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 | 2024.09.20

①許容応力度計算ではなくても耐震等級3は取得できる②家づくりでも横行する二重行政と緩和しない規制③ガルバサイディングが薄い理由④家も車と同じで洗車(洗家)が必要です⑤愛情が持てる家づくり

今回は質問コーナーです。まずは1つ目です。

▼①え~さんからのお手紙②耐震等級3の認定は必要か?③高気密住宅+ガスコンロはNG?

①え~さんからのお手紙②耐震等級3の認定は必要か?③高気密住宅+ガスコンロはNG?

「品格法の等級3と許容応力度計算による3は、科学根拠から始め安全の度は全く違います。ここが国の政策上のトリック。計算できる技術者が圧倒的に少数だから簡便法たる品格法でも3を冠することができるようにした。簡便等級3、耐震等級3というふうに、文字で分かり安いようにすべきだったのではと感じます。

いつも、業界が緩くなる忖度をし、国民の生命と財産を守るホントの耐震性を持つ家が確実に100%建っていく、建てられていく政策になっていない。国交省は中途半端な住宅政策だらけと考えてしまうのは私だけでしょうか。大雨やスーパー台風などからも国土と国民の生命財産が守られる政策も必要でしょうに。令和の日本列島大改造論が盛り上がるように期待したい。」

性能評価証明というのは、補助金申請にも必要になるものです。JIOさんなどに性能評価証明を提出して、JIOさんの方でチェックをして「この家は耐震等級3です」「UA値いくつです」など、いろんなところを判定してもらいます。その申請に関して言うと、構造計算は許容応力度計算じゃなくても、耐震等級3という称号は取れるんです。それがなかなか難しいのが、この方も書いているけど、性能評価証明でやっている、耐震等級のチェックの仕方が違うんだと思います。

だからと言って「許容応力度計算じゃなきゃダメ」としたら、そもそも審査できないと思うし、そんなことやったらすごく特殊なものになってしまいます。耐震等級3を取れば、地震保険に入る時に安くなるけど、すごく限られたことをできる会社さんじゃなければ保険が減額にならないとなると、保険会社さんも加入者がいなくて困ってしまいます。

今はどうかわかりませんが、昔の事務所で聞いたことで、保険会社さんはいろんなところで役立っているという話があります。保険を受け入れて国民の安全を担保・保障するという側面はもちろんですが、もう一方で、保険会社さんは国の国債を買って、国を支えているという構図もあるんです。こういうシステムがある中で、世の中は動いています。それが、1つの国のあり方です。国債を支えてくれなければ、国の安定はなくなってきます。

この辺りの整合性が取れてくるといいんだけど、日本という国は、やっていることがちぐはぐなんじゃないかと思います。私も詳しいことはわからないけど、この前いろんな自動車メーカーさんが、型式指定の不正がありましたよね。なんとなく情報を見ていると、国土交通省がすごくニッチな視点で見ているだけで、逆に世界的基準からはズレている、という話もあります。

これはいろんな日本の法律でもあると思います。ガソリンの値段高騰に対する補助金だって、トリガー条項をやって、二重課税はやめろなどの意見があります。しかしなぜか、そこで二重課税をやめないで、補助金を出す方に持っていっています。しかしその補助金は、すべてが国民のガソリン代に充てられているのではなく、一部企業の利益になっているような話もあります。なんでそんな面倒くさいことをやるのかと思うけど、いろんな政治的な仕組みがあるんでしょうね。

実は私も、今年の春頃に引き渡したお家で、似たようなことを感じることがありました。建て替えのお家で、そこには既に水道や排水があり、今も問題なく使っています。それを管轄する地元の市町村に言ったところ「それを使ってOK」との確認が取れました。しかし、それで当社が工事をやったら、管轄外の方から「それを使っちゃいけない、全部やり直せ」と言われたんです。

一方は良いと言ってるのに、もう一方はダメという、二重行政です。建て替え前からずっとあったものなのに、それを使っちゃいけないとは規制もされていないのに、それを最もらしい理屈で言うんです。なぜそう言えるのかというと、法律の逃げで、現場判断というやつです。現場の担当者の方の判断で変わってしまう、微妙なニュアンスの部分です。こんなことが、令和の時代でまだあるんだと、今回身をもって感じました。

二重行政はなかなか無くならないと思います。それをシンプルにしていった方が、経済活動も早いし、余計な手間もかからなくなるし、規制緩和になると思うんだけど、実情はなかなか規制緩和になりません。

