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 | 2025.03.20

①通気胴縁を正しく理解していない職人さんは多いかも②通気ができていない家で起こる現象③日射取得を拒否する家④お風呂の下だけ基礎断熱はどうか⑤インスペクションを活用すれば大丈夫?

今回は、私が配信させていただいたYouTubeに対するコメントを紹介します。

まずは、以下の動画に対するコメントです。

◼︎通気しない通気胴縁が多いのは何故か
https://www.kosodate-sekkei.co.jp/blog/tsuuki_doubuchi_ooi/

通気胴縁はこういう風につけないと通気しないという理屈があるんですが、そもそも職人さん自身が通気胴縁の意味をよくわかっておらず、結果通気しないということは多いです。当社が施工している現場の近くに、他社さんが施工しているお家があるんですが、「それじゃ通気しないでしょ?」という感じのつけ方を普通にしていました。本来は住宅屋さんが「これじゃあ通気しないだろう。」と言うものですが、おそらくその住宅会社さん自体も詳しくないんだと思います。

あとは、あくまでも請負だから「あなたはプロなんだから間違いなくちゃんとやってね!」「それはあなたの責任ね!」という考え方があるんでしょうね。でも、その方が間違った施工をしていたとしても、それについてはわかりません。ハウスメーカーさんも全く同じです。ハウスメーカーさんのまだいいところは、ちゃんと施工マニュアルがあって、その施工の通りにやるという研修を受けた職人に限定されているというところです。なので間違いは起こりません。でも一般の住宅会社さんは、そんなすごいマニュアルは作らないし、職人さんに定期的に教育なんてしないし、職人さんを限定して使っているわけじゃないので、こういうことが起きてしまいます。

私が見た現場を当社のお客さんも見たんですが、「あれで通気するのかな?」と言っていました。でも、それで納めて引き渡しをして、人が住んでしまうわけなんです。買った人には当然、そんなことはわかりません。事故が起こるとは言っていませんが、よくないことだと思います。

そういう家を施工すると絶対に現れてしまう現象があります。北面や西面という熱が出入りしやすいところに大きな窓をつけてしまうと、壁体内結露が起こります。かつ、その熱が外に吹き出ることで外壁の裏側を暖めてしまって、表側に関しては放射冷却で冷やされて劣化していきます。これは理論的に考えても起こってしまうことなので、よろしくないのかなという感じがします。

それでも昔は、家は30年で限界を迎えるという感じだったので、家づくりというのは壊して建て替えをする前提で回っていました。ただ、今は人間の寿命が伸びているので、さすがに30年で家を建て替えるのは無理だと思います。30年を迎えたら、昔は人間様の方に限界が来ちゃって、ボロボロの家と共に死んでしまっていましたが、今は家がボロボロになっても、そこからさらに20年ぐらい住むことになります。ボロボロになった家がさらに20年持つということはあり得ないので、通気は取らないとまずいんですが、建築確認申請の項目には通気が必要ということは書かれていないので、ちゃんとした通気の施工をしない業者さんは多いと思います。

その中で、以下のコメントをいただきました。

「例えばよくあるパターンなのですが、1階リビングの2間間口の間に165の掃き出しサッシを2ヶ所設ける場合、土台水切の上はサッシで塞がれてしまっています。このような場合、外壁の通気胴縁はどう取ればいいですか?」

率直に言うと、これはさっき私が言った、通気しない家というやつです。外壁に張る下地でバーッと塞いじゃうことになるので、通気がブロックされてしまいます。ダブル胴縁やエアホール胴縁にしなければ、細かい部分の空気は抜けていかないと思います。ただ、抜けなくても仕方がないという感じで施工している家は多いです。今回の場合はまだ南面で日が当たってるから、仮に空気抜けなくても結露することはないので、安心感はあります。でもこれが絵のような家だったら、冷える上にでかい窓がバンバンついているので、通気しなくなってしまいます。

ようやく今年の春から、断熱基準が見直されることになりました。でも、通気しない家というのはまだ普通に作られています。3月着工の家までは旧基準でいいのかなと思いますが、年を取ってから大変だろうなと心配になります。

次は、以下のコメントについてです。

「床断熱の場合、ユニットバスの下だけ基礎断熱になりますが、通気ができませんよね。大丈夫なのでしょうか。」

ユニットバスの下は床断熱にできません。床断熱をやっている家で、お風呂のところだけが基礎断熱という場合は、そもそも気密パッキンを使わず、基礎パッキンを使っているケースがほとんどなので、3cmくらいのものを薄く貼ったところで、お風呂の床下は暖まりません。そうは言っても、お風呂のところまで床断熱でしっかりとやっている会社さんもありますから、一概には言えません。ただ、そういう場合は基礎断熱が効いている感じには見えないので、なかなか難しいかなと思います。ちなみにハウスメーカーさんの家はこういう風になっていることが多いので、断熱や気密というものに対する意識がないのかなという感じがしてしまいます。

