今日は質問コーナーです。
まずは最初の動画です。
▼弱いベタ基礎の作り方
https://www.kosodate-sekkei.co.jp/blog/yowai_betakiso/
▼地中梁が必要な理由
https://www.kosodate-sekkei.co.jp/blog/chichubari_hitsuyou/
上物は気にしていましたが、
基礎までは目が行き届いて
おりませんでしたと。
危うく基礎のことを
理解しないまま家を
建てるところでしたと。
物事は何でも基礎が
大事という言葉がありますが、
家も全く同じですね。
少し話がズレますが、
実は耐震等級3の家と言っても
ほとんどの家が基礎まで含めて
耐震等級3になっていない
という気がします。
(あくまで私の感覚です)
基礎の上の壁を増やすとか、
床の剛性を高めるとか、
金物をちゃんと固定する
というところで耐震性を
高めていますが、
その下の基礎が本当に
耐震等級3の構造になっているか?
と言うと意外にどうかな?という
家は多いと思います。
なぜかと言うと
基礎は間取りによって変わりますし、
地耐力と言って建てる場所の地盤の
悪さや柔らかさによっても
基礎は変わってきます。
柔らかければそれだけ
地耐力が弱いので、
基礎も含めて変わるはずです。
恐らく一般的に見ていて
耐震等級3の家と言っている
会社は地盤が良い場所でも
悪い場所でも鉄筋の量などは
そんなに変わっていないと
見える部分があります。
それを消費者の方が
気にするかどうかは難しいし、
本来は消費者の方がそこまで
注意すべきものではありません。
ただ基礎はものすごく
大事なので、基礎まで含めて
耐震等級3の構造をやっているか
どうかは地盤の良し悪しは
関係ありません。
別のコメントで、
パッシブ換気システムでは
ベタ基礎の立ち上がりを
少なくするとの説明を
受けられたそうです。
地中梁をたくさん埋めておけば
良いものなのでしょうか?と。
パッシブ換気は
みなさんご存知でしょうか?
温度差換気と言って
主に北海道のような
温度差が大きいところで
利用されます。
冬が-10何℃とか
-20℃になるような地域は
温度差が生まれるので、
上昇気流が発生しやすく
なります。
その上昇気流を使って、
機械を使うことなく
家の中を換気させるのが
パッシブ換気ですね。
床下の基礎の立ち上がりが
いっぱいあるとうまく換気が
しづらいのがあります。
なので換気がうまくできるよう
立ち上がりをなくす分、
地中梁をすることになります。
当社でも床下エアコンの
暖気を送りたいので、
なるべく中の立ち上がりを
少なくするために地中梁を
やったりします。
もちろんこれをすることで
間取りに合わせて
計算しなくてはいけませんし、
コストや手間もかかります。
あと最近は
グリッドポスト工法という
ものもあります。
当社のモデルハウスは
グリッドポスト工法の
変形バージョンみたいな
ものでやっています。
グリッドポスト工法というのは、
プレキャストコンクリートと
言って工場で作ったすごい強度の
コンクリートを基礎や金物で
緊結します。
これも立ち上がりではなく
四角い箱みたいなものを
置くだけなので阻害しません。
これ自体はすごく強度があって、
引抜強度が高いものです。
これもパッシブ換気に
合うと思いますね。
ただコスト的には
どうしてもかかってしまうので、
まだまだ一般的ではありません。
では次です。
▼遮熱シートを貼ると室内は涼しくなるのか?
https://www.kosodate-sekkei.co.jp/blog/syanetsu_sheet_suzushii/
遮熱シートに発泡ウレタンを
吹き付ける工法があります。
壁があって
透湿防水シートの代わりに
遮熱シートを貼ります。
そこに発泡ウレタンを
吹き付ける工法ですね。
この工法だと家の中は
夏は涼しくて冬は暖かいという
ことで商品を売られている
会社がいるようですが、
どうなんでしょうか?という
ご質問です。
別にこの工法が
悪いわけではなくて、
この工法にすれば家が
暖かくなって涼しくなるのか
と言うとそれは使っている
断熱材の性能によるとしか
言いようがありません。
例えば発泡ウレタンの
熱伝導率がいくつで厚みが
いくつで熱抵抗値(R値)が
出ます。
このR値がどれぐらいかに
よって断熱性能が決まります。
遮熱シート自体で
夏涼しくなる効果は
期待できません。
山登りに行って寒い時に
包まって暖かくなるのは
わかりますよ。
人間には体温がありますから。
でも家は全く違いますし、
空間の大きさも違いますからね。
結論としては、
遮熱シートの効果は
ほぼありません。
それよりも重要なのは、
熱抵抗値ということです。
それが例えばHEAT20を
目指すのであれば、
熱抵抗値が3.xは越えないと
涼しくなるとは言えません。
仮に発泡ウレタンの厚みが
40mmぐらいとしましょう。
平均4cmですね。
さらに硬質なのか軟質なのかに
よって違いますが、硬質であれば
熱伝導率が0.02〜、軟質であれば
0.038とかになります。
軟質の場合は0.038なので、
厚みが4cmとして
熱抵抗値で言うと
1.いくつしかないから
全く無理です。
もっと性能の良い
硬質発泡ウレタンだとしても
1.8とかだから全然足りません。
発泡ウレタンを
目一杯に吹いたとすると、
硬質であれば4.いくつだから
ずいぶん良いですね。
いずれにしても重要なのは
●●工法だから涼しくなるとか
暑くなるというのではなくて、
実際に使っているものの
数値がどういうものなのかが
まずは基本です。
家というのは
断熱と気密だけをやれば
住み心地が良くなるもの
ではありません。
窓や壁、
屋根も考えないと
いけません。
もし、そういうことを
言う方がいたとすれば、
それはどうかな?と
思われた方がいいです。
色んなことを言う人が
いますので、みなさんも
根本的な理解をされると
良いと思います。