今回は、私が配信させていただいたメルマガに対する感想を紹介します。
メルマガは基本的に週3回ぐらい配信しています。YouTubeだけ見ているという方も多いと思いますが、メルマガではYouTubeで話しづらいところや、現場の施工状況などを配信しているので、ぜひ当社の家づくりに興味がある方に読んでいただきたいです。
ただ、読まないのに登録する必要はありません。登録することで安心感は生まれるかもしれませんが、勉強にはなりません。いろんなことに手を広げるのではなく、取捨選択をしていかなければ、本当の意味で勉強にはならないし、本質もわかりません。逆に、いろんなことに手を広げ過ぎて、自分の都合のいいように解釈されても困ってしまうので、勉強をするのであれば、ある程度絞った方がいいかと思います。
以前に他の動画で、千葉県の方からのお手紙を2回にわたってご紹介しました。その方も、最初は広げていって、そこからグッと絞って、絞った中から取捨選択をして、最後に決めたという感じでした。あんまりああいう動画はウケないんですが、ああいうものをしっかりと見た方が、よっぽどためになるとは思います。
床下エアコンや屋根裏エアコンは、こういうものだからこうしないと効かないという風に、理屈があります。それを変化球で、こうやっても効くということはないと思います。そんな魔法みたいなことはできないし、原理原則というのは決まっています。
家づくりは難しいことかもしれませんが、理屈がわかればすごく簡単になります。建てる家の大きさや間取り、建てる場所の条件に合わせて理屈を当てはめていけば、そんなに失敗はしません。それを面倒臭がってやらなかったり、消費者の方の要望を聞きすぎたりすると、空調が効かない家になってしまう可能性があります。
お客さんのためだと思ってやるのはいいですが、その結果として、本来お客さんが気にするべきところが蔑ろになってしまうかもしれません。せっかくカッコいい家を作っても、寒かったり暑かったり、耐久性がなかったりしたら、それはお客さんにとっていい家だとは言えないんじゃないかと思います。
前置きが長くなりましたが、先ほどお話しした千葉県の方から、メルマガに対して感想をいただきました。それにもまたいいことが書いてありましたので、紹介したいと思います。
「この度は小生の拙い感謝の手紙を事細かく解説いただき、また本来ならば多数の投稿者様の疑問や質問へのお時間に当てていただかねばならないところを2回にわたりご紹介いただき、改めてお礼を申し上げる次第です。流石、プロの方はそこまで読み解かれるのだなと感心することしきりです。小暮社長の解説を何度も見聞き返しました。吉野家の件については、笑ってしまいました。この1年ほどで建築系YouTuberが雨後の筍のごとく増えてきました。但し、失礼ですが、チャンネル登録数狙いとかCM代稼ぎかな?と思う輩が多いのも事実と思われます。」
なぜ今はコピペのようなYouTubeが多くなったのか、再生回数狙いが多くなったのかというのは、メルマガを読んだ方はご存知だと思いますが、今のYouTubeの作り方がそうなっているからみたいです。家づくりというのは新しく始めることだし、おそらくほとんどの方にとって一生に1度のものですよね。当然、最初は何もわからないわけなので、視野を広げるために勉強をする必要があります。
ただ、今の人は自分の視野をなるべく広げたくないと思う人が多いみたいです。それだと勉強にならないと思いますが、面倒臭いし、そんなことをするよりもスマホを見る時間の方が大事なのかもしれません。怖いのが、一部分しか見てなくても、どんどん情報発信すれば攻略できるということを知ってる人がいるということです。最近はそういう風潮があるみたいです。
AIは、その人が欲しい情報だけをどんどん送り続けて、関連動画を表示して、その人の頭の中をそれでいっぱいにするという戦略があるらしいです。考えずに理解できるわけだから、楽は楽ですよね。
たまたま今朝テレビを見てたら、チャットAIについてやっていました。チャットAIというのは、チャットで自分の悩みを書くと、AIがその人が喜ぶような回答をしてくれるというものです。どんどんハマっていって、空想の世界で生きてしまうような人もいるそうです。人間は弱いから、誰かにそう言ってもらいたいと思うものなので、そういうのを活用するのは悪いとは思いません。ただ、それに頼りすぎちゃうと、おかしなことになると思います。AIはあくまでも、その人が喜ぶようなことを言っているだけで、親身になって考えてくれているわけではないからです。
ただ一方で、「それは違うでしょ?」と言ってあげなければ、成長しないということもあります。ずっと褒められていても仕方がないし、ずっと叱られるのもとんでもないですよね。強弱というのがなければ、成長することはあり得ないと思います。
