最近は、Ua値を表記する住宅会社が増えてきたように感じます。
恐らくですが、来年4月からスタートする予定の法律を見越している住宅会社も多くなってきたのかも知れません。
また、下田島モデルハウスにお越しになる方にも、Ua値やHEAT20について関心がある方が増えて来たように感じます。
因みに、スタートする法律とは
こちらです。
国が行う事なので、間違いなくスタートするかどうかは解りません。
本来は今年の4月からスタートするはずだったのですからね・・・
しかし、
勉強をされている方ならご存知かと思いますが、20年前に作られた基準を2021年4月~義務化するかどうかの話ですので、あまり気にしない
ようにしましょう。
そこで、「そもそもUa値とは何か?」を解説してみたいと思います。
その前に、Ua値についてネットで検索すると、どのような説明が出てくるでしょうか?
Ua値とは「外皮平均熱貫流率」で建物の中と外の温度を1度と仮定したときに、建物の外へ逃げる時間当たりの熱量を外皮面積の合計で割ったもので、以下のような数式で求めることができます。
Ua値 = (各部の熱損失量の合計) / 延べ外皮面積
数値の評価としては、基本的にQ値やC値と同じく、値が小さければ小さいほど断熱性能が高いと判断するのが特徴です。
良く解りませんよね(笑)恐らくですが、書いている方も、良く解っていないと思います。
ここでポイントになるのは、外に逃げる熱量と言う部分です。
外皮(壁・床・天井・窓)から出ていってしまう熱量の平均値を表した数値をUa値と言います。
当然、平均値なので、場所によって逃げる量が違ってきます。
住宅会社によっては、それが窓かも知れませんし、床かも知れませんし、壁かも知れません。
そう考えると、逃げる場所によって体感差が変わるとも言えます。
当然ですが、出ていってしまうので少ない方が良いです。
なので、Ua値は低い方が良いという事になります。
しかし、ここからが問題です。
Ua値が低いと断熱性能が高いと判断される訳ですから、冬暖かくて、電気代も掛からない家になるのか?と言う点です。
恐らくですが、
消費者の方も住宅会社の方も、「Ua値が低いと住み心地が良い家になるはずだ!」と考えているはずです。
また、出ていく熱が少ないのだから、「空調費用も掛かりづらいはずだ!」と思っているはずです。
ここで少々話題を変えます。
「魔法瓶のような家」と言う家があります。
魔法瓶のように暖かい家と言うイメージでしょうね。
でも、魔法瓶の中には暑い熱湯が入っているので暖かいのです。
そのまま何も入れないと、冷たいままです。
家も同じで、暖かくする為には熱湯(熱源)が必要です。
一応、人が生活をすれば、内部発熱と言う熱源が生まれますが、これだけでは全く足りません
※超超超高性能住宅に中には、内部発熱だけで暖かくなる家もあります。
Ua値と言うのは、この熱湯が入った時に、冷めにくい指標です。
Ua値を低くする(要するに外に熱を出さなくする)ためには、なるべく断熱材を入れる面積を多くした方が良い事になります。
トリプルガラスのオール樹脂サッシを使うよりも、断熱材を入れた方が熱は出にくくなります。
トリプルガラスのオール樹脂サッシは高性能ですが、断熱材の性能には叶いません。
そう考えると、ひたすら窓の面積を小さくする事になります。
法律で義務化されている採光計算ギリギリにする住宅会社もあります。
何となく、室内が暗い家ですが、Ua値の低い高性能住宅になります。
そして、「当社の家はHEAT20G2クラスの性能になっています!」などと説明されるかも知れません。
先程に、室内を暖かくする為には、何らかの熱源が必要になると説明しました。
この熱源を何で賄うのか?で電気代が変わって来ます。
暖かくするための熱源には、色々な物があります。
エアコン・床断熱・オイルヒーター・石油ストーブ・電気ストーブ・ガスファンヒーター等々です。
使用する暖房機によって、電気代は大幅に違います。
例えば、高効率エアコンを1とすると、ガスファンヒーターの効率は、1/5以下になってしまう事もあります。
言い方を変えると、同じ温度の室内にするのに、5倍のエネルギーが必要になるという事です。
しかし、太陽エネルギーを使えると、無料になります。タダで暖かくなります。
でも、Ua値を低くするために、ギリギリまで窓を小さくすると、無料のエネルギーは使えません。
Ua値を低くする為に、ひたすら窓を小さくしたのに、室内は薄暗くて、寒い家になり、暖房費が掛かってしまう事にもなってしまうのです。
HEAT20G2クラスの家なのに、住んでみたら何となく寒かったなんて意見も聞きますが、どんな家なのか?は何となく想像出来ます。
恐らくですが、皆さんはUa値が低い家が欲しいのではなく、快適で電気代が掛からない家が欲しいはずだと思いますので。
Ua値は大切な基準ですが、それを比較するだけでは全く意味がないことを知っておくのも良いかも知れません。
追伸です
でも、窓が少なければ、夏は涼しくなって良いのでは?と考える方もいるかも知れません。
また、これから温暖化が進むのだから、暖かい家よりも涼しい家の方が良いのでは?と考える方もいるかも知れません。
ここは後日に松尾先生との対談動画で解説します。