今日の動画は、2024年最後の動画なので、みなさんに今年最後のご挨拶をさせていただきたいと思います。今年も本当に、私のYouTubeをご覧いただき、一部の方はメルマガ・facebook・Xをお読みいただき、本当にありがとうございます。来年もみなさんの家づくりの参考になるものを配信していきたいと考えています。また、私が考える理屈・理論ではなく、事実を大切にしていきたいと思います。
ちょっと話がズレますが、最近家づくりに関して勉強される方が増えてきた中で、なんとなく感じることがあるんです。勉強される方が増えたことはいいことだと思います。当社はパッシブ設計の高性能住宅を作り始めて9年目ぐらいになります。初期の頃は本当に、家づくりの勉強をされる方は少なかったです。それがだんだん、世の中のCO2削減やエネルギー問題の流れの中で、高性能住宅が知られるようになり、それに波長を合わせるようにやってきました。
マーケティング的に言うと、アーリーアダプターという方が増えてきて、その方たちが勉強し始めて今に至ると思います。それの第一段階が終わって、だんだん高性能住宅が一般化してきて、今は私の中では第二世代のイメージの方が勉強し始めていらっしゃる感じがしています。この中で本当に感じることが、率直に言うと、知識過多という方がすごく多くなってる感じがします。もっと言うと、事実よりも知識が重視されている感じです。
事実と知識の違いってわかりますか?事実というのは、知識があって、それを具体的に行動するなどした結果わかったことです。私は、結果わかった事実の方が正しいと思います。それは事実なんだから。ただ知識は、まだそこまで至ってない段階です。まずは知識を勉強して、それを元に具体的にいろんな行動をすることで、事実を発見して、知識と事実の差を埋めていって、「これは正しかったんだ」「これは条件次第なんだ」「私にはこれは当てはまらないんだ」などの整合性を考えていくというのが、本来の「勉強」だと思います。しかし、どうしても知識が強すぎてしまい、知識で頭がいっぱいになってしまって事実まで辿り着かない方がいると思います。
事実を確認するというのは、はっきり言って面倒くさいです。私も家づくりをしていて、事実を確認したいがために毎回毎回いろんなことを考えて、工事も何回も現場に行って、大工さんと話をしたりとかして、測定をして事実を確認するわけです。今回の家はこういう間取りで、こういう場合は床下・屋根裏エアコンの位置はどうとか、冷気の流れはどうとか、そういうことを考えてやっています。
最近はだんだんわかってきたけど、初期の頃は床下エアコンの位置とそれを送り出すファンの位置でも悩んだり、置き方を変えて冷気の調節をしたり、ずっと空調をかけっぱなしでもなぜ湿度が下がらないのか、答えを自分で探したりして事実を探求しました。
でもこれは、終わりはありません。なぜかというと、建てる場所・環境は毎回違うし、もっと言うと周りの環境が変わるからです。地球環境と言うと大きな話ですが、温暖化などの環境変化の中で家づくりをやるから、終わりはないのかなと感じます。でもこれをやり続けないと、事実はわかりません。
私と話したことがある方はわかると思うけど、私は事実を探求したい人間です。あんまり知識ばかり軽々しく言う人間じゃないと思ってくれていると思います。ただ裏返すと、面倒くさい人間です。でも私は事実の方が重要だと思っているし、私がいつもお話しする西の巨匠という広島の方は、ずっと事実をやってこられた方です。卓上の知識の勉強もするけど、それを実際に自分でやったらどうかという結果をずっと考えている人です。
私がこの人と初めてお会いした時には、この人は本当に信頼できる、すごい方だと思いました。言っていることは、全て事実に基づいているんです。その頃の私はまだここまで至っていなかったので、知識で覚えていたことをその人に質問したところ「いやでも俺がやるとこうなんだよね」と言われました。「そうなんですか?じゃああれは何なんですか?」「あれはああじゃないの?でもそれは地域によって違うし」などと話をして、「群馬は違うんでしょ?それは小暮さんがやってみたらいいんじゃない?」と言われ、やってみたら「確かにな」となったこともありました。これをずっとやっています。
話がズレていますが、知識を事実に変えていくことが本来の「勉強」だと思うし、知識はもうそろそろいいんじゃない?と思います。知識って、もう答えは出尽くしてませんか?私も、メルマガや過去のYouTubeで「この本を読んだ方がいいんじゃない」「この人が言ってることは大体正しいんじゃない」「この人とこの人が言ってることは、基本は押さえてる」などと言っています。それ以上のことはあくまでプラスアルファで、何とでもなっちゃうって感じです。
それでもどんどん知識を欲しがって、それを新しいことと捉える人もいますが、正直家づくりに関しては、新しいことなんてないんです。原理・原則は決まっていまから。日本で家を作る限りは、新しい事実はもうないと思います。
