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 | 2019.07.16

付けてはいけない制振装置

今回は
制震装置について
解説をさせていただきます。

皆さんは
制震装置をご存知でしょうか。

地震の揺れを軽減するだとか、
地震に対して突っ張るだとか
そういうイメージを持たれると
思います。

実際はその通りで、
制震装置は大きく分けると
2つあります。

簡単に説明します。

1つは地震に対して
揺れを軽減するというもの。

もう1つは
地震に対して突っ張るというか
対抗するような装置です。

制振装置は、
画像の赤丸のように
付けるものがあります。

また制震装置を
一部の壁に補強材として
付けるようなものもあります。

そもそも左の家というのは、
耐震パネルなりで補強して
耐震性を上げているんですね。
制震装置はその上で付けます。

左の制震装置が
どういうものかと言うと、
地震が来た時に揺れを
吸収してくれるものです。

これを初期応答型といいます。

揺れを吸収して、
その揺れがなるべく建物に
伝わらないようにする。

揺れがある一定以上になると、
そこからは耐震パネルで対抗する
というイメージです。

右の制震装置は
壁の一部として使いますので、
初期の揺れを吸収するというよりも
壁として突っ張るイメージです。

どちらが良いのかと言うと、
私は絶対に左だと思います。

なぜかと言うと、
右の制震装置は
これ自体を壁の補強材として
計算できちゃう、というかしちゃう。

専門用語で言うと
壁倍率と言いますが、
壁としてこの制震装置を
考えてしまいますので、
左の物とはまるっきり家のつくり方が
違うんですね。

壁で補強する場合、
一枚のパネルに対して釘を
大体50本ぐらいは止めます。

50本ぐらいの釘を
止めてこれを補強していく。

それに対して右のような
バッテン型の制震装置ですと、
装置の端を固定しているものなので
地震がくると金物が飛ぶ場合もあります。

その瞬間に
壁の補強材がゼロになるぐらいの
勢いになっちゃいます。

そうなると計算上は
右と左で同じ強さであるという
計算になるかもしれませんが、
現実論としては私はちょっと違うんじゃ
ないかなと思います。

なので国が認めているか
どうかというのは別として、
やはり理論的に考えた時に
家というものは耐震等級3という
構造を作った上で、地震の揺れ等を
吸収してくれるような制震装置を
補助的に使って、地震初期の力を
建物に伝えないという方が
正論だと思います。

どちらが良いかどうかというのは
なかなか難しいですが、
こういう制震装置があるという事を
皆さんも覚えておいていただければと
思います。