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 | 2024.08.10

紹介が難しい理由と工務店が見つからない理由は同じかも

今回は、工務店の紹介について解説します。

今日の内容は、見ている方によっては気分を害されるかもしれません。しかし、それが回答になるんじゃないかとも思っています。率直な私の感想としてお聞きいただければと思います。

たしか以前の動画で、「当社では工務店の紹介はしていない」と話しました。実際これは、当社だけでなく、他の工務店さんでもこういう話を聞いたことがあります。

仲間同士で「◯◯県で建てられているお客さんがうちに来ているんだけど、誰かできる人います?」みたいな感じでFacebookなどでやりとりをしていることがあるけど、私はあれにすごく違和感を感じます。なぜかというと、そんな気軽に紹介するものなのかな?と思うからです。友だち同士で仲がよくて「あいつだったら大丈夫」という感じでやっているならいいと思うけど、私は不安感があります。

私は、紹介してもらったことはないし、森下さんに紹介したこともないです。当社で建てたお客さんからの紹介はありますが、工務店の方から当社に連絡が来ることは、今のところ1件もないです。もっと言うと、私はそれは受けないです。そのお客さんがどんな人かもわからないし、優先順位も全くわからないからです。

例えば、その人が当社のメルマガなどを全部読んで、ホームページも見て、知り合いに「この会社知ってる?」と聞いたら「知ってるよ」と言われて「実はこの会社に興味があるんだよね」という感じで来るならいいんです。でも、「群馬県だから」という理由で来るのは、ちょっとどうかなと思います。

そうは言っても、メルマガの感想やYouTubeでも「◯◯県で家づくりを考えてるので、オススメの工務店があったら教えてください」「いろいろと探してるんだけどいい工務店が見つからない、◯◯県で信頼できる工務店を教えてください」などと言われることがあります。しかしさっきも言った通り、残念ながら当社では紹介はしていません。

そのお客さんがどんな家を建てたいのかもわからないし、予算もわからない、デザインの好みもわからない、それらをどういう優先順位で建てたいのかもわからないです。家のデザインだって、モダン系なのか、女性好みの塗り壁風なのか、洋風なのか、和風なのかなど、いろいろあります。そういった部分は、特に女性は気にされる方が多いと思います。それが全くわからないのにやるのは難しいと思います。

そして、一番は価格だと思います。価格感が合わないと、仮にいい工務店だったとしても難しいと思います。

また、工務店さんが見つからないという方は、もしかしたら要求が多すぎるんじゃないかという感じもします。要は、優先順位が高いものが10個あるとかだと、合う工務店はないと思います。

例えば、松尾先生は高性能住宅を提唱している方ですが、その松尾先生の言ってることを全て加味して、なおかつこのくらいの金額で、屋根裏エアコンをやって、床下エアコンをやって、太陽に素直な設計をして、日射取得・日射遮蔽を完璧にして、さらにデザインはこういうのがいい、とした場合、それを完璧にできる工務店はないと思います。もっと言うと、松尾先生を批判するわけではないけど、そこまでやらなくてもいいんじゃないかと思うことや、逆に地域的に、ここはもっとやらなくちゃいけないということもあります。

例えば、当社の辺りは、夏はすごく暑くて毎年40℃ぐらいの世界です。そうなると、夏場の空調計画がものすごく大事になるので、一言で屋根裏エアコンだけでは済まないんです。これは松尾先生とも話したことがあって、群馬は暑いから、屋根裏エアコンだけで空調計画をするのは難しい、日射遮蔽なんかもやらなくちゃいけない、などと話しました。

逆に、九州などの温暖地であれば、屋根裏エアコンがなくたっていいんじゃないかとも思います。当社のモデルハウスみたいに勾配天井にして、一番高いところにつけるのも悪くないと思います。一方、北海道では屋根裏エアコンがベストではないと思うし、北海道の冬の空調計画でエアコンは、パワー不足な感じで難しいと思います。

実際に私が聞いた話では、北海道の方は北海道の業者さんから「エアコンが一番ランニングコストも安くて、温度と風力を一緒に使うからものすごく効率がいい、エアコン暖房がいいんじゃないですか」と言われるそうです。それはたしかにそうだけど、なかなかエアコンでは厳しいとも思います。どんどん高断熱化した上でエアコンを使うのかもしれないけど、難しいところもあるらしいです。

