロースファイバーは
湿気を含んでも乾きやすいもの
だから計算上は防湿気密シートを
貼らなくても良いです。
ただ私はあった方が良いと思います。
断熱等級4の家は
そんなに断熱性能が良くないので、
家の中で温度差が発生するような
状態になったとして、
湿気が抜けにくくなった状態が
続くようであれば実際に
省略しても本当にいいの?と
思います。
メーカーさんが言っている
省略というのは一定の条件下で
やっているわけで、その人の
1戸1戸の生活スタイルや
間取りなどを含めてやっている
わけではありません。
私はどちらかと言うと
100%は無理ですが、
なるべくどんな方が生活しても
安全側に振っていった方が
良いと考えます。
床の仕上げ材は
杉板の30mmで厚みのある
ものをお使いのようです。
大引きに直接乗っていて、
気密テープも貼っていないそうで、
隙間が開いているようです。
厚い床板を使うとその分、
強度があるので下地の
構造用合板とかを貼らない
ケースが意外にあります。
大引だとか根太への
直留めというやつですね。
厚いもので直留めは
意外に反りやすかったりするので、
隙間が空いていきます。
構造用合板も張らないので
気密も取れません。
余計に下からの冷気が
上がってくる状態になるので
その通りになっている感じですね。
コメントをくださった方が
依頼された設計士さんは県内でも
名前の知られた方だそうです。
失礼な言い方をすると、
昔ながらの人はこういうことを
やったりします。
設計士さんにも
いろいろな考え方があります。
私も一級建築士は持っていますが、
別に一級を持っていれば
えらいわけでは全くありません。
確かに一級建築士を取るためには
いろんな勉強をしなくはいけません。
ただだからと言って
施工に詳しいわけではない。
断熱の納まりや材料の特性などに
詳しいわけでもありません。
単純に一級建築士という資格に
受かったというだけです。
先生なんて言う人もいますが、
全く先生ではないです。
この辺りはやっぱり難しいです。
コメントをくださった方も
わかってらっしゃると思いますが、
いろんな質問をしてみてください。
住宅会社さんや営業マンさん、
設計士さんに質問してみた上で
ちゃんと確かめることが
家づくりでは大事です。
わからない質問が来たときに、
次回までにちゃんと検討して
正しい回答をさせていただきます、
と言って逃げる人もいます。
あまりにもそれが続くようなら
おかしいなと思わなくちゃ
いけません。
この住宅会社さんはゼネコンのようで、
木造住宅の経験や建築スキルなどが
あったのか疑問に思われたようです。
私も前職はゼネコンです。
ゼネコンでも住宅は
1つの柱としてやるんですよ。
企業に営業へ行って
その企業のお客さんが家を
建てたいけどおたくはやってます?
と聞かれたときにやっていますと
言えないとマズいからです。
なので大体が中途半端だと思います。
(あくまでも私の経験です)
住宅にそんなに詳しい人は
いないと思いますし、
断熱・気密なんか
全くわからないでしょう。
ゼネコンが大きくて
地域でも有名だからなんとなく
大丈夫かなと選ぶ人もいるでしょう。
ただお客さんが
ちゃんとした家を求めたい
ちゃんとこだわってやりたい人なら
選択肢としてはどうなのかと
正直に思います。
もちろん全てのゼネコンが
そうだとは言いません。
ちゃんとした
住宅事業部があって、
1つの住宅というものを
本社とは切り離してやる
ところもあります。
その辺りは慎重に
なられると良いと思います。