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ホーム > ブログ > YouTube > ①家づくりは情弱ビジネスになっている②評価は人によって変わる③ALCはサイディングよりも断熱性があるのか?④気密の取れない基礎断熱⑤基礎断熱なのに換気口がある家の問題点
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 | 2025.01.30

①家づくりは情弱ビジネスになっている②評価は人によって変わる③ALCはサイディングよりも断熱性があるのか?④気密の取れない基礎断熱⑤基礎断熱なのに換気口がある家の問題点

今回は質問コーナーです。

まずは、以下の動画に対するコメントです。

◼︎①8年経った下田島モデルハウスのウッドデッキの裏側②新住協ビジネスが蔓延しているようです③家づくりで失敗しづらい方の思考④当社の家がグレードアップします(しています)⑤トラブル続きで家が完成しません
https://www.kosodate-sekkei.co.jp/blog/model_house_deck/

「法改正や物価高の影響による値上がりを口説き文句にして“住宅の値段は今が安いですよ!”と営業に言われると、何千万円の買い物をする消費者の大半は魅力的に感じるのかなと思います。友人数名が住宅会社選びを検討していて、会社を決める要件のほとんどに“キャンペーンや補助金の期日が迫っている”が入っていたので、“お金”が家づくりのウエイトを多く占めているように感じました。もちろん、そういう決め方も悪いわけではないですが、値段を安くするための会社選びになってしまっていないかな?と思いました。本来の家づくりの目的を見失い、安い値段で判断させるように導き、家づくりを進めていくうちに、あれもこれもオプションと言われ、結局高くなって、憂鬱になっている友人もいるので、家づくりはある意味、消費者の弱みに漬け込む情弱ビジネスだなと感じました。でもどの住宅会社を選ぶかは消費者が決めることだし、小暮さんがおっしゃるように、消費者の自己責任でもあるので、仕方ない部分もあります。知らなければ幸せに思うこともあるので、友人にはあまり野暮なことは言わないようにしています。」

これは本当に事実です。よくありがちなのが、坪50万円〜と書いてあるのに、載っている写真の家は明らかに坪50万円ではないというパターンです。プロが見ればわかりますが、お客さんは「坪50万円で建てられるんだ。」という風に、勝手に認識してしまいますよね。でも「この家は坪50万円」と書いてあるわけじゃないから、別に詐欺ではありません。そして営業マンさんから「とりあえず無料で間取りを書きます。」などと言われて、だんだんペースに乗せられてきて、気付くと「あれ?」という感じになっています。

また、地盤調査を無料でしてもらっても、地盤が悪くて補強が必要になったという場合、お金がかかります。例えば、地盤補強の原価が65万円なのに、165万円にされてしまうこともあります。でも、そんなことはお客さんにはわかりません。こういうことは意外と多く、実際に当社のお客さんもやられていました。情弱ビジネスといって、情報が少ない方はカモになりやすくなってしまいます。

当社で家づくりをさせていただくお客さんの知り合いの方が、住宅会社さんと打ち合わせをしているそうなんですが、先日「その住宅会社さんの家ってどうなんですかね?」と私に聞いてきました。そのお客さんとは人間関係ができているから、「率直に言うとこういう家です。」と言いました。その知り合いの方がその住宅会社さんに決めたのは、予算が合うし、口コミが良くて信用できるからということなんですが、それが本当かどうかはわかりませんよね。食べログの美味い・不味いの評価と同じで、その人のバックボーンというものがあるので、それがどっちなのかによって評価は変わります。決して口コミ評価が悪い方がいいという意味じゃなくて、高すぎる評価というのもどうなのかなという話です。家づくりにおいても、そういうことは多いのかもしれません。

その住宅会社さんの評判はわからないけど、家という物体をプロ目線で見たら、間違いなく快適にはならないはずなので、メンテコストがかかる家になってしまうと思います。ただ、それを知り合いの方に言うのはやめた方がいいです。親切心はわかりますが、その方の中での優先順位というものがあるので、それを否定したら「この金額でこういう家が建てられる住宅会社なんてないんじゃないか。」と、憂鬱になってしまうと思います。子ども、親、兄弟、すごく仲のいい友人などに対して言うのはいいですが、そこまでの関係じゃない方に言っても大きなお世話になっちゃうし、それが原因で人間関係が崩れる可能性もあります。私自身も、実際に打ち合わせをしているお客さんに対して話す内容と、YouTubeという誰でも見れるものの中で話す内容とでは、段階を作っています。人間関係ができていない人に対して話す内容は、どんな反応が来るかを考えた方がいいと思います。

次は、以下の動画に対するコメントです。

◼︎瓦を使えば断熱材は要らない?
https://www.kosodate-sekkei.co.jp/blog/kawara_dannetsu_iranai/

「知人に、鉄骨造で1Fが工場(駐車場)で壁なし、2・3Fが住居、ALC外壁で、“ALCは断熱効果が高いから、我が家は断熱材は入ってない”と、ALC外壁であることを誇らしげに言う方がいます。冬場、3FのLDKを温水床暖房で稼働しているそうで、光熱費を聞いてみたら、1ヶ月のガス代が6〜7万円と聞いてびっくりしたことがあります。」