このように地域性があるので、全ての理屈が正しいわけでもないのです。でも一方で、本を読んで勉強したりすると、そこの部分を信じて探してしまうから、「合う工務店がなかなかない」という人がいるんじゃないかと思います。

当社に来るお客さんでも、過剰なことを言われる方はいます。でも、そこまでやってどうするのかと思います。G3にして、一種換気にして、トリプル樹脂をつけて、トルネックスもつけて、というのは、できなくはないけど当然お金もかかります。そうなると、さっき言った予算の面で話が変わってきます。そうすると、お客さんの予算の中で、お客さんが考えていることができる会社は、私の知る限りではありません。そういうことをやっている会社さんは埼玉県辺りにあるけど、間違いなくその金額ではやっていません。

もしみなさんの中で、なかなか工務店さんが見つからないという方がいたら、もう1回優先順位を紙に書いて、眺めてみて、実際どうなのかを確かめた方がいいと思います。いいとこ取りや、あれもこれも全て、というのは難しいです。

私は、松尾先生に教えていただいたことが良いと思っているので、太陽に素直な設計のために建物の方向をちゃんとするとか、日射取得・日射遮蔽をちゃんとするとか、断熱性能はG2.5ぐらいにするとか、屋根裏エアコン・床下エアコンで空調計画をするというのは、当然やっています。でも、無垢の床を使うとか、珪藻土を使うとか、杉板を使うとか、その辺りは松尾先生の教えではないです。

実際、松尾先生は当社のように杉板をいっぱい貼ってはいないです。無垢の床は使うけど、設計事務所さんだからすごく高い床を使ったりしています。当社の場合は、要望があればやりますが、そこにそんなにお金をかけるのはもったいないから、杉・檜・アカシアとかをベースで使っています。

まずは優先順位をちゃんと考えて、その中で譲れないものを大体3つぐらい決めます。あとは、この辺りは工務店さんに相談してみようとか、ここの部分は仕方ないかな、などと考えてから工務店さんに行くようにしないと、なかなか難しいんじゃないかと思います。

工務店さんがなかなか見つからない時は、1回リセットしてみて、自分自身の要望の高さ、性能と価格のバランスなど、そういうところがズレていないか、考えてみるのもいいと思います。その上で、松尾先生のセミナーに出ている会員さんの名簿、新住協の会員さんの名簿などのところに、問い合わせや相談してみるといいのかなと思います。

ただ、他の動画でも言いましたが、今この辺りに問題が起こっています。新住協さんでは、幽霊会員さんがかなり増えているそうです。前にメルマガでも話しましたが、当社が作ってるお家のすぐ隣で、新住協のQ1マスター会員さんが、ローコスト住宅や建売住宅よりも酷い家を普通に作っていました。それがいいかどうかは私にはわからないけど、それだったら新住協の会員にならなくていいんじゃないかと感じます。

他の方から聞いた内容でも、各支部で新住協マーケティングが流行っていて、今は高性能住宅ブームだから、リストに載ると問い合わせが増えるそうです。新住協・松尾先生セミナー・構造塾も同じです。しかし、リストがあればそれを見て問い合わせするのが人間の常なので、こうなるのは何となく想像できます。

ちゃんと考える人は、そこで「あくまでもリストだから、とりあえず問い合わせてみよう」というぐらいで考えています。しかし中には、それを信じてしまう人もいます。リストだけで信じるのではなく、まずは質問をして、話を聞いて、その人が実際にどういう風に思っているのか、実際に作っている家はどうなのかなど、調べないと怖いです。

当社のお客さんの中にも、当社に来る前に、松尾先生のセミナーを受けたという会社さんに行って、話を聞いた方がいました。しかし、松尾先生は「耐震等級3じゃないとまずい」と言っているのに「耐震等級3なんかいらない」「あんなにガチガチにしたって仕方ない」と言っていたり、断熱は入れるけど、空調や日射遮蔽のことは全く言わないなどという感じだったそうです。でもセミナーに出ているし、リストにも載っているんです。

こんなことが普通にあるので、くれぐれもお気をつけください。