今回は質問コーナーです。まず最初のご質問です。
「南側にアパートが建っている土地に建築予定です。そのアパートから5mしか距離が空けられないので、1階からの日射取得は難しいと思い、2階に吹き抜けを付けました。しかし、妻がプライバシーの点で吹き抜け窓が透明なのは嫌だと言っています。多少の日射取得の減少は諦め、すりガラスにするか、それとも透明ガラスにして他の方法でプライバシー対策をするのか、ご教授いただければと思います。」
9月に埼玉県の鴻巣に建てた2階リビングのお家の完成写真がGoogleマップで見れたような気がします。そのお家も全く同じで、周りに家があって、さらに土地が南西45度を向いてるから、日射取得に対してはものすごく不利。あとは、2階リビングだからプライバシーの問題もある。2階にあるってことは、近所から見られるわけだから、あんまり2階リビングでガラス張りの家なんか作ったら全部見えちゃうから。そういう中でプライバシーを保ちながら閉塞感を与えないような窓の付け方を私が言うのもなんだけど、実例みたいな感じで挙げたので、もしよかったら参考にしてください。
次のご質問です。
「屋根面へ3種ウレタンの吹付けを行っている場合、凸凹なので隙間
等ができてしまい屋根面へ気密シートを貼るのはやはり難しいでしょうか?」
屋根に吹き付けたセルロースファイバーがボコボコになっているから、それにペタッと貼るのは難しいです。平らな面を作らないといけないから、そういう場合は下地を組んで、平らな面の下地を組んで防湿気密シートを貼ることが必要なので、お金がかかちゃいますよね。
発泡ウレタンでお金がかかって、さらに下地を作って貼るんだから、お金がかかります。発泡ウレタンは吹きっぱなしで気密を取る方が多いんじゃないですかね。スキンカットしなければ、そこそこ気密も取れるし、劣化の具合も少ないと思うので、スキンカットするのは私はよくないと思うので、屋根の場合はスキンカットしなくても、壁と違って出るわけじゃないから、吹きっ晒しっていう感じで気密も一緒に取る方がいいと思います。
もしそれでも気密シートを貼りたいのであれば、下地を作ってやる方法しかないんじゃないかなと。ただ、お金がかかりますよね。屋根全面にはしごの下駄みたいに下地を組むことが必要です。この辺りは確かに私のメルマガで動画をお見せしましたよね。屋根でセルロースファイバーを吹くときは、こういう風に下地を全部組んで、ってあれを見た方は言っている意味がわかるかなと思います。ああいう所って、なかなか見えない所だし、Ua値・C値がどうとかと全く別の部分なので、ああいう所もちゃんと気を使うのが家づくりじゃないのかなと、私は思います。
では次です。
「住宅は何度も購入する機会がほとんどないだけにコンプライアンスが順守できるような仕組みができると誠実な会社がちゃんと生き残っていけるようになると思います。騙しやずるをするほうが勝つような業界はなくなっていくべきだとつくづく感じます。」
コンプライアンスって、マニュアルチックな話じゃなくて、もっと言うと、人間性だと思うんです。真面目にやるかどうか、報連相ができているとか、チェックマークシートがあるとか、何十個のチェックをしますみたいな、そういうんじゃなくて、それ以前に、人間としてどうかって話、人間性ってやつ。お客さんだって、人間性とか、自己責任という言葉もあるし、真摯に対応するって大事じゃないですか。こっちもやるけど、お客さん自身もそうじゃなければ、イコールにならないから、そこが私は商売の中で一番大事じゃないかなと思ってます。そういうことをやっている会社がちゃんと評価されるところじゃないかな。なかなか難しいですよね。今の日本の住宅を見てると、やっぱり大きな会社で大きな資本でCMいっぱいやって雑誌にいっぱい載ってる会社がいいみたいな感覚は、日本人にはまだいっぱいあるよね。
もっと言うとメルマガでも書きましたけど、なんとかカウンター○UUMOカウンターってやつ、あれは全く意味不明ですね。前にもメルマガで書きましたよね、読んだ人はいますよね、○UUMOカウンターの闇じゃないけど、あれ、本当に不思議ですよね。
お金を出して集めてくれた会社を全く住宅の素人の方が紹介するんだから、おかしいですよね。何度も購入できる機会がほとんどない建物という前提のものを、その会社がどんな家を作るのか、どんな性能なのか、どんな会社なのか、どんな管理をしているか、全く知らずにお金を出してくれれば、それを募集してカウンターの素人の方がこの会社がいいですよって紹介するんだから、あとは自分で行ってよく話を聞いて、と成約になったら、この会社に紹介料で100万・200万円よこせって話、全く意味不明な紹介システムですよね。
次です。
「御社で使用しているハニカムスクリーンはどちらの会社の商品をお使いですか」
PVソーラーハウス協会という会社のものを使っています。なぜその会社なのかというと、確固たるものはないんだけど、1つは金額的にあまり高くない。あとは全てオーダーで作ってくれるので、工事が終わったら窓の内枠の大きさを全部測って各窓を全部測って、そのサイズで注文して、数ミリ短くしてピタッと収まるんです。オーダーで何ミリ単位で作ってくれることがメリットなのと、金額も高くはない。性能は空気層の厚さで決まるから、PVソーラーさんのハニカムブラインドがとんでもない性能を持っているわけじゃなくて。ハニカムブラインドって単純にハニカム構造っていう、蜂の巣構造みたいなものです。ここに空気が入って、これがダブルになると厚くなっていくと、ダブルハニカムと言ってどんどん性能が上がるだけの話。これが薄ければ薄いほど性能が上がらないという理屈だから、そんなに高度な製品でもないです。
