https://youtu.be/GNoNx-9CBZE
今回は以下の動画にいただいたコメントをご紹介します。
▼杉板を張らない方が良い条件
https://www.kosodate-sekkei.co.jp/blog/sugiita_haranai_jyouken/
上記の動画を観られた方はご存知かと思いますが、木の板である杉板を外壁に張るとなった時に、不安を覚える方が多いと思うんです。
一方当社のお客さんは、オープンハウスも見られていますし、私もちゃんと説明した上で採用してくれています。実際にうちの家も杉板を張っていますが、今のところ「ベラベラになっちゃった」みたいなことはありません。
そもそも、私の経験がうんぬんではなく、日本全国に杉板が張られている家があるわけです。その中で見ていくと、やっぱり傷んでいる杉板には傷んでいる理由があります。それは、木を腐らせる腐朽菌というものです。
その菌には発生する条件があります。そこさえ押さえれば、木ってものすごく耐久性も高いですし、好みはあるけど風合いもあっていいものだと思います。
ちなみに、ローマ帝国の時代は建築技術が発展した時代です。その時代によく言われたのが、ウッド(木)・ストーン(石)・ペーパー(紙)でした。木と紙と石はすごく耐久性が高くて、これを使って建築物を作ると長持ちするということです。そういう部分で、木は扱い方を間違えなければものすごくいいものになります。
実際に長く持っているものって、木造が多いと思うんです。当然メンテナンスは必要になります。ただ鉄骨とか、もっと言うとRC造(鉄筋コンクリート)は、メンテナンスとしては限界があります。
例えば小学校って鉄筋コンクリートじゃないですか。なぜ鉄筋コンクリートかというと、耐久性よりも耐火性という問題があると思います。子どもさんが集まるし、場合によっては地域の避難場所になるわけですから。
あとは水が来ても、あれだけの重さがあればなかなか流されないじゃないですか。そういう意味で言うと鉄筋コンクリートっていいんだけど、小学校や公民館は耐久年数50年くらいで考えていると思います。だから、50年経ったら壊しちゃうんです。
クラックとかヒビ割れた所に水が入ると中の鉄筋が錆びるから、特殊なモルタルを詰めるとか補修する技術はいろいろあるのですが、それをやってもなかなか持たないのが現実です。100年も持たないし、そこまでお金をかけるんだったら壊した方が早いんじゃないかと。
鉄って錆びるのが一番まずいので、錆びないように電着の塗装をしたりします。例えば車だとフルレストアと言って、全部剥がしてシャーシにしてそれを防錆塗装するんです。クラシックカーはそういう技術もあったりするけど、すごくお金がかかっています。鉄は軽くて剛性が高くて良いところもあるんだけど、メンテナンスとか長期的な耐久性になるとなかなか難しいです。
そういう意味で、比較的 木の方がメンテナンスはラクだし、お金もかかりづらいというのが、住宅に限ってはあるんじゃないかと思うので、私はオススメします。ただそうは言っても、使い方を間違えるととんでもないことが起こってしまうこともあります。
この動画の中で、下記のようなコメントをいただきました。
”
どうもです。ガレージ付近を板張りにしました。
周りが田んぼで用水路も流れているので、黒く成りますよって言われました。
朽ちる事は無いのでOKと考えて施工してもらいました。
無垢材というか、木を使う段階で風合いが変わる事は理解しないとダメなんだろうなと思いました。
床の場合は無垢特有の柔らかさ=傷の付きやすさ、外壁ならば、シルバーグレーへ変わっていく事など。
うちの奥さんは板張りが良いと言いますが、近所の納屋などの風化した木部は古そうで嫌だと….。
どなたかが言っていましたが、木材として見ているのは、人間で言えば内臓などの内側、シルバーグレーなどの木が本当の木の姿だと。
”
この方は、木の特性をわかった上で板張りにしていますよね。田んぼで用水路も流れているって、すごく湿気が多い所なんでしょうね。そこで杉板を張るので、杉板が湿気を吸ってしまって乾きづらいから表面にカビが生えて、最後は黒くなっちゃうことはあり得ます。
あれは、表面にカビが生えて真っ黒になってしまったという状態です。安心してもらいたいのですが、(絶対とは言えないけど)カビって別に木を腐らせるものではありません。表面に張り付いているだけのものなので。
