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 | 2024.12.25

①2025年の省エネ住宅補助金について②長期優良住宅はオススメか?③電気屋さんや設備屋さんは断熱気密に詳しくない④施工エリアの範囲を狭くしました⑤間違った情報に踊らされる消費者は多い

今回は質問コーナーです。以下の動画に対するコメントを2つ紹介します。

◼︎①搬入されたEWに問題があった②棟換気は意味が無いと屋根屋さんが言っていた③再生数・コメントが多い動画は正しいか
https://www.kosodate-sekkei.co.jp/blog/ew_kanki_yane/

まずは、下記のコメントについてです。

「多分該当する業者さんの動画を見たところ、メンテナンスで棟換気を潰していましたが、天井断熱の場合の棟換気は、長期優良住宅の小屋裏換気量計算にも関係してくるため、勝手に繋いだら長期優良住宅の維持保全義務違反になると思うので、注意が必要です。その後の認定基準とかを全くしない業者さんもいます。」

その家が長期優良住宅かどうかはわかりませんが、おっしゃる通りだと思います。長期優良住宅にすると、税制的なメリットがあったり、住宅の省エネ補助金も貰えます。ちなみに補助金の金額ですが、長期優良住宅だと100万円、ZEH・高性能住宅だと80万円です。

当社の場合、長期優良住宅の申請はしていないので、ZEH以上の80万円というコースで、今年は6棟を申請しました。3月31日から申請がスタートするはずでしたが、サイトトラブルで4月1日からになりました。11月現在、6棟全部の申請が通っていますが、未だに1棟分もお金が振り込まれていない状態です。来月に振り込まれるみたいですが、4月に申請した分がようやく年末に振り込まれるというのは、すごいスピードですね。

去年私が思ったのが、「あなたの家は基準に達していませんよ」という風に、後々ならないのかなということです。案の定、去年はそういうことが多かったようです。だから今年は、最初にある程度の書類を先行で送って、OKかダメかを先に判定する感じにしたんでしょうね。去年は、最初が簡単で最後が難しいという感じだったけど、今年の場合は最初が難しくてすごく時間がかかるから、なかなか次に進まないという感じです。ただ完成報告については、建物の検査済み証とお客さんの新しい住民票ぐらいでOKなので、すごく簡単です。

FacebookやXにも書きましたが、審査が間違っているということもありました。申請した事務所から「申請内容が間違ってるので直してください。」と言われたんですが、見直しても間違ってるように見えなかったので、「どこを間違えているのかわかりません。」と聞いたところ、申請間違いは間違いだったということがありました。

去年は断熱等級4でもよかったですが、今年はZEH以上じゃないと補助金は貰えません。また、補助金の金額は、長期優良住宅とZEH以上とでは20万円の差があるため、「じゃあ長期優良住宅の方がいいんじゃないか?」ということになるかもしれません。でも、長期優良住宅には税制的なメリットはあっても、申請時間がすごくかかるし、建てた後には維持保全義務といって定期報告をする必要があります。それをわからずに、何となく補助金を貰えるからといって長期優良住宅にしてしまうと、後々面倒臭いことが起こり得る可能性もあります。

私は別に、長期優良住宅は悪いとは言わないけど、お客さんには「長期優良住宅じゃなくてもいいんじゃないですか?」ということは伝えています。わざわざ申請して維持保全義務をやるよりも、当社のように長期優良住宅と同じようなことをちゃんとやる方が楽だと思うからです。いずれにしても長期優良住宅には縛りがあるから、この人が言ったみたいに、勝手に塞ぐと後で問題が起こるので、気を付けた方がいいです。

