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ホーム > ブログ > YouTube > 付加断熱は通気層がいらないのか?
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 | 2022.02.28

付加断熱は通気層がいらないのか?

付加断熱は
通気層がなくても大丈夫なのか?
というご質問をいただきました。

確かに通気層があることで
夏の暑さの問題や
壁体内結露の防止などに
役立ちます。

これは
セルロースファイバーであろうが
羊毛であろうがグラスウールで
あろうが同じです。

ただその中で、
通気層がある付加断熱と
通気層がない付加断熱の
2つの方法があります。

まずは付加断熱をして
塗り壁をする工法の場合は
通気層がありません。

壁の内側に防湿気密シート、
外側に透湿防水シートを貼って、
その外に外壁があって
その間を通気させるのが
一般的な断熱の構成です。

防湿気密シートを貼ることで
室内からの湿気が入らないように
バリアをしますが、仮に
このバリアを破って入ってきても
通気層から抜けるような構成だと
壁体内結露が防げるわけです。

付加断熱というのは
内側に断熱材を入れたら
外側にも断熱材を足すことを
言います。

グラスウールなど繊維系の断熱材や
発泡ウレタンでも基本的には
内断熱だけの場合は通気層を取ります。

ただ繊維系の断熱材は
中に水分を含ませてはいけないので、
付加断熱の場合も通気層は取ります。

その時の取り方がポイントで、
内断熱をして通気層を取って、
外断熱をしてまた通気層を取る、
というやり方はしません。

なぜかと言うと、
通気層を取って風が通ると
断熱材が分断されるので、
計算上、1個の断熱材には
ならなくなるからです。

基本的に付加断熱は
断熱材と断熱材を
ドッキングさせる方法に
なります。

話が長くなるので
端折りますが、構造用合板を
貼った上にグラスウールを
貼って、通気層を設けて
外壁を貼るイメージです。

基本的にグラスウールで
付加断熱をやる場合は
こういう構成になっています。

ではプラスチック系の
断熱材を使う場合はどうかと
言うと、構造用合板を貼って、
その上にプラスチック系の
断熱材を貼りますが、
その外側に通気層は設けません。

プラスチック系の断熱材は
水を透過させないので、
通気層を取っても
仕方ありません。

では通気層がないと
空気が抜けないから
壁体内結露になるのでは?
と思われるかもしれません。

そもそも付加断熱で
ある程度の断熱性能を持った
場合は、単純に言えば壁の中が
暖かい状態なので、結露は
起こらないという考え方です。

夏の暑さとか冬の寒さは
通気層に頼らなくても
大丈夫だという考え方ですね。

一概には言えませんが、
基本的な考えとしては
付加断熱は通気層がなくても
OKと思ってください。

では付加断熱を
異種素材でやるときはどうか?
という話です。

内側はグラスウール、
外側はプラスチック系の
断熱材でやる場合はどうか?
という感じですね。

グラスウールは
湿気が入りやすい素材なので、
内側の防湿気密層をしっかりと
施工するのは基本です。

それに加えて、
構造用合板とプラスチック系の
断熱材の間に透湿防水シートを
貼ります。

グラスウールの中に
湿気が入った時に、通気層は
ないけど透湿防水シートで
水分を透過させるということです。

物によっては
プラスチック系の断熱材の
裏側にスリットが入っていて、
スリットの部分で湿気を
抜くみたいなものもあります。

付加断熱は通気層を
取らなくても問題はないですが、
保険でそういうことをやっている
会社さんもいらっしゃいます。

この辺りはみなさんが
お考えになっている工務店さんに
聞いていただければ良いでしょう。

さて付加断熱のメリットは、
空調計画が多少いい加減でも
何とかなるところです。

空調計画や間取り計画を
やらなくても、付加断熱すれば
何とかOKみたいな感じです。

暖房に関して言えば、
熱を加えれば暖かくなる、
みたいな感じでしょうか。

予算は掛かりますが、
空調計画がうまくできない、
床下エアコンの経験がない、
みたいな工務店さんの場合は
付加断熱をして安全側に
振るのも一つの方法です。

これから
断熱等級5・6・7という
世界になっていくので、
付加断熱が増えていく
可能性もあります。

当社でも付加断熱をしないと
さすがに断熱等級7までは
いきません。

断熱等級6でも地域によっては
付加断熱をしないと6には
ならないので、そういう施工が
増えるようであれば、
付加断熱も考えないといけないと
最近は思い始めています。

今回は以上です。