ただカビなので臭いがする可能性があるのと、爪でキューっとやったらカビ菌が付いたりするかもしれないから、そこのところをどう思うかというところはあります。
うちなんかの場合は、カビが生えて黒くなるような条件の所では杉板はオススメできないと説明をしているので、今のところカビで黒くなった家はないです。ただ私も全部が全部、建てたお家の杉板を隅から隅まで見ているわけじゃないので、なんとも言えませんが。
いつもお客さんに言っているのが、杉板であろうがガルバであろうがサイディングであろうが、メンテナンスは必要ということです。一番簡単なメンテナンスとして、できれば理想で言うと年に3回とか4回外壁に水をかけてあげて、汚れを落としてあげることをオススメします。
もしグリーンになっちゃったら、軽くたわしで剥がしてあげるとか。そういうことを少しずつやることによってメンテナンスがラクになってくるし、ちょこちょこやることで長持ちします。
あとは、お風呂の換気扇のダクトの下とか。キッチンのレンジフードのダクトからは、油が吹いてますから。10年間ぐらい何にもしないで放っておいたお家のダクトの下に、油がべたっと付いて、その油が日光で日焼けをしてペタペタになって黒くなっています。
塗り壁の白いお家はよくありますよね。全くメンテナンスができていなくて、排気口の下が黒くなってるお家が。
塗り壁のお家で、ベランダにニッチ開口みたいなものがあるお家がありますよね。ベランダが2階についていて、デザインで風通しみたいな穴を開けているパターンです。
よくあるのが、雨が降ってニッチ開口の中に雨が入って、汚れと共にベランダの外に流れ落ちていき、黒くなってしまうことです。人間で言うと涙が落ちているイメージかな。
あとはさっき言ったキッチンのダクトの所とか、キッチンの外のレンジフードの所から排気するわけです。この排気口からは湯気と一緒に油が吹き出しているので、汚れが特に付きやすい所になります。
私がお客さんに言うのは、年に最低1回、できればゴールデンウィークと年末にシャンプーを泡立ててもらって、軽くたわし・スポンジで擦って水をかけてもらうと、汚れが1回落ちます。そうすると次にまた油が吹いても、積もり重なった汚れにはなりづらいから、そういう風にしていってもらうと本当に家が綺麗に保てます。
それを10年間やってる人の家って、本当に綺麗ですよ。逆にそういうのを全くやらない家は、3年・4年でも特に白い家だとすぐに黒くなって涙が家から出ているみたいでかわいそうな感じに見えます。
そういうお家が、私の住んでる家の近くにあるんですよ。昔流行ったスパニッシュ風のお家ですかね。コテ塗りのお家で、ベランダがアールになってて穴が開いてて。そこが涙だらけになっちゃっています。
フードって南側とかにつけるとカッコ悪いから、裏手とか西側とかに付けます。そのお家はちょうど南と東側の角にあるんです。だから建築屋さんが気にしてくれたんでしょうけど、見えないように西側にフードを出しているので、西から歩いて行くと汚れが全部バーッと見えてしまいます。
見えないのか、見えてるんだけど嫌になっちゃったのかわからないけど、いずれにしてもああいうのは、ちょっと脚立に乗ってご主人さんがやってあげるとか、たまに水をかけるだけでも全然違うから、そういうのをやった方がいいと思います。
住宅は、「15年ごとに大きいメンテナンスを何百万円もかけてやることを前提に60年保証」ということが往々にしてあります。そうじゃなくて、日頃からちょっと水をかけてあげる・洗ってあげることによって、家の状態もわかったりしますし長持ちするんです。
私はお引き渡しの時に、引き渡しの説明書をお客さんにお渡ししています。そこに私からのアドバイスが書いてあるのと、お客様によってはお宅にお邪魔して床下エアコン・屋根裏エアコンの使い方を説明しながら、湿度のコントロールの仕方や乾燥の問題とかをお伝えしています。
もっと言えば、キッチンを綺麗にする方法とまでは言えないけど、「こうやると綺麗に保てます」とかも併せて伝えています。キッチンのタイルやステンレス・洗面所・お風呂・外壁・無垢床を綺麗に保つ方法なども、同じです。
板張りのお家に限らず、こまめなメンテナンスは家にはすごく大事なことなので、やっていただいた方がよろしいかなと思います。ぜひ参考にしてみてください。