「ALCパネルは断熱材ではありません」
ALCパネルと言う外壁材があります。
正式名称は軽量気泡コンクリートと言います。
この外壁材は、セメントや石灰石、アルミ粉末などを使い作られた外壁材です。
特徴としては、不燃材であり、内部に気泡があるため耐火性があり、断熱性もあります。
例えば、同じような外壁材でサイディングがありますが、こちらも不燃材ではありますが、内部に気泡がないので断熱性は無いです。
そう考えるとALCパネルを張れば、断熱材は必要が無いように感じるかも知れません。
実際に、そのような事を言われる大工さんがいるようです。
また、ALCパネルを採用している住宅会社のHPにも、ALCパネルを使う事により断熱性が高まり、室内が快適になるような表記をされています。
確かに、ALCパネルは木材と同程度の熱伝導率(0.15w/mk)なのは事実です。
しかし一般的に断熱材と呼べる材料は、熱伝導率0.05以下の物を指しています。
そう考えるとALCパネルは断熱材とは言い難いと感じます。
そもそも、ALCパネルは外壁材として使われているので、柱の中に入っている訳でもありません。
専門的に言うと、柱の外側には通気層があり、更に、その外側に張られています。
このような施工だと、通気層で室内と室外が分離されているので、ALCパネルの断熱性は室内には関係が無い事になってしまうのです。
単純に、ALCパネルとサイディングだけを比較すれば、製品の特性としてALCパネルの方が断熱性はあります。
しかし、実際に室内環境に影響を及ぼすのか?と言うと、0(ゼロ)とは言えませんが、殆ど関係がないとも言えます。
もしALCパネルが断熱性の役割を担っているのだとしたら、昔の家(木の外壁で断熱材が入っていない家)でも暖かくなってしまう事になります。
恐らく、そんな事はないはずです。
住宅会社の中には、自社にとって都合の良いデータを表示し、消費者の方にアピールする会社があります。
そのような事をされている住宅会社に家づくりを依頼しても、間違いなく住み心地の良い家は出来上がりません。
失礼ですが、そのような小手先の行為は、消費者の方を惑わすような行為に見えてしまうからです。
HPやカタログ、モデルハウスを参考にするのも良いですが、それらを客観的に判断できないと全く違う家が出来上がります。
くれぐれもお気を付け下さい。