今回は質問コーナーです。
まずは最初にご質問です。
「屋根の通気についての質問です!僕の理解としては温度差があるところに結露が生じる可能性があるという認識なのですが、 天井断熱や桁上断熱など小屋裏は室外扱いという場合も屋根材と野地板の間に通気層を設けたり、 屋根用透湿防水シートを使用した方がよいのでしょうか?」
2階の天井で断熱をとった場合に、屋根裏の三角形のところは部屋の外ですね。正確には室内ですが、カプセルの外なので、屋根通気みたいな面倒臭いことはいらないんじゃないの?という話だと思いますが、そんなことはないです。
屋根裏の三角形のところは、夏はすごく熱くなります。夏場は屋根面が70℃ぐらいになるので、熱が屋根裏に下りてきて、すごく熱が高くなります。結露というのは温度差だけでは起こりません。結露は水分があると起こるので、いくら温度差があったとしても、水分がなければ基本的には起こらないです。ただすごく冷たい熱があれば、冷たいものは水分が溜まっちゃうから、気密がきちんとされてなければ悪さをすることもあります。
それを防ぐためには屋根断熱などをすれば良いですが、その時に通気がうまくいっていれば防止できた可能性もあります。桁上断熱であったとしても、屋根の通気というのは基本中の基本です。夏の熱をカバーすることもできるし、仮に湿気が出た時にもスムーズに抜けやすいので、そういう意味ではとっておいた方がいいし、通気することによって野地板が乾きやすいから、野地板・防水層を長持ちさせる効果があります。単純に屋根裏が結露するかどうかの問題だけじゃなくて、屋根の機能的にも良いというわけですね。
では次のご質問です。
「発泡ウレタンは化学物質の固まりで主原料のイソシアネートは毒性があり人体への影響が心配です。」
この答えですが、そこまで心配なら使わない方がいいです(笑)。断熱材は発泡ウレタン以外にもあるし、発泡ウレタン断熱材がすごく高性能というわけでもないので、一番簡単なのは使わないことです。
それから、このあとのコメントで発泡ウレタンを使うと将来、資産価値が落ちませんか?と言っておられますが、日本の今の算定基準からすると、資産価値が落ちるということはないと思います。日本の資産価値は土地の金額・大きさ・装備が重要なので、発泡ウレタンかどうかというのはあまり関係ありません。発泡ウレタンがとんでもない問題を起こしたと後々わかったのであれば話は別ですけどね。
ちなみに私の家は発泡ウレタンを使っています。屋根断熱は発泡ウレタンを吹いて、壁も発泡ウレタンです。家を作ってから10年以上経って小さい子どもがいますけど、今のところ健康被害はないですね。そういうところも含めていろいろ客観的に考えていくことも必要かもしれないと感じました。
では次のコメントです。
「うちもYKKと散々悩んだ結果、全ての窓をEWトリプルにしました。滑り出し窓の漏気はまだマシなほうですが、16520サイズの掃き出し窓と16509の引き違い窓の漏気が結構多いです。(中略)冬になると掃き出し窓からの漏気がかなりあります。窓の隙間からかなり冷気が入ってくるので、冬になるとマスキングテープで塞いでました。」
このようなコメントですね。当社は今年になってYKKさんからLIXILさんに変えて気密測定をしたら気密性能が一気に上がりました。今まではいくら頑張っても0.3だったのが0.1ぐらいの数値が普通に出てきた。平均すると0.2ぐらい。細かく言うと0.14ぐらいです。あくまでも当社の測定だとかお客さんのお家に伺った中では、そんなに漏れてるとか上下から漏れてるということはないです。
ただこれも難しくて、C値が0.1でも窓からは漏れていて、他の壁からは漏れている家もあれば、窓からは漏れてないけど他の壁から漏れてる家もあります。下田島モデルハウスでも、たしかに下枠に手を当てるとスーッとするなということはあるけど、上・下・横から漏れてるということはありません。あとはすべり出し窓から漏気があるというのはちょっと不思議ですよね。すべり出し窓ってグッと閉めて引くやつだから、パッキンをグッと押さえちゃうものなので、こういう風に手を当ててもそんなに漏気はないはずですけどね。これは不思議な感じがします。
いずれにしても引き違い窓というのはたしかにYKKよりもLIXILの方がよくなったけど、あくまでも引き違いにして動くものだからゼロにはなりません。過大な期待をしちゃダメです。マスキングテープで覆ってるというのはすごい状況なので、よかったら住宅屋さんに聞いてみるといいかと思います。