断熱材を入れたらこんなにかからないと思います。そもそも、ALCは断熱材ではありません。ALC住宅はサイディングに比べると断熱性能が高いとよく言われますが、サイディングというのは16mmぐらいのコンクリートのパネルなので、それと比べたらみんな断熱材になってしまいます。なので、ALCは断熱性能が高いと言われても、「くだらないことを言ってるな。」と思ってしまいます。

もしよければ、「壁は5つの層で考える事が重要」という動画を見ていただきたいんですが、一番外側にある外壁が厚かろうが薄かろうが、ALCだろうがサイディングだろうが、中にとっては全く関係ありません。車でいうと、「ボンネットに裏打ちしてあるから、中は快適だよ。」と言う人がいたとしても、エンジンの熱はそもそもこっちに来ないということと同じです。

ちなみに、姫路の巨匠はALC外壁の住宅に住んでいたんですが、あまりにも寒くて困ったので、内付加断熱をして二重サッシにしたら、暖かくなったそうです。ALCはあくまでも断熱材ではないですが、耐火性はあります。ただ、ALCは耐久性に難があると思います。水に当たると水分を含みやすいので、表面を常に塗料で塗り続けないといけません。そうすると、メンテコストはすごくかかります。

私が昔、現場監督だった時に経験したのは、ALCでも長いスパンのものを張ると、時が経つとすごく反ったりするということです。あれはちょっと怖かったです。私が施工したのは鉄骨のALC系の住宅だったので、そのせいもあるのかもしれません。たしかにALCはビルや店舗に活用されているし、耐火性も比較的取れていいですが、住宅に使うのはそれほどメリットはないかなと思います。事実として、ALCを外壁に使う住宅を作っている住宅会社さんはそんなに多くはありません。そういうところからもわかるような感じがします。

次は、以下の動画に対するコメントです。

◼︎気密が取れない気密パッキンがある
https://www.kosodate-sekkei.co.jp/blog/kimitsu_pakkin_torenai/

「いつも楽しく拝見させていただいています。我が家も同じ仕様で建てています。我が家も基礎断熱ですが、当初は標準仕様として基礎と土台の間に気密パッキンは予定されていませんでした。いくら基礎天面を平滑に調整するにしても、異種部材同士の接合部で疑問があったので、ゴム製パッキンを採用し追加施工しました。硬質プラ製も選択できましたが(実物を見ておらず感覚論ですが)密着性に疑問があったので採用しませんでした。」

この動画の中で詳しく説明していますが、この方の話だと、基礎があって、その上に土台をペコッと載せるということですが、さすがにコンクリートと木だから、荷重をかけても隙間を埋めるのは難しいと思います。また、レベラーといって平らになるようにするものを流しても、実際に大工さんが土台を作る時に測ると曲がっています。そこで、気密を取るためにいろんなものを使うわけですが、私が提唱しているのは、ゴムが2連の層になっていて、なおかつここに防湿シートがついているものです。絵のように、出た水分を土台の方に吸わせないようにしてくれるためです。これが一番確実な方法かなという感じがします。

ただ、この方が言った通り、住宅会社さんによってはこういうものを使わず、土台の上にポーンと載っけて、基礎断熱ですという感じで済ませてしまうので、気密が取れないのかもしれません。また、基礎は土台よりも幅が広くなっているので、結局は隙間ができるのが事実です。そのため、コーキングをビューッと打って、そこで気密を取るという施行をされているのかもしれません。でも、コーキングというのは永久に持つものじゃないし、どうしても切れることはあります。それでも気密を取りたいのであれば、外側と内側の両方にダブルでコーキングをしないとまずいんじゃないかと思いますが、そこまで手間をかけている人はいないと思うので、それは現実的ではない感じがします。それをやるくらいなら、さっき言った、私が提唱しているものを使った方が、安くて確実です。

以前の動画で、「基礎断熱なのに床下に換気口をつける住宅会社があるらしい。」という話をしました。案の定、この工法で作られた方から私に相談が来たことがあるんですが、床下が全部カビていたとのことでした。工務店さんに「何でカビだらけになっちゃったんですか?」と聞いたけど、よくわからなかったそうです。私の推測としては、単純に、中に湿気が充満しちゃって、それが悪さを起こしたんじゃないかと思います。

下田島モデルハウスでも基礎断熱をやっていますが、床下と部屋の温度は同じぐらいだし、むしろ日射取得をしない部屋よりも床下の方が暖かかったりします。熱損失が少ないということもありますが、基礎断熱をやる上では、余計なものは入れない方がいいと思います。

もしかしたら例の住宅会社さんは、基礎断熱をしても床下から水分が出ちゃうから、それを逃すために換気口をつけたのかもしれません。それで一時はいいかもしれませんが、結局は永遠に乾かないという状態になっちゃったのかなと思います。いずれにしても、そんな会社もあるんだとびっくりしました。