今回は質問コーナーです。
その前に思うことがありました。
ハウスメーカーというのは大きな企業体があって、企業が全国展開してやってるというイメージなのに対して、工務店というのは小規模のものもあれば、ちょっと大きめのものもあるけど、あくまでも工務店というのはこだわりのある家を地元の大工さんと一緒にやるイメージです。
ハウスメーカーさんはあくまでも販売・設計をやって、施工は地元の施工代理店に投げて、その会社が施工して写真も全部撮って、それをハウスメーカーさんの現場監督に渡して、現場監督はその写真を使って資料を作るので、言い方は悪いけど実質的にはハウスメーカーさんの現場監督って現場管理をしてないんですよね。管理してるのは下請けさん。その下請けさんを管理するのであって、自ら現場に行って確認することは正直やってはいませんよね。
工務店というのは地元で小さくやってる。一条工務店は工務店じゃない。一条工務店というメーカーですからね。アイ工務店も工務店じゃないです。アイ工務店というフランチャイズメーカーです。消費者の方も勘違いしやすいポイントなのでご注意ください。
さて本題です。
ハウスメーカーの方から樹脂サッシは重たいので掃き出し窓などの大きな窓は歪んだり垂れたりする。YKKの指導の下取り付けるが保証は出来ないと言われてしまいました、とのことです。
たしかに樹脂サッシは重いから、あとで垂れちゃう・下がっちゃうので、あまりよくないんですよと言う住宅会社さんは今でもいるらしいです。要は嫌なんでしょうね、やりたくないんでしょ?という話だと思う。面倒臭い・やりたくない、だから何となくやらない方がいい方向に持っていく。そうであるならば、樹脂サッシは嫌いなんですと言った方が早いと思う。
うちも初めて樹脂サッシをつけたのが今から7年前ぐらいになる。その時には大工さんと相談して、やっぱり重いから、かかりという載せるところ、そこを気を付けなくちゃいけないのと、あとは水平を取る時にアルミだったら薄いベニヤで高さを取ったりするけど、樹脂でやると重さで問題が起こるから、それはマズイという話です。
それからYKKの指導は受けないですよ。そもそもYKKの営業マンもわからないからね。YKKの各支店にいる営業マンさんって、うちで扱ってる樹脂サッシはこういういいところがありますとか、逆にマイナスな面はあると言うけど、取り付け方なんて知らない。カタログに書いてあることも覚えてない人もいます。
そもそもちょっとおかしいのが、YKKの指導のもとつけるのに保証はできないって意味がわからない。YKKの指導というのはどういう指導なんだって話じゃないですか。まずYKKさんがそんな指導をすることは経験上ないし、私が付き合ってた支店の方は知らなかった。職人さんと相談して図面等を見ながらやりましたからね。
一応マニュアルがあって、こういう風に留めてくださいとか、こういう風にビスを留めてくださいということはあるけど、それ以上でも以下でもないです。そんなことはないはずだと思う。
こういう回答をするということは、できればやりたくないという気持ちが出てるのは消費者の方も敏感に感じるし、そんなにやりたくないんだったら、うちはあまり慣れてないんで、勘弁してくださいと言って、その代わりこういうことはちゃんとやりますというのが真摯な対応かなという感じはします。
さて次です。
検討中の工務店が通気層が無い施工方法で不安でした。断熱材は乾式セルロースと外付加で発泡スチロール (EPS?) にSTO塗壁です、というコメントをいただきました。
通気層がない工法というのは、付加断熱工法のことを言ってるんですね。STO付加断熱工法というね。うちも付加断熱ってたまにやりますけど、付加断熱工法は基本的には通気層は取っちゃいけない。通気層を取ってしまうと、そこで断熱層が分かれちゃうから、外側の断熱が効きづらくなっちゃう。
断熱の構成によって違うんだけど、やっぱり壁の中に湿気が入っちゃうと、湿気が悪さをするということがあるので、付加断熱の場合には付加断熱と断熱材の間にタイベックさんの特殊なシートを入れて、仮に湿気が入った場合に抜けるようにしておくのをやってる方は多いです。
私の盟友である姫路の巨匠もやってます。我々は怖がりタイプなので、理屈ではたしかにそうやれば湿気が入らないようになるとか、入ったとしてもそんなに問題はないと言うんだけど、そうは言っても、どんな使い方をするかわからないから、そこはちょっとお金をかけるだけで済む最初の段階であれば、やっておいた方がいい。付加断熱が悪いわけじゃないけど、やっぱり危険性もあったりするので、そういうところはやった方がいい。
徳島は温暖ですよね。徳島でG2を作るのは悪くはない。2023年の徳島の冬の最低気温は7℃ぐらいなんですね。2月も7℃。あくまでも私の意見ですが、冬の最低気温が7°Cの地域であれば、別にG2にしなくてもいいと思います。G1で日射取得を取ってあげればいいし、夏の冷房に関しては、徳島は温暖な地域なので暖かいんだけど、群馬県みたいに40℃にはならないと思う。
夏に涼しい家というのは、そんなに家の断熱性能を上げなくても、ちゃんと空調計画をやれば涼しくなる。私がもし徳島でやるのであれば、G2は作ってもいいんだけど、G1で日射取得を取れば冬は問題ないし、夏に関して言えばG1でも、空調計画をちゃんとやれば涼しい家ができるかなという感じはします。このあたりはケースバイケースで家を建てる場所にもよるので、断言はできませんけど、G1が悪いわけじゃないですが、G1・G2・G3というのは、建てられる地域・条件・空調計画も含めて、考えるべきなんじゃないかなと、個人的には思います。