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 | 2024.06.15

大体の金額を教えてくださいと言われても・・・

今年に入ってから増えた金額に関する問い合わせについてお話しします。これは誤解を招きたくないのですが、問い合わせをしていただくこと自体が悪いわけではありません。ただ、こういった問い合わせには対応が難しいということを先にお伝えした方が良いと感じたので、この動画を撮っています。

当社のホームページには、よくある質問に参考金額が載せてあり、仕事の流れやできないことも軽く書いています。

▼よくあるご質問
https://www.kosodate-sekkei.co.jp/faq/

また、紙の資料をお配りしない分、YouTube・メルマガ・ホームページ・X(旧Twitter)・Facebookなどで工事の状況を常に更新し、現場の状況を包み隠さず発信しています。モデルハウス見学に来るということは事前にホームページを見て予約しているはずですが、カタログをくださいと言う方もたまにいらっしゃいます。モデルハウス見学に来る前に、当社がどのような家を作り、何を目指しているのかを理解していただければと思います。

金額についても、ホームページのQ&Aに35坪の家の参考金額が書いてありますが、それがすべての要望に応えられるという意味ではありません。お客様によっては造作を多く希望される方もいれば、キッチンに多くの引き出しやミーレの食洗機をつけるなど、金額が上がる要素もあります。

床材についても、うちが標準としている杉・檜・アカシアではなく、外材のもっと高級なものを使う場合は、追加で費用がかかります。お客様の予算も考慮して、打ち合わせの際に希望の床材を伝えてもらえれば、その分の追加費用をお知らせしています。トラブルを避けたいし、お客様に失礼のないように、予算内で可能かどうかを必ずお話ししています。

見学に来た方や問い合わせをしてくる方から「35坪だといくらですか?」と聞かれることがよくありますが、ホームページに書いてある通りなんです。事前に問い合わせが来た時には、Q&Aを見てもらえれば金額等が参考になると思うので、見てくださいねと言っていますが、見ない方もいるんです。そうすると、こちらも手間が増えて困りますし、お客様自身も「そうだったのか」となってしまいます。見学に来てみたら全然違ったとか、予算が合わないというのは時間の無駄になってしまいます。

こういうことにならないように、情報発信をしているので、よく見ていただきたいと思います。最近あった事例としては、他社で設計された一部の図面だけをメールで送ってきて、金額を教えてくれと言われたことがあります。しかし、間取りと立面だけでは、どんな窓なのか、建築条件がわからないので、正確な金額は出せません。

建築条件もわからないと本当の金額はわかりません。例えば、街中の狭いところで建てるのと、田舎で建てるのとでは違いますし、クレーンが立つかどうか、大工さんの車が停められるかどうかもわからない。停められなければ近隣の駐車場を探さなければならないし、その駐車場が工事現場から遠ければ時間がかかってしまいます。

また、建てる場所によって造成が必要かどうかも大事です。造成とは、建物を建てる前に土盛りをしたり、場合によっては土をカットしたりすることが必要な場合があります。こういった諸条件が全てわからないと、本当の金額は出せません。

会社によっては、標準仕様が決まっていて、「当社の標準仕様だとこの金額です」と出してくれる場合もありますが、それが本当にお客様の参考になるかどうかは疑問です。標準仕様が決まっている会社では、キッチンやお風呂、トイレ、壁、床の仕様が限定されているため、金額を出すことはできますが、それがお客様の希望に合致するかどうかはわかりません。

仕様が決まっている会社に問い合わせをするのは理解できますが、当社の場合、断熱性能などは一応決まっていますが、厳密に決まっているわけではありません。例えば「30坪の家を建てたい場合、いくらですか?」と聞かれても、具体的な金額を出すことが難しいんです。しかし、最近そういう問い合わせが多いのです。

率直に言うと、手間がかかって困るので、なぜ今年になってそういう問い合わせが多いのか疑問に思い、先日オープンハウスを開催した際に、お客さんに聞いてみました。若いお客さんが見学に来ていたので、「ご質問いいですか?ちょっとくだらない話かもしれませんが、最近うちに金額の問い合わせが多いのですが、なぜだと思いますか?」と尋ねてみたら、「今はネットで無料見積もり一括サイトみたいなものが多くて、間取りだったらこれ、外構だったらこれ、土地だったらこれという感じで情報を送ると、登録している工務店や住宅会社から一斉に見積もりが来るので、それと勘違いしているのかもしれません」とのことでした。そういうのが今は当たり前みたいです。

ちなみにそのお客さんは、どんな間取りが来るのか興味があって、一括見積もりサイトで「こういう家にしたい」「こういうことを優先したい」と入力したら、サイトの運営者が何社に情報を撒いたのかわからないけど、3社くらいから回答があり、メールで図面と金額が送られてきたそうです。しかし、自分の要望が反映されていない間取りが普通に送られてきて、「この間取りは何なんだよ」と思ったそうです。その会社がストックしている間取りの中から、要望の1項目だけでも合っていれば送ったのでしょう。

さらに、金額も一応出ましたが、何が含まれているのか全くわからなかったそうです。困ったのは、そこから携帯電話が鳴りっぱなしだったことです。たくさんの会社から連絡が来て、煩わしかったようです。

いずれにしても、住宅の無料見積もりサイトが多いのは事実です。だからといって、それらを活用することがいけないわけではありません。依頼する方がどんな家を建てたいのかによると思います。

価格重視で家を建てたいとか、なるべくお値打ち価格で建てたいというように予算を優先する場合、予算の中でなるべく広い家を建てたい、家の中の仕様はそんなに気にしないというのであれば、そういったサイトを利用するのも一つの方法だと思います。それも一つの選択肢です。しかし、残念ながら、当社の家づくりはそれには当てはまらないのです。

この辺りは、メルマガを読まれている方はご存知だと思いますが、今年は本当にそういった問い合わせが多くて驚いています。ですので、当社がやっている家づくりはそういうものとは違うということをお伝えしたいと思います。

また、無料見積もりサイトを使うこと自体は悪くありませんが、場合によっては予期せぬ事態が起こることもあります。先ほどお話ししたように、当社のお客さんがよくわからないけど使ってみたという例もありますが、お客さん自身がどういう家を建てたいのかによっては、そういうサイトは便利かもしれませんし、逆に不便だったりすることもあるのかなと感じました。

こういうことを言うと、自分の首を絞めるようなことになるかもしれません。この会社は怖いかなと思われるかもしれませんし、うちの会社が好きなんだけど不安に思われる方もいるかもしれません。そうすると、予算もないし、よくわからないのに問い合わせをしちゃったら迷惑かけちゃうかなとか、怖いなと思われるのは、お客さんに対して失礼になってしまいます。

決して怒っているわけではありませんし、問い合わせをするなと言っているわけでもありません。偉そうにしているわけでもありませんし、スーパー工務店だと言っているわけでもありません。当社はこういう風にやっているので、問い合わせをする方はQ&Aなどをよく読んでから問い合わせをしていただければと思います。

よくわからないけれど当社みたいな家が好きとか、話を聞きたいと思ってくれたり、今モデルハウスの改修工事をしていますけど、それを見てから最終的に検討したいという真摯な気持ちは全く否定する気はありません。実際に見てみて、うちは予算的に難しいかなという風になるのは仕方ないことだと思います。

ただ、全然違う他社の家に行ってみたり、価格だけで決めようとするのは、はっきり言って無理だと思うので、そこはお気をつけいただければと思います。