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 | 2024.01.30

①過去最低の再生回数動画は何か?②APWとEWの耐風圧の違い③窓は既製品に限る④標準を変更すると物凄く高くなる理由

今回は質問コーナーです。

まず1つ目の質問です。動画は「オフラインセミナーを再開します」という動画です。

オフラインセミナーは下田島モデルハウスで、ホワイトボードに絵を描いたりパワーポイントを使ったりして行います。一番のいいところは、いただいた質問をその場で返せることや、メルマガでは書けないような話やYouTubeでは絶対に言えないような話ができることです。少し悪口も入りますが、そういうところが面白い点だと思います。

2023年は2回やりましたが、10時〜12時の予定が14時までかかってしまいました。それでもみなさんはちゃんと聞いてくれたのでよかったです。2024年も、春1回・秋1回ぐらいでやってみたいと思っています。

当然家づくりをされている方では、オープンハウスに来るお客さんがいます。下田島モデルハウスに来る方もいれば、メルマガ登録やWebマガジンの請求をして、それからモデルハウスにいらっしゃる方もいれば、最初にモデルハウスに来ていただいてからメルマガ登録やWebマガジンの申請をする方もいます。そこからさらに進んで、オープンハウスに来る方が多いです。

下田島モデルハウスには来たけど、オープンハウスは参加されない人もたまにいます。その方はおそらく、イメージとは少し違ったり、予算的な問題があるのかなと思います。ホームページに予算は書いていますが、実際に作りたい家の詳細を考えた時に、そんなにお金がかかるなら難しいから候補先を変えるというのは、仕方ないと思います。

それから、家づくりをするのはまだ先だけど、YouTubeをよく見ていて本人に会って話を聞いてみたいという方もいらっしゃいます。ここに来ると一緒にモデルハウスの見学もできます。見学しながら話を聞きたい、まだオープンハウスに行くまでではないという人が多い印象です。

今回いただいた質問は、この手のものは初めてな気がします。

「1階リビング南面窓を引き違い25622で検討しています。APW330とLIXILのEWで比較すると、耐風圧性能がAPWはS-2、EWはS-1となっていますが、あまり気にする所ではないでしょうか。また、FIX16518も検討しているのですが、APWのカタログには規格がありません(EWは16520まである)。特注など可能なのでしょうか。」

25622というのは、幅が2m56cm、高さが2m20cmの窓で、国内メーカーの樹脂窓の最大寸法です。窓の耐風圧性能は、S-1〜S-7まであります。住宅に関してはS-1〜S-3です。S-4以上はビル用などの窓です。超高層ビルの一番上はすごく風が強いから、性能が高い窓でないと持ちません。

ちょうど今月、栃木県足利市でオープンハウスをさせていただいたお家があります。この25622が3つついている30坪の平屋で、ものすごくカッコいいです。25622がポンポンと並ぶと、ものすごく開放感があって、日射取得もしやすくてカッコいいです。ただ、日射取得をする分日射遮蔽をちゃんとしないと、暑くなってしまいます。

YKKのAPWはS-2で、LIXIL(トステム)のEWはS-1です。数字が大きい方が高性能で、YKKの方が耐風圧性能は高いです。理由はガラスの厚さ・フレームなどの要素だと思いますが、詳細は私もわかりません。

質問は、YKKのAPWの方が耐風圧性能が高いから、1階のリビングの窓でそちらを使う方がいいのではないかという内容です。

今回調べたところ、耐風圧性能についてはS-1が36m/s、S-2が44m/s、S-3は51m/sの風圧まで耐えられるという試験データがありました。JIS基準では、1階についてはS-1以上、2階はS-2以上、3階はS-3以上を推奨ということでした。

1階のリビングで使う分に関しては、JIS基準でS-1で問題がないと言われているので、EWでもいいのではないかということになります。一方、S-2の方が強くていいのではないかという考えもあります。

また、先ほど36・44・51m/sと言いましたが、実際どれくらいかというと、台風の暴風域が大体25m/sです。だから、36m/sとなると、暴風域に入ってもかなりマージンがあることになります。理論的に考えると、S-1でも問題ないのではないかとも感じます。

ちなみにLIXILさんでは、25622の窓はS-1ですが、25620というサイズもあります。幅は変わらず高さが20cm短くなり、これはS-2になるんです。高さを20cm変えるのも、1つの方法だと思います。

25622サイズの窓は、耐風圧の問題よりも重量的な問題で、1階では使うけど2階では使わない感覚があります。だからと言って、25622を2階に使うと家が傾くというわけではありません。

質問ではFIX窓についても触れられています。はめ殺し窓、開かない窓のことです。

LIXILさんでは16518という、幅1m65cm、高さ1.8mの1枚ガラスのFIX窓があります。もう少し大きい16520もあって、こちらは幅1.65m、高さ2.0mです。20cmの違いですが、16520はS-1で、16518はS-2になります。

