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 | 2023.08.30

床下エアコンは簡単で屋根裏エアコンは難しいのはなぜか

床下エアコンは簡単で、屋根裏エアコンは難しいみたいな話を聞いたことがある方は、多いんじゃないかなと思います。高性能住宅系に興味がある方は、特にそうだと思います。実際に、うちのお客さんなんかでも、下田島のモデルハウスに来られた方は、床下エアコンをやってる方は多いけど、屋根裏エアコンはなかなか難しいんですってねと言われる方が多いです。

難しいと言えば難しい、という感じはあるかもしれない。私の場合は、床下エアコンと屋根裏エアコンが標準で全部入っちゃってるから、現在のところ、そんなに難しいという感覚はないけど、未だにやっぱり、毎回家づくりをさせていただく中で、屋根裏エアコンはちょっと考えるところがあったりします。

そもそも床下エアコンって、正直そんなに使う機会がないんですよね。なぜかと言うと、パッシブ設計の基本というのは、日射取得を高めて家を暖めて、それを保存してあげるという形が暖房に関しては基本です。

日射が取れないような場所で家を作る場合はまた違うんだけど、私なんかが作っている場所は比較的田舎も多かったりするし、日射取得ができるような場所で作っているケースがほとんど。もしくは日射取得ができるような窓の付け方をしているケースばかりなので、それで暖まっていっちゃう。日射取得で家の中が暖まるということが理解できない人は全く理解できないかなと思います。

ただ住んでる方は本当にわかる。うちのお客さんなんかでも、日射取得が大事だということが理屈ではわかるんだけど、住んだ後に改めて日射が出てる日と出てない日とで、家の室温ってこれだけ変わるんですね、しみじみわかりました、と言ってました。

去年の秋に群馬県高崎市で作らせていただいた大きなお家のお施主さんも、日射取得で室温がこんなに違うんだと仰っていました。本当にその通りで、日射取得がちゃんとできてるお家であれば、日中の室温が26・27℃と上がっちゃうんです。あとは窓の付け方によっても違います。ちゃんとできてるお家であれば、26・27℃と上がっちゃう。そのくらい日中に温度が上がっていれば、夜にどんどん外気温が下がっていくので、夜になったら、ハニカムブラインドを閉めていただいて、熱損失を防いであげるようなことをすれば、寝る時になっても20℃以上は絶対あります。

夜中の12時頃でも、下手したら22℃ぐらいあるんじゃないかな。そこからまた気温がグーッと朝に向けてどんどん下がってきて、20℃を切っちゃったりします。別に18・19℃でも寒くはないんですけど、やっぱり暖かいのに慣れちゃってるから、床下エアコンで(室温を)上げてあげれば、朝起きた時に、奥さんが寒く感じないということで、床下エアコンをつけることもある。

ただそうは言っても、さっき言った日射取得ができない家とか、すごく寒い地域、例えばうちで去年作らせてもらった沼田なんかであれば、その使い方ではちょっと難しいですよね。それとやっぱり室温が下がっちゃうので、そういう寒い地域では、床下エアコンを緩く、1日中軽くつけていただけると、逆にそちらの方が電気代がかからなかったりする。そういう使い方もあったりするので、これは地域によります。あくまで私が今言った例というのは、うちがメインにしている群馬県の大田市近郊です。ここではそういう使い方ができるので、百聞は一見にしかずじゃないけど、住んでみてもらえばわかります。でもなかなかそんな簡単には住めないから、もし今年の年末・来年の年明けとか、寒くなった時に、下田島のモデルハウスに来ていただければ、体感できます。

体感した人は100%、「床下エアコンがなくてもこんなに暖かいんですね」とか、人によっては「今って床下エアコンつけてるんですか?暖かいですね」と言うので、「全然つけてませんよ」と言うと、「え!そうなんですか?こんなに暖かいんですね」と驚かれるので、これが日射取得というやつですよと、体感してもらうのが一番簡単です。家づくりって、いろんなYouTubeを観て、知識を高めるというのもいいんだけど、一番簡単なのは体感することだと思います。

いろんなYouTubeやブログ、またメルマガも私のだけでなく、様々な会社さんのものに登録して、様々なことを勉強するのも大事ですが、それをずっとやっていても、場合によっては本質がわからないこともあるし、間違った情報が入ってしまったら、違う方向に行ってしまうこともあります。

当社で家を作ってみたいとお考えの方は、実際に来られますよね。逆に来られない方は違うのかなって、私にもなんとなくわかります。やっぱり家って高いものだから、知識だけでは買えないと思う。体験してみないとね。

ただ屋根裏エアコンって難しいのが、夏は太陽光発電をやってれば電気代がかかりにくくなるという部分があるんだけど、電気代がかかりにくくなる部分というのと、涼しくなるかっていうのは別問題で難しいんです。「暖かい」と言うと、単純に暖かいじゃないですか。暖かい以外ないですよね。「涼しい」って2つの項目があって、難しいんです。温度と湿度のバランスってやつです。

