今日は
下田島モデルハウスで
撮影をさせて
いただいております。
コロナウイルスで
首都圏の移動を
制限されているので、
群馬県で撮影をしています。
今回は
基礎断熱ですね。
基礎断熱にすると
床下にカビが生えやすい
と心配されてる方が
いらっしゃるようです。
某大きな会社さんの
基礎断熱でカビが
生えてしまって
問題になったことを
聞いたお客さんから
基礎断熱は本当は
危ないんじゃないか?
と私にご質問を
くださいました。
その辺りについて
解説をします。
そもそも基礎断熱は
どういうものか?
簡単に説明します。
一般的なベタ基礎は、
土台と基礎の間に
基礎パッキンという
ものを入れます。
そこは空気が通るように
なっていますから、
床下から湿気が抜けます。
コンクリートは
ざっくりと1〜2年は
水分が出ると
言われてます。
実際にお引渡しをした
お家を測定をすると、
最初の1〜2年は
冬場に加湿器を
使わなくても家の中は
良い具合に湿気が
あります。
材木はそんなに
水分が出るわけでは
ないですから、
基礎から水分が出てくる
というのは本当だと
いう感じはします。
なので一般的なベタ基礎で
基礎パッキン工法になると
湿気が外に出るので
カビません。
基礎断熱の場合は
基礎の中を断熱して
温かくした空気が
外に出ないように
パッキンというものは
使いません。
基礎断熱は
床下までが部屋として
考えるので、床下だけで
抜くという考え方では
ありません。
細かく言うと実際は
パッキン材というもので
土台とコンクリートを
ピタッと密着させます。
そのうえで基礎に
断熱材を入れますが、
会社によって入れ方が
違います。
一番メジャーなのは
L型に断熱材を入れる
方法です。
縦だけ入れる会社さんも
見たことがありますが、
これは正直まずいです。
冬場の冷気や夏場の暖気は
基礎の外側を冷やしたり
温めたりしますよね。
その時のコンクリートに
伝わる熱の分布図というのが
あるんですね。
それを考えると、
L型にするというのが
鉄則になります。
話を戻すと、
気密をちゃんとして
断熱をするわけです。
その状態で
コンクリートから
出た水分が充満して
しまうと床下の木が
水分を吸ってしまって
基礎断熱をしていても
カビが生えたり
土間コンの表面で
カビが生えてしまうことは
正直あります。
これをどうやって
防止するのかというと、
あくまでも私の考え方
ですが、室内側に湿気を
戻します。
あとは家の断熱や気密を
良くして、床下まで温度を
一定にさせることかなと
思います。
一番悪いのは、
基礎断熱をしたけど
家本体の断熱気密が悪くて
床下の温度はそんなに
上がらないということに
なってしまうと、
場合によってはカビる
こともあると思います。
今はざっくりと
床下の湿気を室内側に
戻すといいましたけど、
床下換気扇というものが
実際に発売されています。
そういう換気扇を付けて
換気をして、室内の換気で
抜くわけです。
そうすると他の動画でも
解説しましたが、換気を
ちゃんするためには
C値=1.0以下、実際には
0.7以下ぐらいの気密性能が
ないと空気も抜けづらい
というのがあります。
話をまとめると、
湿気が出るのは前提なので、
怖ければ基礎パッキンを
入れて抜いていく方法も
ありますが、どうしても
床下が寒くなる問題も
あります。
それが嫌な場合は、
基礎断熱をやっても
家全体の断熱気密性能を
高めて床下まで温かく
するだとか、床下換気扇を
付けて家の中に戻して
換気をちゃんとするだとか
すれば間違いはないという
感じはします。
実際に私の会社では
やっています。
お客さんのお家を
引渡したあとの1年は、
お客さんの家にお伺いをして
湿気が溜まっていないか
床下を定期的に覗きます。
床下を開けてみれば、
湿気は大体わかります。
いずれにしても
基礎断熱というのは
湿気が溜まりやすくて
カビが生えやすいという
傾向はありますが、ちゃんと
したことをやればそんなに
怖いものではありません。
それからもう一つ
考えられるのは、
基礎からの湿気ではなく
構造体からの湿気も
ある気がします。
構造体、骨組みですね。
骨組みからなぜ湿気が
出るのかというと、
今はそんな材木はないと
思いますが、元々の材木の
乾燥が悪かったのもあります。
それから上棟のときに
すごい雨が降ったあとで
ちゃんと乾かしてから
外側に構造用合板を
貼ればいいんですが、
まだ濡れているのに
構造用合板を貼って
どんどん防水していくのを
見たことがあります。
工事が3ヶ月ぐらいとか
ものすごく早くやるような
スケジュールがタイトな
会社ですね。
耐震パネルを貼って
すぐに透湿防水シートを
貼って水が入らないように
すれば良いのです。
しかし透湿防水シートを
なかなか貼らないで
構造用合板のままずっと
工事をしている現場も
あります。
梅雨時期は1ヶ月ぐらい
何回も何回も濡らしながら
工事をやっているのを
見たこともあります。
そういうことを
やっている会社さんは、
構造用合板に防水性能が
あるのか知らないと
思うんですよね。
とりあえず貼っていれば
中に水は入りませんからね。
それってものすごく
怖いことなんです。
構造用合板もそんなに
水で何回も濡らしたら、
曲がるものは本当に
曲がりますからね。
そうすると正規の
耐震性は計算通りには
ならないと思います。
なのでちゃんとした
施工をしていないと、
やっぱりまずいと
思います。
意外に消費者の方も
自分の家が
濡れっぱなしで
おかしいんじゃないか
という感覚がない方も
いるという気はします。
私だったら
雨ざらしになっている
家を見たら、電話をして
怒鳴り込んだ方が良い
ぐらいだと思います。
でも普通にやってる
会社は意外に多いです。
いずれにしても、
いろんな理由があるので
くれぐれもお気をつけ
いただければと思います。