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 | 2019.08.10

中途半端な気密住宅が一番危ない理由

別の動画で
耐久性の高い家、
長持ちする家のつくり方の
解説をしました。

「30年もたない家」のつくり方

少し復習しますと、
耐久性の高い家をつくるためには
家の構造体をいかに
乾燥状態に保つのかというのが
重要だという事をお話しました。

そのためにはまず
家の内側の気密を高めて、
壁の中に湿気が入らないように
する事が重要です。

仮に入った場合も、
スムーズに抜けるように
することも重要です。

なおかつ床断熱の場合は
夏に湿気が床下に入りますから、
その湿気が壁の中に入って
壁の中でぐるぐる回らないように
気流止めをすることも重要です。

室内でしっかり気密を取ると
当然中に湿気が入りにくくなります。
空気が漏れることもないので、
換気によって湿気を排気することも
できます。なので壁の中にも
入りにくくなります。

もう一方でこういう考え方を
お持ちの方もいらっしゃいます。

昭和時代の木造の家は、
寒い暑いは別にして
上手く乾燥されていて
良いんじゃないですか?
と言われる方がいます。

確かにそれは事実です。
昔の家は気密処理や
気流止めなど全くやらないし、
本当に吹きさらしなので
上手く乾燥します。

なので建物としては
ものすごく良いですが、
住んでる人はやっぱりきついです。
寒いし、暑いしね。

今回は構造体として
こうあるべきという話なので
温熱環境の話は別の機会とします。

構造体を長持ちさせるには、
乾燥状態を保たなくてはいけません。

それを吹きさらしで
乾燥させるのか、気密を取って
ちゃんと湿気を排気しながら
やるのかという2通りやり方が
あります。

例えば気密を高くして
上手く排気をして
長持ちをさせるためには、
C値の目標値を1.0以下に
した方が良いです。

昔の吹きさらしの家の
C値がどのくらいかと言うと、
(私も計った事はないですが)
大体5.0ぐらいです。

C値5.0って、あり得ない数値です。
もうスカスカです。

逆にこのぐらいだと
湿気はどんどん抜けますから良いですが。
建物に対しては。

正直私が一番怖いのは、
C値が3.0ぐらいの微妙に
気密があってないような家です。

このような家は、
壁の中に湿気が入りやすいです。
湿気が上手く排出すれば良いですが。

ただ正直に言うと中途半端です。
色んな隙間から入ってきて、
当然換気も上手くいきませんから、
どこか湿気が残ってる状態になります。

正直こういう家で
家の中の湿気が多すぎたりすると、
場合によっては本当に30年も
もたない感じはあります。

なので話としておかしいですが、
気密を高めて湿気をスムーズに
排気させる方法でいくのか、
逆に気密を高めないで構造体として
良いという理屈でいくのかの
どちらかになります。

ただ家の中の温熱環境とか
ランニングコスト、健康の事を
考えれば気密を高めた方が
良いと思います。

いずれにしても
中途半端は一番危ないので、
お気をつけいただければと思います。