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ホーム > ブログ > YouTube > 熱容量の大きい断熱材を使用するメリット
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 | 2020.09.01

熱容量の大きい断熱材を使用するメリット

今回は
断熱材のある指標について
解説をします。

他の動画で
断熱材の性能を表す指標として
熱伝導率とか熱抵抗値を
ご紹介しました。

断熱材は性能が良いだけではダメ

断熱材は数値だけで選んではいけない

ぜひ過去の動画を
ご覧になった上で、
今回の動画もご覧ください。

さて今回は
熱容量について解説をします。

熱容量と言うと、
なんとなくイメージが
湧きますか?

熱を蓄える力と言えば
わかりやすいでしょうか。

熱容量が大きい断熱材は、
温まりにくいという
性質があります。

温まりにくくて
冷めにくいという感じ。

逆を言えば、
一度温まるとずっと保温して
ポカポカするような感じです。

ただ温まりにくいので、
温めるまでに時間がかかります。

これをどういう風に使うのか
というのがポイントです。

例えば当社がつくっている家は、
床下エアコンを使っています。

床下エアコンを使って、
床下を定期的に温めます。

そうすると
土間コンが温められるわけです。

コンクリートというのは
熱容量がすごく大きいので、
床下エアコンから出た熱を
土間コンが吸ってくれて、
極端な話、土間コンが
ポカポカします。

床下エアコンを切った後も、
床下が温かくなっている
とううイメージです。

さて当社では
壁にグラスウールを
使っています。

屋根は
セルロースファイバーですね。

なぜ同じものを使わないの?
というのが疑問としてあると
思います。

セルロースファイバーよりも
グラスウールの方が
熱伝導率的には性能が
良いですから、どうせなら
グラスウールを使った方が
安くて性能が上がるという風に
思うと思います。

これにが理由があります。

壁にグラスウールを
入れるのは簡単です。
でも屋根は意外に難しいです。

なので屋根に
グラスウールを使う会社さんは、
上から落とし込む方法で
施工する場合が多いです。

そちらの方が
断熱欠損を起こしにくくて
施工ムラがありませんが、
意外にコストがかかります。

なのでできれば
下からやった方が良いです。
天気も関係ないですしね。

そういうことを考えたら、
なるべく下から入れたいと
私は思います。

そのときに四角い
生グラスウールを
入れるのは意外に難しいです。

そこで考えたのが、
セルロースファイバーは
吹き込みですから、
隅々まで入れやすくて
断熱欠損を起こしにくいです。

ただセルロースファイバーは
グラスウールに比べると
性能値としては低いです。

壁は大体厚みが決まります。
当社の場合、柱の大きさは
四寸の120mmですが、
これを五寸にすれば暑くなります。

ただ基礎も大きくなって
コストアップするので、
壁は意外に限界があります。

壁の性能を上げるなら、
外から付加断熱する方が
良いと思います。

一方で屋根は、
厚くするために下に
下げてもそんなに
影響はありません。

なのでセルロースファイバーを
使って、性能は少し悪いですが
断熱欠損を防ぎながら厚みで
カバーする方法が私の考えです。

そこで熱容量という
問題が出てきます。

セルロースファイバーとか
ウッドファイバーという
天然系の断熱材は、
熱容量がすごく大きいです。

熱容量が大きいものを
屋根面に使うと何が起こるか
と言うと、夏の熱の影響が
変わってきます。

屋根に熱容量の大きい
断熱材を入れると、
熱をカバーしてくれるような
イメージです。

内側に熱を伝えにくく
してくれる効果があります。

そう考えると
セルロースファイバーを
屋根に使うのは、夏の暑さを
内側に伝えにくくするので、
断熱欠損を起こしにくい
ことを考えると私的には
良いと思っています。

屋根を全てグラスウールで
やったこともありますが、
屋根裏温度を測ったときに、
セルロースファイバーの方が
低かったって事実があります。

当社の場合は小屋裏エアコンを
セットしてエアコン1台で家を
冷房するので、小屋裏の空間は
涼しくしたいというのが
あります。

そう考えると、
熱容量の大きいものを
使うのが良いかなと
思っています。

それなら壁も
セルロースファイバーを
使って熱容量を大きくした方が
良いのでは?と思うかも
しれません。

ただ問題は、
やはり壁の厚さです。

熱容量の大きい断熱材は、
ある程度厚さがないと、
なかなか熱を蓄えにくいのです。

120mmぐらいの壁に
セルロースファイバーを使っても、
それが熱容量を持つかと言えば
難しいのかなという感じがします。

私も研究段階なので
ハッキリとしたことを
申し上げる訳ではありません。

ただ地球温暖化で暑くなって
きたり、群馬県太田市は
ものすごく暑い土地なので、
そう考えすと屋根をがっちりと
抑えるのはものすごく重要な
ことじゃないかなと思います。

最後に熱容量が大きい
断熱材には欠点があります。

温まりにくく
冷めにくいことです。

温まりにくいので、
例えば暖房したときに
熱容量が大きすぎると
断熱材が熱を吸って
室内に戻してくれない
というイメージです。

なので詳しい方なら
体感としてわかると
思いますが、グラスウールを
使った方が夏場に冷房した
ときに冷やっとした感じが
あります。

反応が早いという感じです。

セルロースファイバーは
冷房してもなかなか
冷えにくいという感覚は
あります。

これは良いところでもあり
悪いところでもあるので、
断熱は熱伝導率や熱抵抗率だけ
では判断できない部分も
あります。

このあたりは私も
どうすれば家が快適になるのか
研究していきたいと思います。

当然、断熱材だけではなく
空調計画も大事です。

断熱材を良くすればそれだけで
家の中がすごく快適になって
スッキリするなんてことは
正直ありません。

あくまでも換気計画や空調計画、
間取りや日射取得・日射遮蔽も
含めての話です。

とりあえずこんな理屈も
あるということを
お伝えしました。