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 | 2023.05.29

①断熱材を信用してはいけない②断熱材に炭化コルクを使うのはどうか?③メーカーは本当のことを言わない④古き良き◯◯工法は良いか?

今回は質問コーナーです。
まずは最初の動画です。

▼私がセルロースファイバーを使う理由

私がセルロースファイバーを使う理由

たまに、私が発泡ウレタンとかセルロースファイバーを嫌ってると思われる方もいるみたいです。「グラスウールが一番」みたいな。そんなことは全くありません。それぞれの断熱材にいいところがあるので、適材適所に使っています。

ただ傾向として、自然素材系の断熱材、例えばセルロースファイバーとか羊毛ウールとか、自然からできたものというところを売りにしてる会社さんは、本質じゃないところを語ることが多いと思います。断熱材の機能じゃないところで語ってるから、そこはすごく違和感があるんですよ。

発泡ウレタンは逆に、化学物質の塊みたいな物じゃないですか。発泡ウレタンを吹く前の原液だとか、吹いてる時の施工を見てると、言い方は悪いけど、体に良くないんだろうなという感じがしたりするんです。全ての製品がそうではありませんが、あれは対極ですよね。

その代わりベタッと貼ってビューッと細かいところまでやって、「気密が取れます!」みたいな。でも、果たして本当にそうなの?と思うところもあります。メーカーさんがどういう実験をやったのかわからないけど、メーカーさんが実験した結果って一番いいデータを使うはずです。

そういうところはどうしても、現場で施工してる人間としては違和感を感じます。だからと言ってそれが悪いわけじゃなくて、そこを差し引いて見ることが大事です。

施工してる人間としては、作ってお客さんに引き渡してお金をもらうという責任があるわけだから、あまりメーカーさんの言ってることを鵜呑みにしません。メーカーさんだって、売りたいから自分の商品をいいように言っているところもあると思います。これは感覚としてあります。

この中で、このようなコメントをいただきました。


検討している工務店さんが断熱材に炭化コルク、充填断熱材にセルロースファイバーという珍しい仕様なのですが、炭化コルクは断熱材としていかがなものと思われますか? 聞いたことがないもので使ってる工務店さんも少ないようなので良いものなのか分からず…

なんとなく炭化コルクと聞いた瞬間に、あのグループかなとわかりました。率直に言うと、炭化コルクを断熱材に使っても仕方がないかなと私は思います。炭化コルクを断熱材に使うと何かすごくいいことがあるのかということと、コストパフォーマンスも含めて考えた時に、どうなのかなと。恐らく使ってる工務店さんも少ないし、恐らく一般的にみんな聞いたことないんじゃないのかな。でも最終的には好みなので、使うのは自由です。

商売って何かしら売りが必要じゃないですか。他者との差別化です。「うちはこれを使ってる」と言うことによって、お客さんの目を引いて集客をしますよね。隣の住宅会社さんと全く同じ仕様で全く同じような家を建ててたら、お客さんが来ないじゃないですか。近所の工務店さんといかに違うかとか、オリジナリティあるものを持っていないと厳しいです。

資本主義というのは競争でお客さんの奪い合いなわけだから、その中で特徴を出すとなると、あまり知られてないものをひっそりと「こういうのもうちは使ってるんですよ」とアピールするのも、悪い話じゃないですよね。炭化コルクというのは、そういうことかなという風に私自身は思っています。

次の動画です。

▼①家づくりの勉強をしてもダメなパターン②良いYouTubeと悪いYouTubeの違い③発泡ウレタンを隙間埋めに使うのは止めた方が良い④住宅業界はマウント勝負!?

①家づくりの勉強をしてもダメなパターン②良いYouTubeと悪いYouTubeの違い③発泡ウレタンを隙間埋めに使うのは止めた方が良い④住宅業界はマウント勝負!?

これに対して、「透湿抵抗が変わらないなら3.5寸柱105mm以上吹いてスキンカットすればよいと思うのですが、A3種を使うところは85mmくらいを標準仕様としてますよね」というコメントをいただきました。

スキンカットしても透湿抵抗は変わらないから別に問題ないという理屈だったら、発泡ウレタンを使う会社さんもバンバン吹いてバンバン切ってくださいというマニュアルを作りますよね。

85mmが標準というのは、カットしない前提です。それはカットする手間が面倒くさいのもあるし、カットすることでゴミが出ちゃうから環境にも良くないということもあるとは思います。でもそこから逆説的に考えて、カットしても変わらないですという話を正論として持ってくるのはおかしいですよね。