アウターシェードを使わずにハニカムブラインドも上げて日射を入れてしまうと、熱が入るために温度が上昇します。ただ、その分湿気が飛ぶので、どちらの方が涼しいか、つまりどちらが快適に感じるかというと、湿度が下がった方が快適に感じることが多いです。これは体感してみるとわかりますし、また人によって快適かどうかは個人差があるので難しいところです。快適かどうかの指標を計算するソフトウェアも以前メルマガで紹介しました。それを試してみると、よりわかりやすいかと思います。

屋根裏エアコンは、アウターシェードを使用せずにハニカムブラインドを上げて日射を入れた場合でも、室温と湿度のバランスを取るのは難しいです。また、エアコン1台で冷気を各部屋にまんべんなく配ることもまだ完璧にはできていません。これは難しい課題です。さらに南側と北側の日射量や窓の配置の違いによって湿度も異なるため、完璧な分配が難しいところです。冷気を均一に配ることも難しいですが、平均的な配分しかできないので、注意が必要です。

冷気を各部屋にまんべんなく配るのも難しい課題です。エアコンの風量は配管の長さによって変える必要がありますし、空気循環の良い間取りや工夫も必要です。屋根裏エアコンは、空調計画が必要で、実際には難しい課題だと思います。さらに、夏の暑い季節において、屋根裏エアコンは特に困難です。太陽光線の強い日射が建物に当たるため、涼しさを保つことは過酷な試練と言えるでしょう。

エアコン1台で冷却を行うことも困難で、特に夏にはエアコンの限界があります。夏季における冷却の課題は難しく、エアコン1台だけでは全ての部屋に完璧に冷気を供給するのは難しいです。ただし、エアコン5台や6台を使用することを考える人もいるかもしれません。ハウスメーカーなどでは、通常複数のエアコンを設置することが一般的です。複数のエアコンを使用すれば、冷気の均一な供給が容易になります。ただし、エアコンを1台で使う場合と比べて、複数のエアコンを使用することで湿度をコントロールすることがやや難しくなることもあります。

別の機会にも、エアコンのことを詳しく説明したいと考えています。ただし確実なことは、エアコンは1台だけで調整した方が、室内の湿度を均一にコントロールしやすいという点です。このため、温度と湿度の調整が必要なため、エアコンの台数はあまり増やさない方が良いとされています。

また、高性能な住宅、Ua値が低い住宅ほど、エアコンが自動的に作動しなくなる現象が起こります。これは、エアコンが周囲の状況を感知して動作するものであるため、あまりにも理想的な環境だとエアコンが動かなくなることがあります。

エアコンは温度を感知して作動するだけなので、過剰な快適さを感じると「エアコンが動かなくてもいい」と判断し、作動しなくなることがあるのです。その結果、コンプレッサーが停止してしまい、冷気も出なくなり、除湿も行われなくなります。もちろん、エアコンを作動させれば電気代がかかりますが、快適さを維持するためには適切に運転させる必要があります。ただし、一定の高性能な住宅では、エアコンの運転にかかる電気代はそれほど高くない場合もあります。特に太陽光発電を導入すれば、電気代の負担は大きく軽減されるでしょう。

暑い中で我慢することも考えられますが、それが健康や生命に危険を及ぼす場合、適切にエアコンを使用することが必要です。さらに、太陽光発電を導入することで電気代のカバーも可能です。適切にエアコンを運転しながら、高性能な家を構築し、無駄なエネルギー消費を抑える方法も考えられます。

さらに、床下エアコンは一見簡単そうに思えますが、実際は容易ではありません。一部のコンパクトな家屋であれば、比較的簡単に床下エアコンを効果的に配置できるかもしれません。しかし、田舎の家のように、広い敷地面積を持つ場合、床下エアコンの効果的な配置は難しいです。例えば、敷地が広く1階が大きく、2階が小さい家屋の場合、効果的な配置が難しいです。また、床下エアコンの効果を最大限に引き出すためには、基礎の設計や風の流れにも注意が必要です。さらに、エアコンの風は360度に広がらず、配置によって広がり方が異なるため、効果的な配置が必要です。床下エアコンを使用する際には、これらの要素を考慮する必要があります。

総じて、エアコンを1台だけで効果的に利用するのは難しいですが、うまく取り組むことで設置コストやランニングコストを下げ、湿度のコントロールも容易になる可能性があります。難しい課題ではありますが、適切な方法を選ぶことで克服できると言えます。床下エアコンが比較的簡単であるのに対して、屋根裏エアコンが難しいとされるのも、こうした理由からくるものかもしれません。