LIXILさんは、元々大きい開口の窓を1枚でバーンとやるようなデザイン性を謳っている会社なので、樹脂窓でもこういうものを作ったのだと思います。一方YKKさんは、そういう窓ありません。YKKさんでこのような大きい開口の窓を作るのはどうでしょうか?という質問がありましたが、これはすごく高いと思います。

私も以前YKKさんの窓を使っていた時に、少し変わった家を設計していました。その時に、高さ240cmの大きい引き違い窓を天井にスパーンと合わせたいと思って、そういうのはできないの?と聞いてみました。すると、できなくはないけどとんでもなく高いということでした。20cm伸ばすだけでも価格は1.5倍以上になるような話だったのでやめました。

規格品に対して特注品は、サイズを縮めるにしても高いんです。当社も、たまにどうしても収まらない場合は、幅詰めと言って規格品から5〜10cmぐらい短くすることがあります。例えばコーナー外壁で窓をつけるような場合に、付加断熱をしたら外壁が厚くなります。その分窓をずらせればいいですが、隣が耐力壁などになっていると移動できず、窓自体を寸詰めしなければなりません。

例えば、規格から出っ張っている5cmを詰めるというオーダー対応もできます。しかし、寸詰めをしてサイズは小さくなるのに、価格は上がります。コスト的にはなるべく規格の中でやる方がいいですが、窓によってはそういうことをしなければいけない場合があります。

ちなみに、私は寸詰めをしたからといって追加料金はもらっていません。それは設計としては仕方がないことで、それで追加料金をもらうのはお客さんに失礼な感じがするからです。

追加料金の件で、私のメルマガにいただいた感想を紹介します。

「現在家づくりの打ち合わせ中で、とても疑問に思うことがありました。キッチンなど、住宅会社標準品から、IHクッキングヒーターの少しグレードアップしたものが、ものすごく高くなります。カタログ価格が25万円の機から38万円の機にしただけで、追加料金は12〜16万円と言われます。25万円から38万円だから差額は13万円なのに、16万円アップと言われます。なぜでしょうか。」

これにはいろいろな理由があります。私は住宅業界の中にいる人間なのでわかりますが、仕方がない理由と仕方がなくない理由があります。

仕方がなくない理由から説明します。特にローコスト系の安めの家を売っている場合は利幅が少ないから、何かを変えることでお金をもらうようにしないと儲かりません。

これは飲食業界でもそうだと思います。宴会メニューは4000円の飲み放題だけど、違うメニューだとすごく高いみたいな感じです。何かで儲けなくちゃいけないから、安く売っている分どこかでお金をもらうのは仕方がないかもしれないし、そういう習慣もあったりします。

もう1つ、こういうカラクリもあります。例えばキッチンを、メーカーさんとの取り決めですごく安く売ってくれる契約をすることがあります。例えば50万円のキッチンAを、当社の標準として採用するとします。それを当社が年間20個買うとしたら、お宅はいくらで入れてくれるのか出してくれと言い、それをメーカーさんたちに競争させます。

最後に勝ち残ったメーカーさんは、定価50万円のキッチンを25万円で御社に卸すから、その代わりうちで全部買ってくださいね、と言ってきて、了承して契約します。

ただ、お客さんは「これじゃちょっとカッコ悪いから、Bのキッチンがいい」と言ってきます。Bのキッチンは仮に100万とします。

Aは50%オフですが、Bは当然同じ掛け率にはなりません。メーカーさんも、20棟買うというからAを25万円で売る契約をしたけど、100万のキッチンはあまり売れていないとなると、Bはせめて75万円にしてください、という話になります。

IHもそんな感じになることがあります。仮に、AについているIHが15万として、50%オフだと7万5千円です。Bは、グレードアップしてもキッチンの扉が光るなどのところにお金が取られているので、IH自体はあまり変わらず、仮に20万円だとします。掛け率をスライドすると、Bのキッチンは25%オフなので、IHは15万円にしかなりません。

Aは7万5千円、Bは15万円だから、2倍の額です。でも元値は5万円しか変わりません。これは逆ザヤですよね。でもこの業界には、こういう計算式があります。ここは私の中では、仕方がないとしか言いようがありません。

ちなみに当社の場合は、お風呂・キッチン・食器収納・洗面台は業者からの仕入れの見積もりをお見せしています。そこについて儲けをする気が全くないからです。どこのメーカーを選んでも結構です。その代わり、建物本体でちゃんと利益をいただいています。その方が恥ずかしくなく提示できるし、お客さんにとってもわかりやすいと思うので、そういう方式にしています。