今回は質問コーナーです。
まずは最初の動画です。
▼付加断熱は通気層がいらないのか?
https://www.kosodate-sekkei.co.jp/blog/fuka_dannetsu_tsuuki/
現在フルリノベーションで
壁を付加断熱にされると。
内断熱をセルロースファイバーか
ウッドファイバー、外断熱を
プラスチック系で考えていますと。
外壁は塗り壁なので
通気層を取らない形に
なると思いますと。
この場合、
特殊な透湿防水シートを
施工したらいいと動画内で
仰っておられますが、
タイベック社のどちらの
商品になるのでしょうか?
というご質問ですね。
商品名で言うとタイベックさんの
ドレインラップですね。
ドレインラップは
仮に湿気が来た時に
シワの部分から水分が
染み出していって
下に落ちていくという
特殊なシートです。
値段は案外高いですが、
セルロースファイバーのような
湿気が入りやすい繊維系の
断熱材を使った時は
ドレインラップを使った方が
安心と言えば安心です。
使わなくても
防湿気密シートを張って
湿気を中に入れないように
すれば使わなくてもいいです。
グラスウールを使う場合は
防湿気密シートを張って
ドレインラップを張らない
という方法もあるし、
アキレスさんのキューワンボードなら
表面自体が防水層になるので
キューワンボードの間を
アルミテープなどでテーピングを
すると面自体で防水になります。
使い方によって
構成が変わってきますが、
今回の場合で言うと
ドレインラップがいいでしょう。
ただ気になるのが
防湿気密シートを張らないなら、
セルロースファイバーで
調湿をさせるような目的が
あるのでしょうか。
もしそういう考え方であれば、
私の中ではうーん?と
思うところも正直あります。
何度も言っていますが、
セルロースファイバーは
断熱材であって調湿させる
ものではありません。
この辺りは難しいので、
私がそれに対して
良い・悪いを言うことは
ないです。
いろんな考え方があるし、
消費者の方が判断していただくのが
最善じゃないかなという
感じはします。
では次です。
▼①樹脂窓のガスは10年で抜けてしまうのか?②評価証明書と現場の施工が違う事があった
https://www.kosodate-sekkei.co.jp/blog/mado_gus_sekou/
我が家はアルミスペーサーの
アルゴンガス入りペアガラスですが、
築16年の段階で東と南に面した窓は
内部結露していました、という
コメントをいただきました。
まずこの動画で
10年でガスは抜けないと
解説しました。
これにはいろんな
前提条件とかがあって、
16年前の樹脂サッシと
今の樹脂サッシを比べた時に
どうするのかという
問題がありますよね。
もっと言うと
16年前の樹脂サッシが
どこのメーカーなのか、
海外のメーカーなのか
国産メーカーなのか、
YKKさんなのか
LIXILさんかという問題も
出てきます。
例えばYKKさんの
樹脂サッシの場合、
メーカーさんが責任を持って
工場で組み立てます。
それをメーカーさんが
責任を持って当社の現場に
持ってくるわけです。
アルミサッシの場合、
これとは違うパターンが
あります。
メーカーさんから窓枠を買って、
ガラスはガラス屋さんが
はめ込むというケースもあります。
こういう変わったスタイルで
販売しているルートは存在します。
メーカーさんが
全て責任を持って
作ったものを販売するのと、
別々の物を組み合わせるのでは
おそらく性能に対する考え方は
全く違うと思います。
さらに、
メーカーさんのものより
販売価格も安くなります。
ちょっと言い方は悪いですが、
ローコスト系とか
予算を削りたい住宅会社さんは
こういうルートでサッシを
買っています。
もちろんこれが
違反というわけではないですが、
メーカーさんのお墨付きが
あるわけでもないです。
ただ今作っている樹脂サッシが
16年間で内部結露するかどうかは
わかりません。
100%は絶対ないですからね。
これはなかなか難しいです。
ただ10年で抜けるというのは
かなり考えづらいと思いますけどね。
では次です。
先ほどと同じ動画に
コメントをいただきました。
工務店さまと
1対1契約なら解決は簡単ですが、
設計事務所なりが介入した場合は
3者が絡む&施工までの過程で
誰がミスしたか、など検証する
必要もあり面倒くさそうですねと。
契約直前の仕様書が間違っており、
性能が劣ったものが
取り付けられているとすれば
ドア交換してと
お願いしてみてもよいかなと
感じますと。
設計士→仕様確定→部材発注の
どこにミスがあり、どこの段階で
最終仕様としてお施主さまが確認をし、
契約に至ったかが争点でしょうか、
というコメントですね。
この動画を観ていない方は
意味がわからないと思いますが、
性能評価という自分が作っている家は
どのくらいの性能なのかを第三者の方に
チェックしてもらう評価方法があります。
要は図面や仕様書を第三者、
国が指定する機関に送って
全てを評価してくれます。
この評価書を質問者さんが
見た時に、現物と仕様書の
違いに気づかれたそうです。
それに対して、
正しいものに交換してくれるか
どうかお悩みの相談を受けた、
ということですね。
一番の原因は、
性能評価証明をチェックしている
向こう側の人が意外と
いい加減なところだと思います。
あまり図面を見ていないでしょう。
過去に当社が
図面を間違えて送ったときに、
指摘なしで通ったことがあります。
たまたまその人が
ミスったのかもしれませんが、
こんなこともわからないの?
というぐらいの間違いだったので
びっくりした経験があります。
そもそも住宅屋さん自身も、
性能評価の結果が出てきた時に
それをもう1回見て間違って
いないかチェックをする人は
少ないと思います。
もしかしたら今回は
住宅会社さんが間違った
資料を渡して結果だけを見て
いいじゃんと、一方で
お客さんから指摘を受けて
住宅会社さんも気付いた
というレベルの話じゃないかな
という感じはします。
ハウスメーカーさんは
仕様が全て決まっているので
間違いが起こらないように
なっていますが、
中小工務店は毎回仕様が
変わったりしてこういうミスが
起こっていると思います。
そもそも、その工務店が
得意じゃないことをやらせるのは
あまりよくないと思います。
私が言うのもアレですが、
住宅屋さんには何でも
できますと言う人は多いです。
やったことがない人に
無理矢理やらせるのは
まず間違いだし、あまり
やったことがないですと
言いながら頼むのもやめた方が
いいですよね。
後々、大抵は
問題が起こってくるし、
お客さんもストレスが
溜まってくるでしょう。
余計なことはやらない方が
いいかなという風に思います。
みなさんの参考になれば幸いです。