今回は建物の構造について
解説をします。
みなさんは耐震診断を
知っていますか?
耐震診断は古い建物を
チェックして、
耐震性が良いか悪いかを
判断するものです。
これをネタに営業をする
会社があったり、
最近だと昔の家は耐久性が
ないから役所が補助金を
出して耐震診断をする
サービスもあったりします。
今回は耐震診断が
悪いという意味ではなくて、
これを間違って理解する人が
多い気がするので
解説したいと思います。
まずは構造計算について、
どんなことをやっているのか
簡単に説明します。
構造計算はまず、
そもそも柱の強さ、
ヤング係数などがありますが、
柱自体の強さを測ります。
それから梁。
柱と柱を繋いでいるものが
梁で、このチェックもある。
それから床。
地震のときに水平剛性、
つまりねじれを抑える
床の強さもチェックします。
あとは 基礎。
基礎は地中の中にあって
重さを支えたりします。
地震のときに下から
力が加わるので、
基礎は建物の
何十トンもあるものを
反力で支えるような
強さがないといけません。
これも重要です。
それから接合部。
柱があって梁があって、
床があって基礎があって。
すべてが組み合ってるので、
この接合部が弱ければ
地震が来たときに
取れ手しまします。
ここにちゃんと太いネジが
止まっているかどうか
チェックします。
これらをチェックするのが
構造計算です。
トータルで計算して
耐震等級がいくつになるか
計算するのが構造計算の
基礎ですね。
では耐震診断は何か。
前提条件として、
家は古いのが基本です。
古い建物を診断をして、
これから何か補強をして
耐震性が上がるときに
変えられるものと
変えられないものが
絶対にあります。
このときに
変えられるものは何か
ということです。
まず壁は
いっぱい貼れば
変えられるます。
変えられるというか
増やせる感じです。
耐震診断で
壁を補強することは
できます。
次に接合部。
接合してる部分に
金物を取り付けて
離れにくいようにするのは
できますよね。
床も新しく貼るとか、
吹き抜けを蓋をすれば
床が増えますよね。
そうすると
ねじれに対抗するので
床もできなくはないです。
次は基礎。
基礎を新しくするのは
たぶん難しいですよね。
すでに家が建っているのに、
基礎を取ってやるのは
難しいじゃないですか。
なおかつ基礎は
鉄筋コンクリートで
できてますから、
中に入ってる鉄筋を
引き抜いてまた入れるのは
難しいですよね。
そもそもできあがってる
コンクリートを削って
またコンクリートにするのは
難しいじゃないですか。
場合によっては
基礎を補強するのは
できなくないけど、
大元の基礎を変えるのは
なかなか難しいです。
それから梁や柱を
変えるのはかなり
難しいです。
屋根を全部剥がして
壁も剥がして柱を抜いてたら
結局は新築と変わりません。
場合によっては柱を
もう一本足すとか梁を足すとか
というのはできるかも
しれませんが、そのためには
壁を全部剥がしていかないと
できないので、なんとなく
不可能だとわかりますよね。
簡単にできるものでは
ありません。
結局は耐震診断をして、
地震に強い家にしようと
思ってもやることが
限られてしまいます。
つまり、
耐震診断をするこは
悪いわけではないし
いいことには繋がりますが、
限界があるということです。
私がまずいと思うのは、
耐震診断をすれば
地震に強い家ができあがる
ようなイメージを持つことです。
その結果、
たくさんのお金を払って
しまう方がいるかも
しれません。
本当に地震に強い家を
つくりたいのなら、
新築にしないと無理だ
ということが
ある場合もあるということです。
耐震診断が悪いわけでは
ありませんが、過大に
評価すると勘違いすることも
あるということを
覚えておいていただければと
思います。