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ホーム > ブログ > YouTube > ①壁断熱よりも外張断熱が良いのか?②棟換気の理想と現実
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 | 2022.11.05

①壁断熱よりも外張断熱が良いのか?②棟換気の理想と現実

今回は質問コーナーです。
まずは最初の動画です。

▼①屋根裏+換気扇で涼しくなる?②付加断熱を行えば、通気層は絶対に要らないのか?
https://www.kosodate-sekkei.co.jp/blog/yane_kanki_tsuuki/

工務店との打合せの際に
G2レベルの家を作りたいと
お願いしていたのですが、
下記の理由で外張り断熱を
勧められましたと。

① UA値はあくまで理論値で、
充填断熱の場合は、柱などで
断熱欠損しているので
外張り断熱の方が性能は
出やすい。

② 充填断熱の方が金物を
使うので経年劣化しやすい。

③ 洪水等で濡れてしまうと
グラスウールは断熱材として
使い物にならなくなる。

① については
充填断熱(グラスウール)の方が
コスパが良いので同じ価格で
施工すれば理論値も高いものが
できると考えたのですが、
② ③についてはどのように
考えたら良いでしょうか、
というご質問です。

まず②については
意味がわかりません。
金物は充填断熱に使うわけでは
ありませんからね。

③ ですが、
グラスウールやロックウール、
セルロースファイバーは
濡れると使い物にならないので
良くはありません。

① のUA値はあくまでも
理論値というのはその通りで、
G2の家を作りたいときは
UA値をいくつにすればいい
という話になります。

コメントをくださった方の
地域が6地域だとしましょう。
関東地方ですね。

6地域でG2と言うと
UA値で0.46、
G1だと0.6です。

G1であれば極端な話、
窓はアルミ樹脂サッシでも
数値は出ます。

G2になるとさすがに
アルミ樹脂サッシは厳しいです。

樹脂サッシを使って
充填のグラスウールを使っても
G2にはなります。

ただ難しいのは、
G2だからといって必ず
住み心地が良くなるわけでは
ありません。

住み心地は
温度や湿度感、つまり
暖かい・寒い、湿気がない、
ということが住み心地に
つながるわけです。

あとはランニングコストの
問題もあります。

住み心地やランニングコストが
必ずしもイコールになるわけ
ではないです。

あくまで1つの重要な
指標であると思ってください。

さてその住み心地は
いったん置いておいて、
G2の0.46という数値を
クリアするためには
充填断熱でも良いですが、
その場合は熱橋も考えないと
いけません。

柱の部分には
断熱材が入っていませんから、
細かい部分で言うと
U値の低くなる部分が
出てきます。

これが外張り断熱であれば
熱損失が少なくなるので
良いですが、外張りだけで
UA値を0.46に上げるには
断熱材自体が高くなるし、
場合によっては断熱材の
厚みを取る必要も出てきます。

すると窓の納まりも
考慮しないといけないので、
余計にコストが掛かります。

この辺りはコストとの
バランスを考えないといけません。

次に充填断熱は金物を使うので
経年劣化しやすい?という
話ですが、特に金物を使うことは
ないはずです。

グラスウールだとしたら、
防湿気密シートを貼って
湿気を入れないようにするだけ
なので金物は使いません。

強いて言えば防湿気密シートを
貼るときにタッカーを使うので、
それが金物と言えばそうです。

ただそれも柱の内側ですし、
ホッチキスのような小さい針なので
それが熱を吸うわけではありません。

それで言えば外張り断熱は
外側にビスで留めるので、
それの方が熱を吸ってマイナスに
なるのかなという感じがします。

この辺りはそんなに気にしなくても
良いと思いますが。

次に洪水などで
家が濡れた時の話ですが、
当然なかのグラスウールは
使い物になりません。

外張り断熱がプラスチック系なら
水を含むことはないので、
水が引けば乾いてそのまま
使うことができます。

グラスウールは水に濡れると
乾かことは難しいので、
おそらく全て張り直しに
なるでしょう。

さらに言えばこのような
状態になると木材が全て
濡れていることになります。

川の水はバイ菌が多くて
汚い水なので、床や壁の中に
菌が回っちゃう状態です。

そうなると断熱材が
云々という状態ではなくて、
壁などを全て剥がして
アルコールで消毒をして
乾燥させないといけません。

このような問題が起こる
可能性のある地域は、
水害保険に入ってください。

保険に入っていれば、
全て剥がして消毒しても
元に戻るぐらいの保険金は
下ります。

では次です。

▼棟換気はしていても、下屋換気をしていない家は多い

棟換気はしていても、下屋(げや)換気をしていない家は多い

棟換気にデメリットはありますか?と。

4寸勾配切妻ガルバリウム屋根、
全周軒天換気(吸排気兼用)で
棟換気がない設計ですと。

建築士さんに確認したところ
天井面積に対して充分な換気性能が
あるから棟換気はなくても大丈夫との
コメントでしたと。

無風状態だと棟換気があった方が
通気がスムーズな気がしています、
というコメントですね。

ちょっとおかしいのが、
切妻なのに全周軒天換気というのが
よくわかりません。

寄棟ならわかりますが、
穴か何かを空けているのでしょうか。
軒天に小さい穴が空いているのかも
しれませんね。

さて設計士さんは
十分な換気性能を持っていると
仰ったようですが、
率直に言うと換気はしないでしょう。

換気は温度差によって
上昇する気流がないと
なかなか換気しません。

もしこの通りの構成で
換気をさせるのであれば、
強烈に風を入れてスムーズに
抜けるようにしないといけません。

恐らくなんとなく
穴が空いてれば空気が抜けると
思いがちですが、自然の状態で
自然に抜けることはありません。

風の流れは常に変わりますし、
周りに家があればぶつかって
変わってしまいます。

ましてや住宅は密集しているので、
そんなにうまく風は流れません。

なのでなるべく入口を多くして
出口も多くして、風がなくても
温度差で引っ張られるようにするのが
確実な方法だと思います。

設計士さんはあくまで
国の規定のことを言っていて、
現実的な換気ではないという
感じがしました。