今回は
大手ハウスメーカーさんの
話になります。
もしかしたら悪口を
言ってるの?とまた
また言われそうな気も
しますが、悪口では
ありません。
あくまでも
客観的な事実の
お話です。
またそれを聞いた上で
どう考えるかは
消費者の方の選択です。
間違いなく私は
悪い家をつくってる
とかそういう意味では
なくて、こういうことを
気を付けないとそうだと
思わなかったという
ことになってしまいます。
そういう注意喚起です。
ちょっとそういう目で
見てもらうとものすごく
ありがたいですね。
今日は
型式認定という話です。
ご存知の方は
少ないんじゃないかな
という風に思います。
大手ハウスメーカーに
家づくりの相談を
された方なら経験が
あると思いますが、
意外に間取りを自由に
させてくれないことって
ないですかね。
間取りが決まってるけど
反転はできるとか、
こういう風にしたいけど
会社の設計ルールで
できないとかですね。
中にはもう少し
良い表現の仕方ですね。
そういうことをすると
家の耐震性が悪くなる、
みたいな言い方をする
場合もあります。
確かに設計ルールはあるし、
耐震性が悪くなるのは
理屈としてあります。
なぜそうなるかと言うと、
大手ハウスメーカーさんの
特に鉄骨系の家がほとんど
だと思いますが、
型式認定は事前に
こういう家をつくるから、
面倒な建築確認申請は
しなくても良いということを
事前に取得するんですね。
単純に言うと、
車で言えばこういう形を
した車は衝突実験も
全部して問題がないという
お墨付きをもらうので、
これからはどんどん
つくっても良いでしょ
というような話です。
そういうのが型式認定。
これは住宅に限らず
他の製造にしても、
型式認定を取ることで
どんどん製造してる
というのもあります。
例えば住宅建材なら
浄化槽とかですね。
あれを毎回毎回、
図面を描いていたら
キリがないですよね。
こういう形の浄化槽で
ちゃんと強度試験を
行って水漏れもなく、
上から車で載っても
何キロまでは大丈夫とか
実験をした上で認定を
取ってやらないと、
浄化槽1個で毎回
やってたら終わりが
ないですよね。
なのでそういう部品に
ついては、型式認定を
取っているものは
ものすごく多いです。
住宅も同じで、
型式認定を取ることは
あるんですね。
でも型式認定を
取ることによって
何が良いかと言うと、
まず申請がラクです。
確認申請が
ラクになるという
ことです。
例えば我々のような
注文住宅というのは、
毎回、間取りが
変わるんですよね。
よく私が言っていますが、
いくら断熱気密が
良かったとしても、
UA値が計算上は
良かったとしても、
間取りが悪ければ
家は最終的に住み心地が
良くなりません。
太陽の方向に応じて
窓の付け方も全部
変えなければ、
本当に住み心地の
良い家はできません。
でも型式認定は
はっきり言ってそれを
変えることはできません。
あとは使う部材ですね。
鉄骨であれば柱の太さとか
使う梁の太さというのも、
全て決めた上でつくる
ことで許可を得ています。
それを勝手に間取りを
自由に変えることは
できません。
その代わり、
建築確認申請がラクに
なるということです。
あとは鉄骨住宅は
基本的に構造計算が
必要になります。
ただ型式認定を
取ってしまうと、
構造計算が要りません。
毎回毎回、
構造計算をするのは
はっきり言って大量に
販売するとしたら
ものすごくお金もかかるし
スピードも落ちます。
なのでもし、
たくさんの家を
販売したいのであれば、
型式認定を取った方が
ラクっちゃラクです。
いずれにしても
型式認定はそういう
いろんなメリットがある。
その一方で、
自由な間取りができない
というところがネック
としてはあります。
整理しますと、
申請がラクで
構造計算が要らない。
だから大量に早く
販売できるというのが
事実です。
ただその結果として、
間取りに対して
制約が出ますし、
住み心地についても
マイナスにはなると
思います。
例えばみなさんが
家を建てる場所が、
この型式認定のルールに
合わないこともあるわけです。
そうしたら窓の付け方も
全部合ってなければ、
日射取得も日射遮蔽も
ダメになりますよね。
だから結果的には
住宅会社さんの
メリットになりますよね。
でもこれは消費者の
デメリットにしかならない
というのは事実です。
あと型式認定を
取ることによって、
別の問題も出てきます。
例えばみなさんが
年を取って何十年か
経ったときに、
リフォームをしたいとか
増築したいとなると、
正直できません。
車で言えば、
違法改造みたいなもので
仮にそれでも改造するなら
そのつくった会社さんが
責任を持ってやる方法で
なければOKは出ません。
そもそも
骨組みの組み方だとか
使ってる材料の厚さとか
太さというのもこれは
ほぼブラックボックスで、
全く公開されないもの
なんですね。
その住宅会社さんと
申請した機関だけの
問題で、それを一般の方が
見せてくれと言っても
見せてくれないし、
私の家でリフォームしたい
から出してくださいと
言っても出さないです。
車でも一緒です。
車を改造したいから
トヨタさんがつくってる
ボディの製造設計図面とか
各部材の厚さとか
強度試験を見せろと言っても
見せる訳ないですよね。
それで許可を取ってるから、
そんなことを言われる
筋合いはないという話です。
本当に車に例えると
ものすごくわかりやすい
ですよね。
ただ家は車と違って
そんなに買い替えるもの
ではないし、もしかしたら
修理も必要になるかも
しれないし、増築も必要に
なるかもしれません。
でも型式認定を取った
家に関して言えば、
ほぼこれはつくった
メーカーさんしかできない
ことになります。
もしかしたら言い方が
悪いかもしれませんが、
高いお金で型式認定で
つくってしまうと、
そのあとの修理代も
全部高くなってしまう
という理屈は通用すると
私は思います。
そうは言っても型式認定を
取ったから悪いものでは
ありませんからね。
そういうものでつくるのは
私は悪いとは思っていません。
それからおそらく、
型式認定を取った建物は
坪単価が高いと思います。
メーカーさんで
高いお金をわざわざ出して
こういうのを省略するために
やるというのは、私としては
ものすごくもったいないな
という気がしてしまいます。
いずれにしても
建てる建てないは
みなさんの自由ですが、
こういうことを知った上で
家づくりを選定した方が
良いと思います。