今回はUa値について
お話をします。
単純に言うと
熱の出やすさという
意味です。
1平米あたりから出る
熱の量をUa値と言います。
「a」はアベレージのことで
平均という意味ですね。
壁・天井・床から出る
熱の量を面積で割った
平均値を表した数値です。
よくUa値が
国の基準だと0.8、
ZEH基準だと0.6とか
言います。
あくまでも全体の平均値を
言っているので、家全体で
どれだけの量の熱が出るのかを
考えないと本当の数値は
出ませんよね。
例えばあるモデルハウスの
Ua値があったとします。
もう一方ではみなさんが
つくる実際の家があったと
します。
当然、大きさや形、
窓の大きさなど全て違います。
条件が違うので、
実際の家のUa値と
モデルハウスのUa値は
絶対に違うはずです。
なのでモデルハウスの
Ua値を聞いて良いなと
思っている方が多いかも
しれませんが、実際の家の
Ua値は違うということを
忘れないでください。
それからUa値は
平均値ですが、
この平均というのが
とても怖いです。
仮に一部が大きくても、
他方が小さければ平均は
下がりますよね。
なので窓の温度が
壁に比べて低ければ、
窓の近くに立ったときに
寒く感じることがあると
いうことです。
なのでアベレージは
なかなか難しくて、
単純にUa値を上げること
だけを考えていくと
バランスが悪くなることも
あります。
最後にUa値の
決定的な問題点について
解説します。
Ua値は熱の出やすさを
表す数値なので、当然、
出にくい方が良いです。
なので数値が低ければ
低いほど高性能、
断熱性能が良いという
指標です。
ここで少し考えて
いただきたいのですが、
断熱性能が良くても、
そのままの状態で家の中が
温かくなることはありません。
中で温めたり冷やしたり
しなくてはいけません。
例えばどのように
温めるかというと、
エアコンやオイルヒーター、
ガスファンヒーターや
石油ヒーターなど
いろんな熱源を使って
温めます。
ちなみに超々々々
高性能住宅で内部発熱、
人間が生活してるだけの
熱で温まる家も確かに
ありますが、なかなか
一般的ではないので
それは別の話とします。
あくまでも一般的に
高性能と言われる家では
そのままだと温まらないので
何かしらの熱源が
必要になるということです。
では他の熱源は何かというと、
日射取得による太陽熱です。
松尾先生がよく言う、
無料のエネルギーを
使いましょうというものです。
パッシブ設計ともいいますね。
そうすると、
Ua値を高めることと
相反してしまいます。
パッシブ設計は南面の窓を
なるべく大きくして、
熱を取り入れることが
重要になります。
でもそうするとUa値は
下がらなくなります。
このUa値を
どんどん下げるために
窓を小さくするという
方法も確かにあります。
でもその分、
日射取得は減るので
薄暗い家が出来上がります。
日射取得がないので
無料のエネルギーが
使えないことになります。
ではどこから熱源を
持ってる来るかと言うと、
暖房から持ってくるしか
ありません。
そこで暖房効率という
ものを考えます。
ものすごく効率の良い
エアコンを選定して
効率の良い使い方を
したときと、効率の悪い
ガスファンヒーターを
使ったときに、5倍ぐらいの
効率差があります。
要するに同じ環境を
つくるときに、
5倍のエネルギーが
必要になります。
Ua値の低い家を作って
薄暗い家になったけど、
選定を間違えて結局は
エネルギーコストが
ものすごくかかって
しまったと。
こういう家は
意外にあります。
HEAT20 G2クラスの
家なのに寒いなんていう
家も本当にあります。
なのでUa値を比較して
住宅会社を選定するのは
怖いことになることもある
ことを覚えておいて
いただいた方が良いと
思います。
住宅会社さんの方も
Ua値のことばかり説明して
良いみたいなことを言ってる
ことが多いと思います。
確かに間違いではないですが、
実際に年間の冷暖房費が
いくらかかるのかとか、
どういう空調システムを
使っているのかとか、
室内と室外の温度差が
どのぐらいになるとか、
そういうことまでなかなか
聞くことは難しいと
思いますが、そこまで
気を付けないといけません。
Ua値やHEAT20 G2クラス
だけで比較しても本末転倒に
なってしまうこともあることを
覚えておいていただければと
思います。