次は以下の動画に対してです。

▼モデルハウスを改修してわかったこと

モデルハウスを改修してわかったこと

今この動画を撮影しているモデルハウスを、建てて8年経って、先日改修しました。売却も考えたけど、改修という選択をとりました。場所的にもちょうどいい所で、会社からも近いし、近くに大きなバイパスがあるから、前橋・西毛の方からも、埼玉県の方も来やすくて、いいんです。

改修は、外壁は外付加断熱、屋根は内付加断熱をしました。仕上げも、最近当社が作ってる家に合わせて杉板にしたり、中も2階の床を張り替えたりしました。詳しいことは、よかったら動画を見てください。

そんな中で、以下の質問をいただきました。

「塗膜のお話で気になったのですが、ガルバリウム鋼板とガルバリウムサイディングで塗膜の厚みが違うというのは、同じ材質でも屋根と壁で塗膜の厚みが違うということでしょうか?」

ガルバリウム鋼板でもガルバリウムサイディングでも、素材はガルバリウムです。でも、製造方法は同じものでも、ガルバリウムサイディングとガルバリウム鋼板は、そもそも素材の厚みが違います。さらに、それに塗ってある塗膜の厚みも違います。なぜかというと、コスト・加工のしやすさなどの都合があります。

ガルバリウムサイディングは、比較的デザイン性を重視するので、細かな波を作るなどをやる傾向があります。細かな波を作るとなると、比較的薄くて柔らかいものじゃないと曲がりません。厚みがあって硬いものは、耐久性が高いけど曲がりにくいですから、そんなに小波にはできません。あとは、コストの問題もあると、その上に塗る塗膜の厚みも違います。

そもそもガルバリウム鋼板というのは、一般的な住宅よりも工場などで使うケースが多いです。耐久性は高いけど、武骨な感じです。逆にその武骨な感じが、私の中では面白いし、杉板と合わせても、武骨さが杉板の迫力に負けない感じがします。杉板にガルバリウムサイディングを張っちゃうと、私の中ではなんか弱い感じというか、安っぽく見えちゃう感じがあ流ので、ガルバリウムサイディングを使う場合は、その1つの素材だけで包んだ方がいい感じがします。

ガルバリウムの話といえば、以前何かで見たんだけど、「ガルバリウムの外壁は、軒を出さない方が耐久性が高まる」などという話があるみたいです。これは場所にもよりますが、例えば海沿いなどでは、潮風が水分と共にガルバリウムの外壁に付着するので、軒にかかるところと軒がかかっても雨が洗い流されるところで、付着する塩分の量が違うから、耐久性の差が出るみたいな話があるのは事実です。だから、沿岸部でガルバリウムのサイディングを使う時は、軒を出さないで雨水で流した方が、綺麗に保てるという話はあるみたいです。ただ軒ゼロにすると、今度は他の問題が出てきます。

私もよくお客さんに話しますが、杉板でも、ガルバリウムでも、塗り壁でも、外壁の軒の下の部分は雨水で洗い流されにくいから、年に3〜4回ぐらい、水を流すといいです。ケルヒャーみたいなものじゃなくても、水圧が強ければ水道のホースでもいいので、軒下に水をぶつけて流す感じです。これをやってもらうだけで、家はものすごく綺麗に保てます。他にも、お風呂の換気扇フードやキッチンのレンジフードの下は、年に1回ぐらいでもいいからカーシャンプーみたいなもので優しく洗ってあげるといいです。やってるお家とやってないお家では、10年も経つとすごい違いがあります。

私も、夏は自分でホースで1周洗ったり、年に3〜4回ぐらい水で洗います。鳥のフンがついた時はなるべく早めに洗ったり、そういうのをやるだけでも、家は綺麗に保てます。でもそういうのって、家に対して愛情がないとやらないと思います。言い方は失礼だけど、建売住宅でそういうことをやってる人ってあまりいないと思います。敷地が狭いからそもそも洗えないということもあるかもしれないけど、このモデルハウスの周りの建売住宅でも、うちよりも新しいけどすでに北側がグリーンになっているお家も多いです。そこまで気にして見てないのかなと感じるし、作ったメーカーさんもそういうアドバイスはしてないんだと思います。

でも、そういうことをやるだけでも、家は全然違います。ぜひみなさんも家を作られたら、ガルバリウムでも、塗り壁でも、杉板でも、定期的に水をかけてあげてください。特に沿岸部などの場合は、かけた方がいいと思います。軒を出さずに雨で流す案もあるけど、今度は違う問題があります。その辺りはいろいろ考えて、可愛がっていただければと思います。