経営者としていろんな話を聞かせてもらっている人がいるんですが、その方が言うには、人間は年を取れば取るほど叱られたくないとか、自分の考えが通用しないところには何も言いたくないという特性があるんだそうです。子どもの時にはそういうのがわからないから一生懸命頑張るけど、年を取れば取るほど、恥をかきたくないという人が増えていきます。ただ、そういう場面を避ければ避けるほど、能力はどんどん縮小していってしまいます。一番いいのは、自分の考えが通用しないところに行って、「俺にはこういうところが足りなかったんだな。」と感じて、勉強をすることみたいです。
プロの設計士さんの方が考える空間構成というのは、私の頭にある構造とは全然違います。この色同士をミックスするのは、普通に考えたらおかしいと思うようなものでも、実物を見たらおかしくないということがあったりします。ただ、その色使いを許容してくれる人というのは、かなり少ないだろうなと思います。今の私だとなかなかそういうものをお客さんにプロデュースすることはできませんが、そういうのも面白いかなと思います。
自分の頭の中のリミッターを外し続けていかないと、新しい世の中の流れも読めなくなっちゃうし、お客さんに新しい提案もできなくなってしまうと思います。断熱も気密もUA値も重要ですが、それだけで決まるわけではないということです。
「まもなく上棟式を迎えます。構造計算ではUA値は0.39でした。10回の外部検査に毎回は行けませんが、できるだけ足を運びたいと思っております。これからも静かに拝聴、拝読したいという思いが、さらに強くなりました。これからも生の声を届けてください。ありがとうございました。」
生の声を届けるというのが私のメルマガとYouTubeのテーマです。雑誌や本に書いてあることも重要ですが、それを実際に自分が実践してみてどうだったのかを伝えるのが、私の使命だと思っています。別に社会を変えようとは思ってないし、誰かを敵にする趣味もありませんが、それが私の中では面白いし、正しいことだという感じがします。
次は、なぜ最近同じようなYouTubeが増えているのかという内容のメルマガに対する感想です。
「いつもありがとうございます。YouTubeのお話もその通りと拝読させていただきました。本当にYouTubeは増えたと思います。但し、気になるとか見てみたいとは正直思いません。あからさまに表題で回数稼ぎを目的としているようにしか見えないからです。自分の経験上、自らの謎解きなくして目標への到達はないと断言できます。西の巨匠の回も家づくりに真摯に携わっておられるのが伝わってきますし、小暮社長も同じ立ち位置なんだなと感じました。」
西の巨匠のすごいなと思うところは、新住協の創設時からのメンバーさんのため、高性能住宅をずっとやってこられたきたのに、新住協のやっていることにも疑問を持っているというところです。新住協が悪いというわけではありませんが、元々北海道での家づくりがベースなので、本州の温暖で湿気があるところだと、ちょっとどうかな?と思うところもあったりするからです。
また、空調計画に関しては、新住協は弱いと思います。暖かい家を作るということに集中するので、断熱を良くして気流止めをやれば、少しの熱さえあれば何とかなるという風に思うのかもしれませんが、群馬みたいな暑いところは、それだと逆効果だったりもします。
下田島モデルハウスは、去年の6月に改修工事をして、付加断熱をやってUA値を下げました。それはどうだったのかというのを自己分析した結果はメルマガに書きましたが、「建てる場所に応じた性能が一番。」ということしか言えません。
24時間換気をやることに対して、私には疑問がありました。24時間換気は、元々はこういう理由で義務付けられたけど、現状はこうなったとか、こういうことが防止できるという風に一般的には言われているけど、こういう家だったら必要ないということを西の巨匠とお話ししました。このように謎解きをやっていくと、全く違う展開が見えたりします。こういうのができる人というのは、ほぼいない気がします。
24時間換気は、法律的につけなくちゃいけないわけではないので、つけるにしてもケースバイケースです。ただ、三種換気でも全く問題ないのに、何でわざわざ一種の高額なものをつけて機械ばっかりドッキングさせるのかな?と思うことはあります。
私は何と言っても、冬に暖かい家を作るためには、日射取得を優先させることが一番だと思っています。ただ、それだけだと夏に暑い家になってしまうので、日射遮蔽も同時にやらなくちゃいけません。日射取得ができるような家であれば、それだけ熱が貯められるわけだから、一種換気をつけずに三種換気をつけても、室内が寒くなっちゃうほどの影響はほぼないはずです。
機械で暖めなきゃいけないような家の場合、その機械を使うためにかなりの金額がかかると思いますが、10年ほどで交換する必要があったりするので、かえってつけない方が安いんじゃないかと思ったりします。そういうことを考えていくのも大事です。どんどん話がズレていってしまった気もしますが、参考になれば嬉しいです。