今回は質問コーナーです。
まずは最初の動画です。
▼①透湿防水シートを貼らない方が良いのでは?②最近見かける外断熱+塗り壁はどうか③南面の窓はの使い方には注意が必要④屋根裏エアコンを使って家中をまんべんなく涼しくする方法
https://www.kosodate-sekkei.co.jp/blog/toshitsu_nurikabe_mado/
こんなご質問をいただきました。
現在5地域で建築中ですと。
ネオマフォームによる
付加断熱工法の予定ですが、
透湿防水シートが付加断熱の
ネオマフォームを貼る前の
ダイライトの上に貼られて
いますと。
貼られたシートの上に
ネオマフォームを付加し、
通気層、塗り壁と構成が
続くと工務店に言われましたと。
ネオマフォームの外に
シートがない状態で良いのか
疑問に感じておりますと。
この順番の施行について
どう思われますか?という
ご質問です。
付加断熱をした内側に
透湿防水シートを
持ってきて意味はあるのか?
という話ですね。
これは通気層の手前に
貼るのが正論です。
ネオマフォームは
透湿抵抗がかなり高いので、
湿気が出るものではありません。
なので内側に
防湿気密シートを貼って
湿気を入れないのが1つ。
ただ付加断熱をすることで
仮に中に入ったとしても
中でそんなに悪さはしない
という考え方でしょう。
ではこの通気層は
何の意味があるのか?
という疑問が出てきます。
おそらく湿気を出す
という意味の通気層よりも
塗り壁をするのでおそらく
ラス網を張ってモルタルを
使うと思いますので、
水分を含みやすいモルタルを
乾かすための通気層なの
でしょう。
ネオマフォームは
尿素系の断熱材なので
水分にはそんなに強くは
ありません。
なのでネオマフォームを
使う時は透湿防水シートを
貼って水分を含みにくい
形で施工します。
なので単純に
外側に貼った方が
塗り壁からの雨水の
侵入防止になるし、
断熱材にとっても
いいと思います。
では次です。
これも同じ動画ですね。
付加断熱無しで
袋無しグラスウールは
どうでしょうか?と。
保温性がないと
SNSで見かけました、
というコメントですね。
この辺はいろんなことを
言う人がいます。
グラスウールがいい、
セルロースファイバーがいい、
羊毛がいいと言う人もいれば、
ウッドファイバーがいい、
発泡ウレタンが最強だと
言う人もいます。
それぞれの会社が
使っている断熱があって、
ポジショントークが
必ずあります。
保温性がないと仰る方は、
セルロースファイバーや
ウッドファイバー系の
熱容量の大きい断熱材を
使っている方でしょう。
確かに熱の容量だけを
見ればそれらが優れているのは
事実ですが、逆にマイナス面も
あります。
一長一短は
何でもありますからね。
ちなみに当社でも
セルロースファイバーは
使っています。
ただセルロースファイバーは
熱伝導率が悪いです。
仮に全て
セルロースファイバーで作った
家があったとしたときに、
グラスウールを使ったときと
比べて温度差があるかと言うと
私の中ではそんなにないです。
最終的には断熱材の厚さや
性能で決まるものなので、
これを使えば保温性が高まる、
と言うのはポジショントーク
かなという感じがします。
断熱材だけで住み心地は
決まるわけではありません。
間取りや日射取得、
日射遮蔽や空調計画などを
考える必要があります。
一部を切り取って
ポジショントークされる方は
あまり詳しくない方だと思います。
この辺りは個人の自由としか
言いようがないので、
お気を付けいただいた方が
いいかなと思います。
では次です。
▼高気密高断熱に「カーテン」はもったいない
https://www.kosodate-sekkei.co.jp/blog/curtain_katate_ochi/
カーテンを品定めしているときに、
売り場に係員に
「ハニカムの隙間に虫が入ると聞くし、
高価だからやめた方が良い」と
言われました。
私は「窓を開ける事はほとんど無いし、
仮に隙間に入ったとしても
冷暖房負荷とトレードオフじゃ
ないですか?どのくらい効果が
あるか知っていますか?」
と伝えると、係員は何の事やら?と
怪訝な表情で立ち去っていきましたと。
こういう無責任な情報を
流す人はどこにでもいるものですね。
というコメントです。
私のお客さんからは
ハニカムの中に虫が入って
困ったという話は
聞かないですが、
そういうこともあるのでしょう。
このコメント読んだときに
私が思ったのは、物を売っている
人は意外に詳しくない人が
多いということです。
一方的な自分の知識で
物事を言っています。
手っ取り早く
みなさんが頭の中に思い浮かぶ
ようなことを言った方が
売れたりしますからね。
面倒くさくないというやつ。
家も全く同じです。
高気密・高断熱で
日射遮蔽がこうで
窓の付け方はこういう風にして
気密があって…みたいな
説明をするよりも、
このキッチンはいかがですか?
とか標準で床暖房も付いています
と言った方が話が早いですよね。
その方が多分、
想像できます。
お客さんの頭の中に
イメージしやすいものを
売るというのが物を売る
ときの原則です。
その方が確かに
物は売れますからね。
だからと言って、
それが良いのかと言えば
そうではありません。
ダイエット食品なんか
本当にそうですよね。
これを飲むだけで痩せると
言っても、実際はそんなことは
ないですよね。
一瞬は痩せるかもしれませんが、
リバウンドの方が大きいです。
わかりやすいものは
ハードルが下がりますが、
実際にはそんなに良い物では
ないのが現実です。
カーテンなら
いいかもしれませんが、
家もそれで良いのかは
疑問です。
では次です。
▼正しい発泡ウレタンの施工方法
https://www.kosodate-sekkei.co.jp/blog/happou_urethane_sekou/
防湿層を内側に設ける前提でも
スキンカットをしない方が
良いのはなぜか?という
ご質問です。
これは単純に
防湿の問題というよりも
断熱材というのはスキンで
固めて中にある空気やガスを
外に出さないのが製品としての
あるべき姿だからです。
プラスチック系の
超高性能断熱材はいかに
スキン層で中の劣化を防ぐかを
徹底的に考えた結果、
すごい性能が出ています。
なのでせっかく吹いて
固めたものを切らない方が
良いというのは自然の摂理かな
という風に思います。
あくまで私の個人的な
考え方ですが、おそらく
正しいと思います。
今回は以上です。