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 | 2019.08.08

知っておくと安心、家の「重心と剛心」

今回はちょっと
難しいと思いますが、
重心と剛心について
解説をさせていただきます。

簡単な例で示します。
真四角の家の間取りが
あったとします。

重心というのは
何となくイメージできると思います。
建物の中心ですね。

例えば人が立った時の重心は
その場所の真ん中にあります。
重さの中心点というのを
重心と言います。

剛心というのは
少し難しいですが
簡単に説明します。

例えば窓って大体
東西南北にあるじゃないですか。
それ以外の部分は壁ですよね。

この壁が建物を固くするという
意味合いがあります。

以下の画像を見ると、
明らかに南側よりも北側の方が
壁が多いですよね。

そうすると剛心といって、
強さが真ん中よりもちょっと
北側に移ってきます。

もしこれが全て同じ窓の大きさで
均等に作っていれば
剛心も真ん中になりますが、
こういう間取りの場合は
北側の方が強いですから、
強さの点がちょっと上にいきます。

そうすると
重心と剛心にズレが生じます。

この重心と剛心がズレていると、
地震で色んな力が加わる時に
建物が余計に揺れてしまうという
ことが起こってしまいます。

なのでなるべくこの
重心と剛心というのを
近づけていった方が
ねじれが少なくなるので、
地震の時に強くなるというか
安心な建物になります。

ただもう一方で
住み心地の良い家をつくるためには
日射取得を考える必要があります。

南側に窓を大きく付けて、
なるべく家の中に熱を入れて
ランニングコストを抑えたい、
というのもあります。

例えばこういう間取りで
小さな窓が南側にあったら
どうしても家の中が暗くなります。

なので重心と剛心を
ピッタリ合わせるのは
正直難しいという所もあります。

またそういう事をすると
地震には強いですが、
住み心地が悪くなる場合もあります。

このズレの許容差を
「偏心率」と言います。

大体これが0.3ぐらいであれば
OKと言われています。

ただこれも明確に言うと
0.3を超えたからといって
悪いというわけでもないです。

この辺りは
かなり難しくなるので
今回の説明では省きます。

重心と剛心というものがあって、
これはなるべく近い方が良いですし、
ただそれが仮にズレたとしても
壁を倍にして剛心をズラしていく
という設計方法もあります。

その場合は通常の
構造計算ではなくて
許容応力度計算という
高度な計算をします。

そうすると住み心地も良くて
重心・剛心がなるべく合ってきて
本当に強い家ができます。

今皆さんが検討されてる
住宅会社さんに

「許容応力度計算はしてますか?」

と聞いていただければ、
こういう事が明確になります。
ぜひ参考にしてください。