群馬県の渋川というところは寒いですが、平地の方なら前橋と寒さは変わらないし、天気予報を見ても太田と1℃違うくらいの気温です。渋川は山に近いので風は吹きますが、当社が標準としている施工方法で家を建てても、家の中は暖かいです。外に出ると寒いですが、窓のつけ方を変えたりして対処すれば問題ありません。山の方は気温がグーッと下がるので、もうちょっと性能を上げたり、エアコンで頑張ったりする必要はあると思います。

当社が何年か前に建てた家の近くに、某ハウスメーカーのSさんの木造系の家が建っていたんですが、お風呂場の基礎断熱は3cmぐらいのものが貼ってあったので「ここでこれをやるのか。」と思ってしまいました。メーカーさんというのは、地域によって施工方法を変えるということはしないんでしょうね。コンパクトな家ならいいですが、でかい平屋ではなかなか厳しいかなという感じがしました。

次は、以下の動画に対していただいたコメントについてです。

◼︎樹脂窓は傾いてしまう!と言うプロからの声が多いようです
https://www.kosodate-sekkei.co.jp/blog/jyushi_mado_katamuku/

「樹脂窓が傾いていることは、どの時点で気付けるものなのでしょうか。外部のインスペクションをお願いしましたが、樹脂窓の取り付けに対するチェック項目がありませんでした。もし竣工後に樹脂窓が傾いていないことを確認する方法があれば、教えていただけるとありがたいです。」

どの時点で気付けるものかということですが、大工さんがつけた後すぐだと思います。物差しを水平に当ててみたり、スケールで測ってみたりして抜き打ち検査をするのが一番です。当社の大工さんはその辺りのことは自分でやっています。また、当社では決まった方にずっと大工さんをやってもらっているので、嘘は言わないと思います。後でバレて「お前ふざけるなよ!」という話になるのは嫌ですよね。そんなことをわざわざする人はいないと思います。

基本的にはつけた時に気付くものだと思いますが、大きな掃き出し窓というのはある程度の調整幅や個体差があるので、パソコンの蓋のようにピタリと、1mmの違いもなく合うことはありません。そのため、なかなか難しいです。中間で気密測定をして、漏れがないから大丈夫という風に担保をしていくわけですが、正直なところ、そういう風に言われると困ってしまいます。

昔、「上と下で2mm違いますよね?」と言われたことがありました。木なんだから、そのくらいは違って当然だと思うんですが、その方は金属加工か何かをやっている人だったので、「うちらの仕事じゃこういうのはあり得ない!」とのことで、なかなか納得していただけませんでした。

私はインスペクションを過去に1回だけ受けたことがあります。お客さんが「お金を自分で払うので、入れてもいいですか?」と言ってきて、恥ずかしいことは何もないので「別に結構ですよ。」と言いました。インスペクションの方は、多い時は週に2回ぐらい来たかと思います。写真を1000枚ぐらい撮ってお客さんに報告していたので、お客さんも安心した様子でした。

その時はたしかA+を貰ったんですが、国が書いていることをやっただけなので、特別すごいわけでもありません。一般的にインスペクションの方は、フラット35のマニュアルに書いてあるところを見るのが基本なので、その家が構造的にOKかどうかを見るわけではないし、断熱性能がどうかを見るわけでもないです。さっき言った胴縁についても、二重胴縁じゃないと空気が流れないというところまで見るわけではありません。胴縁が何cmピッチでついているのかとか、何cm間隔で空いているのかというところを見るわけであって、空気が流れるかどうかとか、サッシの傾きがどうかというところまでは見ません。

インスペクションは悪いものではないと思いますが、あまりに期待するのもどうだろうとは思います。それだったら、きちんとした施工をしていて、ちゃんと情報発信をしている工務店さんを探す方が確実なのかなという感じがします。いない地域もあるかもしれませんが、探せば大体いるはずです。なかなか見つからない方というのは、探す方法が間違っていて探せていないのかなと思います。

では、どうやって探したらいいのかというと、まずは探す方の問題というのがあります。探す方が、どんな家を作りたいのか、優先順位はどうしたいのか、どこを守りたいのか、そのためにはどういうところをチェックすればいいのかというところを考えないと、見えるものも見えてきません。探し方というのはあるけど、その前に探す方に問題があるということが、私は多いんじゃないかなという感じがします。

同じことを話しても、ものすごく反応してくれる方もいるし、「その通りですよね。」と言ってくれる方もいます。そういう方が作る家というのは、やっぱりいい家になっていると思います。ただ、同じ説明をしても、「うーん?」と思う人もいます。そういう人は大体、当社に家づくりは頼まないので、どんな家を作ったかは私にはわかりません。両者共に勉強はしているし、いろんなYouTubeを見ているみたいなんですが、もしかしたら両者で見ているYouTubeは違うのかもしれません。同じ説明をしても、響く人もいれば響かない人もいるので、人によって優先順位というのは違うんだなと思います。