以前に他の動画で紹介しましたが、「発泡ウレタンを何層かに分けて吹いてもいいか」とメーカーの担当者さんに連絡したら、「何層かに分けて貼ると剥がれるし、はみ出る恐れがあるから推奨しない」と言われたそうです。本当は何層かに分けた方がはみ出ないのですが…。

正直メーカーさんって、絶対に正しいことは言わないんです。担当者の方は記録を取られているので、「お前がこう言ったじゃないか」と言われるから、曖昧なことしか言えない。これは当たり前の話です。商売だから。ましてや大きい会社であればコンプライアンスの問題もあるし、裁判になったら最悪なので、可能性がありますとしか言えません。

一方で、プラスチック系の断熱材でネオマフォームとかキューワンボードというすごく高性能な圧縮したものがあります。あれは、表面を固めて中のガスとか空気の粒を出さないようにすることによって、劣化を防ぐ・性能を担保することを必死になってやってるはずなんです。そう考えると、表面にあるスキンカットは恐らくすごく重要なものなんだなと薄々わかると思います。だからそれを切ってもいいんですよ、と言うのはかなり暴論の話だと思うんです。

以前、私のYouTubeにこういう質問をいただきました。「具体的にスキンカットがダメだと言うんだったら、それを何%切ったらどのくらい劣化するのか?」と。そんなの私も正直わからないです。

だってそんな実験はできないし、すごく勉強してる先生でも多分わからないと思うし、メーカーの方もわからない。ということは、結論としては余計なことはやらない方がいいという結論になります。

注文住宅って、みなさんがどんな風に使うかわからないし、どんな所で家を建てるかわからないし、どんな家を設計するかわかりません。車みたいに工場で作って衝突実験をして安全対策をやって、寒い所や灼熱の所で走行テストをした中で、こういう性能が一応できたから売っても大丈夫だろうというのと、家って違うじゃないですか。

作ってる人のレベルが違うし、考え方も違うとなれば、一番いいのは余計なことはしないことです。それが一番安全かなと私は思っています。

この辺りは人によって考え方が違うんだけど、みなさんにも覚えておいていただければなと個人的には思います。

もう1つの動画です。

▼①玄関を暖かくする方法②グリッドポスト工法のデメリット③空気が綺麗になるクロスはどうか?
https://www.kosodate-sekkei.co.jp/blog_category/movie/

これについて、このようなコメントをいただきました。


最後のなんとか工法ですが、最近それを扱ってる業者がプッシュしてる動画をよく見かけますw「おすすめのオプション、なんとか工法!紙クロス!」 「おすすめの住宅設備、なんとか工法!紙クロス!」みたいな。
一通り説明を聞いても全然ピンとこなかったので、一歩引いた目で見てますね..。

これには私の代理で他の方が回答してくれました。


◯◯ってやつですよね。昔からああいう類の工法はたくさんあります。
正しく高気密高断熱をすれば普通にできることを、わざわざまわりくどい方法でコストをかけてやっている工法に見えますよね…。

これは本当にその通りなんです。なぜかわからないけど、こういうのってお金が掛かるんですよね。うちの近所もやってる会社があります

この前に契約させていただいたお客さんも「あの工法っておかしいですよね」と言うんです。「やっぱり?なんで?」と聞いたら、「夏の空気って暑くてジメジメしてますよね。あれを床下から入れて壁の中に通すとなんで家の中が涼しくなって乾くのか、全くわからないです」と。普通に考えて、そんな理屈はわかりませんよね。

たぶんあれって、昔の古き良き日本が原点だと思うんです。昔の私が子どもの頃の夏って、放射冷却現象がありました。夏の夜になると外が涼しく冷えたし、窓を開けると冷たい空気がサラッと家の中を抜けて、涼しく寝られました。

でもあれって、今の日本ではほとんどないんです。軽井沢ですら今はエアコンが必要らしいですし、北海道の旭川も去年35℃になっちゃったから、特に関東地方なんかは難しいじゃないですか。そんな中で積極的に外気を家の中に入れるのは室内環境を悪くするので、私は良くないと思います。

春とか秋の中間期といういい季節に、窓を開けてカラッとさせるというのはいいと思います。家の中で洗濯物を干してジメジメしちゃったという時に、一生懸命24時間換気でやるんだったら、窓を開けてスーッと風が吹いた方が早いと思うし、それの方が気持ちいいじゃないですか。

ただ、わざわざ真夏・梅雨の時期・冬に、空気を一生懸命に家の中に通すのはいい方向には絶対ならないので、止めた方がいいと思うとしか言いようがないです。なので、客観的に考えてもこういう工法はそろそろ止めた方がいいかなと思います。