ただ昨今は、ものすごくコストが上がって、昔に比べるとハニカムブラインドもPVソーラーさんもすごく高いです。昔は確か1軒のお家でハニカムブラインドを注文すると、1軒のお家と言っても家の大きさ・窓の大きさによって違うんだけど、昔は1軒のお家でハニカムブラインドで30何万円だったと思うんです、現価でつけて32〜33万円だった気もするんだけど、今は1.5倍です、45〜46万円かかるんです。大きな平屋になると、掃き出し窓って大きい窓がどんどんつくから50万円を超えてくる。ただ、それが高いから、カーテンの方が安いからハニカムブラインドは付けないって選択肢はないので、仕方ないですよね。いろんなところで値段が上がっている感じはします。
では次です。
「YKKの樹脂サッシはずり落ちるみたいなことを言われたことがあります」
要はずり落ちるみたいなニュアンスを”nobandさん”が回った工務店で言われたんですって。でもそもそもその会社の施工精度が見る限りよくなかったっていう話。これは失礼だけど、面白いって感じですよね。お前が言うなって感じかな。うちもYKKの樹脂サッシを使ってて、今はLIXILさんのを使ってるけど、別にYKKの樹脂サッシがずり落ちる感じは俺には全くないので、なんでずり落ちるのか、ちゃんと止めればずり落ちることはないし、そもそもそんなのをメーカーさんは売るわけないですよね。何を以ってずり落ちると言ってるのかわからないんです。止めてなきゃずり落ちるけど、アルミだってずり落ちますよね。木製サッシだったら、さらに重いからずり落ちすぎて使えないと思います。でもヨーロッパでもアメリカでも木製サッシは使ってますから。
それから以下のコメントもいただきました。
「グラスウール壁の充填 105mmに、付加断熱EPS50mmではHEAT20 G3は達成できないと思うんですが屋根側と基礎側で頑張れば、いけるもんなんですかね。。。 (6地域)」
EPS系の外張断熱をするときに、あれって性能によって違いますけど、薄いけど性能がいいものならEPSってどちらかと言うと性能がよくないから、厚みで稼ぐ感じ。これがキューワンボードだとか、旭化成のボードだと、厚さが薄くても性能がいいんだけど、EPSって性能がよくないから厚みで稼ぐ。その分安いんだけど、EPSってそんなに高いものじゃないし、手間も変わらないから、どうせやるんだったら50mmじゃなくて75mmを貼った方が、返ってコストパフォーマンスがいいこともあるんです。ただ、それをやると、前にも言ったけど、窓枠周りの収まり方がすごく複雑になってくるので、そこがどうかなっていう感じ。塗り壁のシュトーの場合はこうやって塗っちゃえばいいから、多分簡単でしょうけど、窓枠絡みは加工が必要になってくることも、場合によってはある。塗り壁の場合はいいんだけど、シュトーだとか他にもありますよね、同じ塗り壁工法、外張塗り壁工法ってやつ、東邦レオ。あれの場合は厚みがあって、やってく分にはそんなにアップしないでいいと思うんだけど、材料的にはそんなに高くないんだよね。
私が計算した限りでは、グラスウールの壁の105mmでも、それがどんな種類か16K・24K・36Kなのかわからないけど、例えばうちが使ってるグラスウールは105mmの36Kで、一番すごい旭ファイバーグラス。熱抵抗値で言えば3.3〜3.4くらいのやつ。その上にEPSの50mmを外に張っただけでHEAT20のG3には絶対ならないです。6地域でもならないですよね。それだけのグラスウールを使っても、EPSじゃなくて。ネオマの50mmだったら、なるかもしれないけど、EPSだったら多分75mmとかにしないと、もっとかな。ネオマでも50mmじゃならないかな。
普通の16K・24KのグラスウールにEPS 50mmでG3にはならないです。どう計算してもサッシを全部トリプルにしてもならないし、あとは屋根と基礎を頑張っても限界があるじゃないですか。極端な話、屋根と基礎を頑張ればいけるものか?となった時に、屋根断熱が500mmとか、基礎断熱が200mmとかあれば(G3に)なるけど、そもそも屋根に500mmの断熱をする人はいないと思います。天井断熱500mmは見たことありますけど、青森に行った時に天井断熱で500mmのセルロースファイバーをつけてて、お風呂かなと思ったけど、そこまで多分やらないと思うんですよね。そこまでやって計算すれば(G3に)なるかもしれないけど、やらないと思うんですよね。逆にそれをやるんだったら、EPSを厚くした方が早いからね。基礎だってこんな厚い断熱を張る人はいないから。
あとは、私もいつも言ってますけど、G3にしたからといって、それだけで家の中が涼しくなることはないです。暖かくもならないです。日射取得できなければ、日射取得ができない前提条件で、暖房を焚いたときは熱がすごく逃げにくいからいいんだけど、そこだけで物事って考えられない。これは家づくりの原則です。