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ホーム > ブログ > Facebook > 先日、地域区分に付いて質問を頂きました。
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 | 2024.08.29

先日、地域区分に付いて質問を頂きました。

地域区分とは、正しくは省エネ基準地域区分と言い、国が決めているルールです。
このルールに従い、色々な事が決められています。

例えば、補助金申請を行う場合には、地域区分に沿った家を建てないとお金が貰えません。
地域区分に応じた性能にする設計を行う事で、住み心地の良い家になる可能性も高くなります。

ただし、あくまでも可能性なので、
場合によっては足りない場合もあったり、過剰になったりする事があるかもしれません。
例えばですが、同じ地域区分にある家でも、
山の南側に建つ家と北側に建つ家では状況も変わるはずです。

そこで、地域区分を参考にしながら、
実際に住まわれている方のヒアリング等を行い、家づくりに生かすことが求められます。

また、地域区分には旧地域区分と新地域区分があり、
現在では新地域区分を参考にする必要があります。
現在は新地域区分を用いることが必要になっておりますが、
それを知らない住宅会社さんもあるようです。

9月から渋川市にて家づくりがスタートします。
渋川市と言うと、近くには山があり寒そうな感じですが、実際には5地域です。
日射取得が出来る場所では、寒く無いはずです。
逆に夏は暑いかもしれません。

しかし、ここを正しく理解していないと、
全く違った家づくりを計画してしまうかも知れません。

実際に、このお施主さんが相談されていた住宅会社さんの設計を拝見しましたが、
Ua値を低める為に窓を小さくしておりました。
トリプルガラスの小さな窓を設置し、付加断熱を施した設計です。
また、日射遮蔽や冷房に関する空調計画もされていませんでした。

要するに、寒い地域の熱損失を考えた設計と言えます。
その結果はどうなるのか?ですね。

なお、地域区分は冬の設計には役立つかも知れませんが、
夏の設計には役立たない場合もあるかもしれません。
北海道の小樽は物凄く寒い地域ですので、省エネ区分では2地域です。
しかし、その小樽でも夏の気温が35℃になる事もあります。

このような状況は、地元の住宅会社であれば肌感覚で解るかも知れませんが、
大手ハウスメーカーさんでは難しいかもしれませんね。
いずれにしても、一つの指標だけで設計をする事は正しくないとも言えます。

追伸です

写真は3年前に渋川市の山の上に建てさせて頂いて素敵な平屋です。
最初は大手ハウスメーカーさんで家づくりを計画されていたのですが、
頂いた間取りを見た時に、疑問を感じたとおしゃっておりました。
なぜ、この場所に四角い2階建ての家を提案するのだろうか・・・