次は、下記のコメントについてです。

「最近では大工さんも丸くなりましたが、設備屋さん(電気・配管)に関しては、未だに省エネや断熱に対する理解が不足している業者が少なくないと聞きます。そのような業者は気密の重要性を考慮せず、見下してくることもあるようです。屋根業者が棟換気を無駄だと言うのも似たような状況です。棟換気は積極的に換気を行うというよりも、劣化対策上、屋根裏の温度と湿度を外気と同じ環境にするために設置するものと考えるべきです。以前Xで、DIY断熱にこだわっている方が小屋裏の換気で涼しくなるという誤った情報を発信しており、その投稿に多くの一般の方々が共感していました。そこで、“それは劣化対策のための通気であり、熱的境界外にある小屋裏の通気と断熱性能とは別のものです。通気と断熱は関係がなく、断熱性能と通気は切り離して考えるべきです。”とコメントしたところ、非常に攻撃的な反論があり、“プロのくせに素人以下だ。”といった批判を受け、うんざりした経験があります。でも発信者のフォロワー数は私とは桁違いなので、この発信者のフォロワーの多くは私が間違っていて、発信者が正しいと思っていると思います。未だに設計の意図や、目の前で施工している部材の意味を理解しないまま施工している方が、間違った情報を発信し、それを鵜呑みにする人々がいるのは非常に難しい問題だと感じます。」

私も本当にそう感じます。大工さんは自分で断熱材を入れたり、気密シートを貼ったりするため、断熱のことを気にせざるを得ませんが、電気屋さんや設備屋さんは気にする必要はありません。ただ、気密に関しては気にする必要があります。

当社の場合は基礎断熱をやっているから、下から配管を抜く時に、鞘管を入れて、防蟻シーリングをすると、基礎断熱を一部貫通しちゃうので、その部分は発泡ウレタンを吹いて処理をする必要があるんですが、それは設備屋さんが全部やってくれます。なので、大工さんほど詳しくはないけど、気にはしてる感じです。ただ、基礎断熱をやって防蟻シーリングをやるというケースは、一般的にはかなり少ないので、理解が不足している設備屋さんも少ないと思います。

また、今は設備屋さん自体がすごく少ないです。電気屋さんはまだいると思うけど、設備屋さんは高齢化していて、若い人がいないという話を聞きます。当社にも長く付き合っていた設備屋さんがいましたが、人不足の問題もあって、2社の新しい設備屋さんとやっていくことになりました。新しい設備屋さんの社長さんも、「本当に今は職人さんが少ないんですよね。」と言っていました。そして、2社さんでエリアを分ける感じなので、それに基づいて遠いエリアはカットしました。職人不足で、これからは建てる場所によっては対応できないというような時代になっていくと思います。

以前の動画でも言いましたが、私が測定して「こうなりました。」と言ったら、「そんなことはない。」と言う人が普通にいました。実際、そう言われても困ってしまうのが事実です。あくまでも私が測ったシチュエーションの時にはこうなったという話だからです。前提条件が必ずついてくるので、場所だって変わりますよね。そういうことも事実として起こりつつあるから、こういうことを考えながらやった方がいいという提案に対して、「そういうのもあるんだ。」「じゃあちょっと俺も気をつけようかな。」と思うのは、情報を取り入れるということです。それをこの人が言っているみたいにバッと切っちゃうと、間違った情報が正しいことになってしまいます。

私はXで、一方的に当社の現場のことをつらつらと言っていますが、別に同意を求めたいとか、承認欲求があるというわけじゃなく、あくまでも「こういう風にやってます。」「他の人の参考になったらいいな。」「当社に興味を持ってもらえたらいいな。」と思ってやっています。決して自分のことをすごいと言ってもらうためにやっているわけではありませんが、Xというのはそういうところがありますよね。承認欲求があるのは悪いわけじゃないけど、一歩間違えると怖いなという気はします。

間違った情報を発信している人というのは、建築系YouTuberの中にもいらっしゃると思います。1つの現象をずっと言っているとか、これで涼しくなるとか、インテリアがどうだという感じで、いろいろ言っている人もいますね。良い・悪いというのはその人の感じ方だし、興味の問題だからいいんだけど、20年後はなかなかきついんじゃないかと個人的には思っています。

今の時代は情報が多すぎると思うので、情報を入れないようにすることが必要です。情報の取捨選択の「取」を、そろそろ絞った方がいいと思います。見るものを決めて見てそれ以上は見ないとか、よりよく理解できるように深堀りするということが大事です。そういう風に偉い人から言われたこともあるし、私自身もそう思います。参考になれば嬉しいです。