知っている方は、かなり少ないと思いますが、
2021年4月から住宅に関して新しい法律がスタートします。
来年4月~スタートするのに、早すぎるのでは?と思われるかも知れませんが、それでは遅いのです。
何故かと言うと、例えば住宅会社と打ち合わせをスタートするのが2020年6月だとします。
そこから打ち合わせに3カ月かかり、契約をして、工事スタートが2020年11月だとします。
そこから完成まで5カ月かかるとすると、住み始めるのは2021年2021年の3月末です。
しかし、その次の月から法律は変わっています。
そうなると、一気に古い基準で建てられた家になってしまうかも知れません。
皆さんが依頼した家が、国が規定する省エネルギー住宅のなっているかどうか?
20201年4月~スタートする法律では、皆さんが作る家について説明する義務があります。
仮に、省エネルギー住宅になっていない場合には、
なっていない事を説明するだけでなく、どうすれば省エネルギー住宅になるのか?
も説明する義務があります。
詳しくは国土交通省のHPをご覧ください。
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/jutakukentiku_house_tk4_000103.html
っと、ここまで話を聞くと「良い法律が出来るんだな~」と感心するかと思います。
この段階で、何となくオチが解りますよね(笑)
ここで、この法律の問題点を上げてみます。
1.説明する義務があるのですが、本当に説明したかどうか?は誰もチェックしない
そうなのです。誰もチェックしないのです。
もし説明されなかったとしたら、それで終わりです。
なので、皆さん自身がチェックしなければなりません。
「私の家は省エネルギー住宅に適合していますか?」と説明を求めましょう。
2.省エネルギー住宅に適合しているかどうかを確認する計算方法がバラバラ
省エネルギー住宅に適合しているかどうか?を確認するためには、計算を行う必要があります。
しかし、その計算方法が色々とあり、厳密な計算方法から物凄くあまい計算方法まであるのです。
でも、どの計算方法を使ってもOKなのです。
因みに、厳密な方法と甘い方法で計算をすると、最大で35%位の性能差になるようです。
35%厳しい数値が出るのなら良いですが、35%甘い数値が出るのはマズいですよね。
でも、誰にでも使えるようにした計算方法では仕方がないとも言えます。
レベルの低い人でも使えるようにしているからです。
3.そもそも国が規定する省エネルギー基準が低い
この基準は、今から22年前に作られた基準です。
詳しくは、こちらの動画をご覧ください。
※動画に飛びます
未だに、この基準すら守られていないことがおかしいのですが、中小工務店やローコスト住宅では守られていない事が多いようです。
個人の大工さんだと、基準があることすら知らないかも知れません。
大手ハウスメーカーさんでは、必ず守られています。
4.基準に適合しているからと言って、住み心地が良くて、ランニングコストの掛かりずらい家になるとも言えない
恐らくですが、消費者の方はカタログ数値の良い家が欲しいのではなく、実際に住み心地の良い家が欲しいと思います。
国が規定している計算方法では、実測値とは開きが出来てしまう事が予想されます。
住み心地は、使用する断熱材の性能や窓の性能も重要ですが、間取り・建てる場所の条件・気密性能・日射取得・日射遮蔽等で全く変わります。
この辺りも動画で解説していますのでご覧ください。
色々と文句をつけてしまいました。
しかし、全ての家を国が規定する最低基準にしなければならない法律ができつつある事は良い事だと思います。
後は、これを住宅業者が悪用にしないことを望みます。
「当社の家は国が規定する省エネ基準に適合していますので、夏涼しくて冬暖かい家なのです!」
などと言ったセールストークです。
くれぐれもお気を付けください。