私の動画に地熱について
コメントをいただきました。
地熱ってわかりますか?
泥の中の熱、地中熱ですね。
その熱を活用して、
家の中を夏涼しく
冬暖かくする。
当然、地熱は無料ですから
ものすごく良いじゃないかと。
どう思いますか?と
書き込みをいただきました。
なので今回は
地熱について解説をします。
太陽が出ると、
地表面を温めますよね。
この地表面は
場所やその時の状況にも
よりますが、例えば
夏であれば地表面の温度が
30℃ぐらいになります。
コンクリートだったら
50℃ぐらいになったりします。
冬であれば、
例えば長野県のような
凍結する所であれば
地表面の温度は
0℃ぐらいになります。
ただ地表面から
深くなればなるほど、
影響は受けなくなります。
単純に言うと
熊は冬眠する時に
泥の中に潜りますよね。
あれはやっぱり冬でも
暖かいからですよね。
ざっくり言うと、
地表面から5mぐらいまで
いくと、そこの温度は
夏も冬もある程度一定
らしいです。
15〜18℃とかね。
このぐらいの温度で
一定らしいです。
気象庁も言っています。
なので地中の温度を
室内に取り入れると、
夏でも涼しくなって
ものすごく良い感じが
するじゃないですか。
エアコンを吹かなくても、
無料のエネルギーを
使った方が良いんじゃ
ないかという理屈ですね。
確かに理屈としては
良いと思います。
例えば15℃〜18℃、
ざっくりと17℃とします。
冬に、5m底にある
17℃の熱を家の中に
入れた時に、家の中が
温まるかどうかという
問題ですよね。
例えば省エネ基準の家だと、
冬の無暖房状態でおそらく
室温は10℃〜12℃でしょう。
これがHEAT20の
G1やG2になると15℃、
パッシブ設計の家なら
18℃ぐらいになります。
冬に人間が快適と思う
温度は20℃ぐらい必要です。
では省エネ基準の家、
10℃〜12℃の室温を
20℃にしようと思ったら
地熱で+8℃にすることが
できるかという話です。
逆に夏、今だったら
30℃を超えるかもしれない
ですが、30℃という室温を
夏に人間が快適と思う
温度25℃ぐらいに下げる
ことができるのかという
話です。
-5℃できれば、
地中熱を利用するのは
ものすごく有効になります。
色々説明しましたが、
あくまでも私の結論です。
無理だと思います。
たった17℃ぐらいの熱が、
地中から伝導してくる訳です。
そこにベタ基礎という
コンクリートがあって、
これを介して熱を室内に入れて
快適な温度になるかと言うと、
私はどうやってもならないと
思います。
当社のモデルハウスで
365日24時間、測定を
していますが、基礎断熱をして
床下エアコンを入れて、
17℃よりも高い温度に
設定して快適にしてるぐらい
なので、無理だと思います。
とある住宅会社さんの
ホームページを見ると、
地中熱を入れることによって
冬でも床下の温度が
18℃ぐらいになるし、
夏でも25℃ぐらいに保たれる
という風に書いてありました。
冬でも床下が18℃、
夏でも床下が25℃になると。
私も床下を測定していますが、
ベタ基礎できちんと気密高めて
断熱材を入れておけば、
このぐらいの温度にはなります。
なので地中熱のおかげではなく
家の気密と断熱性能を上げれば
床下の温度は夏で25℃、
冬で18℃ぐらいにはなります。
これが基礎断熱ではなく
床断熱であれば、確かに
夏は温かい空気が入るし
冬は冷たい空気が入るので、
温度をコントロールしにくく
なります。
なのでその会社も
基礎断熱を採用してるん
ですよね。
ということは、結論としては
それは地中熱ではなくて
家の性能を高めた結果として
床下がそうなっていると
推測します。
私も実際に測定して
そうなっていますし、
地中熱は利用して
いませんからね。
100%私が
正しいとは言いません。
地中熱を活用しても
私は良いと思います。
ただ地中熱をを採用する
代わりに200万円、300万円
かかるという話になったと
したら、それはちょっと
どうなのかなと思います。
ちゃんとつくれば
そうなりますからね。
最終的には皆さんが
こういう理屈を聞いてみて
判断していただければと
思います。