別動画で
断熱性能を比較するときに
Ua値という数値を気にした方が
良いという話をしました。
ただ今回は
逆説みたいな事を話しますので
混乱しないでくださいね。
Ua値が良くても寒い家
というのが実際はあります。
その理屈を解説します。
ここに家の絵を描きました。
この家は断熱性能も良くて
気密性能も良いとします。
Ua値という値も悪くはない。
Ua値が高いという事は
断熱材がちゃんと入っていて、
気密も取れていて、
熱が逃げにくい設計を
されているお家という意味です。
でもこのような状態でも
寒い家というのがあります。
それはなぜかと言うと、
これも別の動画で解説しましたので
ぜひご覧になってください。
日射取得ができていないと、
いくらUa値が良くても
家は寒くなってしまいます。
冬に太陽が昇った時に、
いくら断熱が良くて
気密が良かったとしても、
この中に熱源というものがなければ
やっぱり家は暖まりません。
家の中は
色んな熱源があって、
エアコンだけでなく
テレビを付けたり
人間が生活をしているだけで
熱源は発生します。
ただそれぐらいでは
家の中は暖まりません。
ではどう考えるかというと、
太陽熱というのを
家の中に入れてあげることに
よって中に熱を入れます。
それを断熱材で
きちっと保温して外に出さない。
気密を高めて外に出さない。
という事をすれば、
Ua値が高くて
暖かい家になります。
例えばUa値を
もっと上げたいとします。
これも別動画で話しましたが、
窓は熱に弱い部分なんですね。
窓は熱の出入りが
ものすごく多いので、
窓を強化した方が
Ua値は上がります。
では太陽熱が入る部分の窓を
もっと小さくしていくと、
窓が断熱材になりますから
Ua値は上がりますよね。
ただそうすると、
日射取得がどんどん減ります。
最終的には確かに
Ua値が上がった良い家に
なったはずなのに、
日射取得はできなくなったので、
結局は寒い家になってしまった
という笑えない家があります。
例えばこれが
窓ガラスだけではなくて、
建物を南に向けないで
窓も小さくしちゃって、
Ua値は高くなる設計に
してもらったとします。
ただ実際に住んだら、
家がすごい寒い、
室温が全く上がらない、
という家になってしまいます。
やっぱり太陽の向きが悪いとか、
窓の位置が悪いとか、
間取りが悪いとそうなります。
重要なので
もう1回言います。
Ua値が良い方が
確かに良いというのは事実です。
だからと言って、
それだけでランニングコストが
安くなって、住み心地が良くなる、
とはならない場合もあります。
くれぐれも
気を付けていただければと思います。