今回はハニカムブラインドについて
解説をします。
つい先日、
以下の動画を配信しました。
▼遮熱窓と断熱窓の違いを解説しました
https://www.kosodate-sekkei.co.jp/blog/syanetsu_dannetsu_mado/
この動画を観ていただくと
わかると思いますが、
断熱窓や遮熱窓という名前の
窓はありません。
日射取得率が低くて
遮熱性能が高いから
これを遮熱窓と言っているだけです。
反対に断熱窓は
熱を逃がさないという
意味ではありません。
断熱性の高い窓というのは、
遮熱性の高い窓なので
遮熱窓だというこんがらがる
話になってきます。
いずれにしても
遮熱窓・断熱窓という
言い方ではなくて、
ガラスのU値が高いものを
使いましょうと。
寒い場所で
日射取得ができる場合は
U値が低めのものを
使った方が日射取得率も
高くなるからいいですよ
という話ですね。
当社が作っている
パッシブ設計の家で、
日射取得ができる場合は
なるべく南面の所には
ペアガラスを使って、
日射取得率を高めた方が
いいという話もしました。
ただ寒い地域だと
熱が出ていく量もすごいので、
何かしらの手当てをしなくちゃ
いけないというわけです。
そこで登場するのが
ハニカムブラインドです。
このハニカムブラインドには
いろんなものがあって、
日が入りやすい採光タイプと
遮光タイプがあります。
このハニカムブラインドは
ハニカム構造になっていて、
空気層が生まれます。
これを窓枠の中側にぴったりと
隙間なくつけます。
これをオーダーで作るので、
意外と手間が掛かります。
値段も安くはありません。
空気層の厚さには
幅がいろいろありまして、
25・38・45S・45Wがあります。
遮光は2つしかなくて、
25・45です。
最高タイプには
45Sと45Wがありますが、
これが曲者です。
45Sは空気層が1つ、
45Wは2つという意味です。
45Wの方が、空気がより
分割しているから
性能が高いです。
では当社はどのように
使い分けているかと言うと、
南面の大きな窓で日射取得を
しながら熱損失をしてしまう
可能性がある所は45Wを使います。
それ以外の
北・東・西はそもそも
トリプルガラスで性能が
高い窓を使っているので、
基本的にはハニカムブランドは
付けなくても良いです。
ただそこが
人が過ごす部屋なら、
透かしのガラスで
見えちゃうのはイヤですよね。
なので隠すという意味で
25を使うルールでやっています。
別にそういう所に
45Wを付けても悪くはないですが、
値段もするのでそこまでやるかと
言うと今のところはやっていません。
遮光タイプは
日中に閉めると家の中が
真っ暗になるほどです。
大人は良いですが、
お子さんは起きないんじゃないか?
となるので、大人の寝室や
年配の方の部屋にしか使いません。
お仕事的に夜勤などがある方、
当社のケースだと警察官の刑事さんは
夜に出ていく時があるから
遮光の窓にしたということは
あります。
さてハニカムブラインドを
使うとどのくらい性能が上がるのか?
というのが気になりますよね。
例えば南側の日射取得できる所に
ペア樹脂を使ったとします。
樹脂ペアにハニカムの例えば
45Wというやつを付けるとします
サッシ単体のU値は
2.3ぐらいでしょう。
これに45Wを付けると、
U値は1.4になります。
これはトリプルガラスぐらいの
性能に匹敵します。
なので南側の窓は
可変するトリプルガラスという
イメージです。
これだと日射取得もできるし、
熱損失も起こりにくくなるので、
これがハニカムブラインドの
ものすごくいいところです。
ただ当然、問題も起こります。
特に暖房の問題です。
もともと弱い窓に付けて
強化するわけなので、
窓とハニカムブラインドの間で
室内との温度差ができます。
当然、室内より窓が負けるので、
窓の下側は結露してしまいます。
なのでハニカムブラインドの
下を1cmぐらい開けてもらうと、
熱を通すことで結露しなくなります。
ただこの結露も大した結露では
ありません。
それより怖いのは
窓枠の結露です。
窓の横は壁になっていて、
当然、そこに柱があります。
その柱に対して
窓枠はくっついているので、
窓枠の見えないところで
結露を起こしていると、
それが原因で中の骨組みが
腐ってしまうことがあります。
最近はプラダン断熱が
流行っていますよね。
安くできて良い方法だと思います。
ただこれも、
温度差がかなり出るので
窓枠までどんどん冷やされて
中の柱が腐るなんてことは
あり得るでしょうね。
簡単にやるのも良いですが、
それに対する危険性も
あるということはご注意ください。