Facebook
X
YouTube
ホーム > ブログ > YouTube > ①高断熱低気密は危ない②大手ハウスメーカーで家を建てる理由は何か③性能評価証明は信じられるのか?④セミナーに出ただけでは本当の事はわからない
YouTube
 | 2023.09.30

①高断熱低気密は危ない②大手ハウスメーカーで家を建てる理由は何か③性能評価証明は信じられるのか?④セミナーに出ただけでは本当の事はわからない

今回は質問コーナーです。

「巷では高断熱住宅で結露が問題って話が徐々に出てきているようです。予想通りです。高断熱低気密。これが一番危ないのに。。これ系の被害を受けた人は高断熱はダメって思ってしまうでしょうね。気密施工してない職人さんに高性能断熱材渡すってかなり危ういと思います。冷える場所に湿気を入れない、これをしない限り何やってもダメなので。」

このようなコメントをいただきました。

ここで言う『高断熱住宅で結露する』というのは、高気密・高断熱じゃなくて低気密・高断熱です。これが一番危ないんですね。やっぱり気密って大事だと思うんです。断熱材に湿気を吸わせるとか、断熱材と湿気をプラスさせるというのは基本的にはやらないんです。断熱材は除湿剤・調湿剤ではないので、断熱をするという目的で作られたものを調湿材として使ってしまうのは本来よろしくないので、普通はやらないです。セルロースファイバーであってもやらない。あくまでも、断熱材の性能を発揮するためにはなるべく乾燥状態を保つんです。

セルロースファイバーは紙なので水分を含みやすいから、仮にまかり間違って壁の中に水分が入った時に、セルロースファイバーが防護策として水分を自分で吸って処理してくれる安全性のある断熱材ですよ、という言い方だったらわからなくもないです。

ただ水分を吸わせるとすっきりしないと思うし、家の中は涼しくならないと思います。これは客観的な事実だと思うんだけど、そういう事実があるとしても、そうではないと言う人も中にはいます。

例えば、ハウスメーカーさんの家って、値段のわりに性能がよくないじゃないですか。モデルハウスはすごく立派なんだけど、実際に建ててみると、モデルハウスと一緒になってなかったりします。モデルハウスでよく見る仕上げ材・キッチンも全てオプションです。でも家を建てる人は「うちもこうなるんだ」と思うんだけど、サイズがまず違うし、そもそもモデルハウスみたいに実際の家の玄関は広くないじゃないですか。そしてモデルハウスのフローリングと自分の家のフローリングが違うというのも事実じゃないですか。

屋根だって、あれだけの金額を取っていて、なんでコロニアルなの?と思ったりします。耐久性の低いコロニアルを未だに張ってるわけですから、塗り替えをするしかないし、塗り替えを2〜3回したらもう使えないので、何でコロニアルなの?と思ったりします。

あとは窓も、未だにアルミ樹脂で、なおかつ一般的に市販されていない特殊な寸法の窓をつけることによってお客さんに不利益を及ぼすと思います。交換しづらくしてるし、内窓をつけるとしても特殊な寸法だから既製品を使えなくてオーダーするしかない。

私がこれだけ言っても、世の中には大手ハウスメーカーさんの家って性能がいいんだと思ってる人が多いです。間違いない・失敗しないとかすごいものだと思って建てた人はいっぱいいるでしょう。

何でそうなのかなと思っていたんですが、岡田斗司さんが

「人間の基本原則として、客観的に物事を見て、それを統合して客観的な判断できる人は、そもそも少ない。ほとんどの人間には、そういう思考はないし、あとは魔法とか客観的ではない話を信じやすい。これは人間の構造として仕方ない。」

と仰っていました。それを聞いた時に、なるほど、そもそも人間ってそういうものだから、なんでそんなの買っちゃうのとか、もっと勉強すればいいのにとか言っても、そもそもそれは理論的におかしいと。私も今まで一生懸命にそういうのはダメだと言ってきましたけど、私がおかしかったんだと、今になって気付いたんです(笑)。

人間って、高性能の家を建てるとか、客観的に正しい方法を普及させるには法律か何かで縛るとかしない限りはなかなか進まないんでしょうね。そういう意味では、来年から住宅ローン減税を受ける場合は、高性能住宅だという証がないと住宅ローン減税の対象にならないから、もしかしたら来年からは性能証明を取る人が増えて、高性能住宅が普及していくんじゃないかと気運は高まっています。

ただ一方で私が思うのは、性能評価証明・BELSとかってあるじゃないですか。あれはあくまでもペーパー審査なので、嘘を書いても審査が通ればOKになっちゃうんです。それで住宅ローン減税を受けることもできなくはない。別に現場検査も何もしないので、ちょっとおかしいかなと思います。

「あなたの家はこういう家ですよ」と性能評価を受けたけど、建築家さんから貰った図面を見たら、使ってるものがそもそも違ったということがあったそうです。これは、はっきり言って詐欺ですよね。こういうことをやって、補助金なんかを貰っちゃうと絶対に問題になります。でも来年から国がそういう政策をすると、裏技と言っていいのかわかんないけど、苦肉の策で、そういうことをやられる方も出てくるでしょうね。そんなことをやっちゃいけないのは当たり前なんだけど、住宅業界ってのらりくらりやってて、社名変更なんかしちゃって隠れてやってるような人もいるから、ちょっと怖いですよね。

では次です。

松尾先生のセミナーを受けた方が、家を建てたけれども、その家があまり涼しくなかったという話です。これは実際にあり得る話です。松尾先生が悪いわけではなく、セミナーは誰でも受けることができ、お金を出せば参加できるます。松尾先生はあくまで原理と原則を教えているだけです。

家を建てる場所に応じた設計や空調計画は、間取りや部屋の配置によって変わります。エアコンを適切に使う方法も、住宅会社が経験を積んで学びながら勘を含めて行うものです。したがって、松尾先生のセミナーを受けたからといって、必ずしも松尾先生の指導を受けたと言えるわけではありません。

現実は複雑で、単純に一つの要素だけで全体を判断することは難しいです。学ぶことは大切ですが、学んだからといってすべてが解決するわけではありません。質問や話し合いの中で、状況に応じた選択をする必要があります。

一番確かなのは、その会社が建てた家を実際に体感することです。何度も訪れてみたり、オープンハウスに参加することができれば、安心感が増すでしょう。また、理屈をしっかり聞いて、納得できる説明があれば、ほぼOKと言えるでしょう。セミナーを受けたからといって、簡単に全てがOKというわけではないことを忘れずに、慎重に判断することが重要です。