私のYouTubeを見てる方は、真面目に勉強されている、ちゃんとした家を作りたいとか、家族のために、という方が多いと思います。なんとなくBGMで見ているような方ではないと思います。私もそういう気持ちで家を作っているので、理解していただけるのかなという感じもします。もし来年から家づくりをされる人だったら、私からするとそういうところもなんとなく感じるということを、参考にしていただければと思います。
さて、今年はオープンハウスを4回やらせていただきました。大切なお家をお貸しいただき、本当にそれぞれのお客さんにお世話になり、本当にありがたく思っています。その中で特に印象に残っている、若いご夫婦の方がいらっしゃいます。実はちょうど私の長男と同じ世代の方で、私もその世代の方の家を作らせていただくのが初めての経験で、私の中で余計に響くものがあったんです。また、その若いご夫婦はものすごく真面目で、一生懸命仕事して頑張っている感じで、今でも何かあると連絡を取っています。
先日、その方が初めて床下エアコンを使うということで行ってきたところ、奥さんがご懐妊されたと聞きました。来年の春に第一子が生まれる予定で、両家の親御さんにとっても初めてのお孫さんだそうです。私も、私の長男に子供が生まれるみたいな感じで嬉しくなりました。
お客さんには、建て終わって家を引き渡した後の住み心地を教えてもらったり、固定資産税のデータも教えてもらっています。固定資産税ってわかりにくいし、計算式はあるけど実際にいくらなのかがわかりにくいじゃないですか。なので、沼田・高崎・鴻巣などいろんな地域のお客さんにデータをいただいて、実際の固定資産税を教えてもらっています。高性能住宅は、普通の家より高いです。だから固定資産税もとんでもない金額になると思われる方も多いんだけど、意外にそんなことはないです。実際にお客さんもびっくりしているし、最初は私も「計算間違ってませんか?」と思うこともあったぐらいです。
話を戻します。今年オープンハウスをさせていただいた若いご夫婦から、メールをいただいたので紹介させていただき、2024年の最後のYouTubeにしたいと思います。
「小暮様いつもお世話になっております。こちらこそ先日はお家に来ていただきありがとうございました。妻は悪阻も落ち着き始め、体調が安定してきました。アパートではなくこのお家で過ごせていることで、日々の生活が暮らしやすいみたいです。
床下エアコンを使用開始しています。設定温度は24℃で、自動運転しています。妊娠中なこともあり、なるべく朝の室温が下がらないように、22℃より少し高めに設定しています。稼働時間は基本的に就寝前の11時から起床時の6時ぐらいまでです。朝起きると床が暖かく、厚い布団は使わずに過ごさせていただいています。床下エアコンを使用していない場合の室温ですが、おおよそ20℃台です。13日の金曜日は外気温がとても低い日でしたが、仕事から帰ってきたら室温が18℃になっていました。それがこのお家で確認した室温の中では最低温度でした。
電気代については、床下エアコン使用前の10月は8732円、床下エアコンを数回使用した11月は9093円でした。12月に入って寒くなってきたら床下エアコンの使用回数が増えましたが、まだ12月の電気代は確定しないため、後日改めてご報告させていただきます。床下エアコンについては、もし他の情報が必要でしたら言っていただければ、いろいろお知らせします。床下アイコンとは関係ありませんが、外壁の掃除をしました。水を流しただけですが、茶色い濁った水が出てきてこんなに汚れてるのかと思いました。私はこれまで家の外壁を水で流している人も見たことがありませんでしたが、まだ半年なのにこんなに汚れが溜まっていることを目の当たりにして、家の外壁の掃除の必要性を感じました。掃除中に家の前の道路を通過する人に珍しそうな目で見られましたが、自分の家に愛着がない人から見たら、不思議なことをしてる人だと思われたと思います。昨日の家の掃除をしたことで、この家に対する愛着もさらに湧いてきます。今後も家をきれいに保てるように、自分たちでできることは定期的にやりたいと思います。」
このメールを貰ったのは最近のことです。気温は日によって違いますが、群馬県太田市の気温で大体-3〜11℃ぐらいの気候です。13日とありますが、この日はいきなり寒波が来た日でした。大体私が思うのは、冬に気温がマイナスになってきた頃に無暖房の状態で、大体18℃ぐらいじゃないかと言いますが、その通りになっているようです。外壁については、当然雨風が当たっていますから、案外埃がつきます。私もよくお客さんに言いますが、年に数回、ゴールデンウィーク・お盆・年末の掃除の時に、ホースで軒の下に水をかけて流すだけでも汚れが落ちます。あとは、レンジフード・お風呂のフードのところは油が出るので、カーシャンプーなどで軽く洗ってもらうだけでいいです。それをやった家とやらない家では、10年間経った時に全然違います。でも、言ってもやらない人はやりません。このお客さんはものすごくしっかりした方で、私の言うことを信用してくれるんでしょうね。
今の若い方は本当にしっかりしていると思います。大学を出たときから世の中は厳しかったし、仕事に対する成果・目標もはっきりしています。こういうお話をいただくと、本当に家を作らせていただいてよかったなと思います。また、若い方が愛着を持てる家を作るということが、我々の責務かなと感じました。