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 | 2024.09.05

①UA値を下げ過ぎると問題が起こりやすくなる②最近、当社の施主さんにウケている庭づくり③女性的思考と男性的思考の家づくり④YouTubeを見ないという選択肢もある⑤理論武装しても良い家は出来ないし嫌われる

今回は質問コーナーです。

まず1つ目は、以下の動画に対していただきました。

▼最適なUa値はいくつなのか?を松尾先生と討論してみた

最適なUa値はいくつなのか?を松尾先生と討論してみた

この動画を見た方なら結論はおわかりだと思いますが、Ua値を低くし過ぎるとちょっとした問題が起こり、そのちょっとした問題のコントロールが意外に難しかったりします。たださらに難しいのは、家を建てる場所によっては、Ua値は低ければ低い方がいいという場所もあることです。北海道のようなすごく寒い所などはそうですよね。しかし、今は仙台あたりでも夏がすごく暑くて、エアコンを使う時期が多くなったそうです。そういうところも加味して、これからは家づくりをしていかないといけないと思います。

さて、質問は以下の内容です。

「東北厳寒地に住んでおります。私も小暮社長のおっしゃるとおりだと考えます。最適な断熱性能の水準を決める前提には、地域の気温等の気象情報、建てる土地・周囲の道路、方角、日射取得の優位性などの諸条件で大きく変化します。私の土地は狭く周囲は他家で囲まれる中、西側外壁に一か所だけ3m幅で西日が直射してくる現況です。冬は暖かさに優位に働きますが、夏は暑さの原因となり、たまたま設置義務のあった防火シャッターを下げて遮熱しています。優秀な設計者は周囲の現況も調査すると聞いています。施主も同じ視点で家づくりをしていくことが大切ですね。」

他の動画でも話したけど、物事はUa値とC値だけでは決まりません。あくまでそれは1つの考え方です。高性能な家になればなるほど、Ua値とC値だけでは物事は決まらなくなるし、Ua値が災いすることもあります。建てる場所において最適な物がベストだし、それ以上するのが良いわけでもないです。

今は、消費者の方も住宅実務者の方も含めて、Ua値競争、Ua値自慢のオンパレードみたいな感じになっています。でも、逆に「そこまでやってどうするの?」と思うところもあります。一番もったいないと思うのが、Ua値を下げることにお金が掛かって、その分家がどんどん小さくなっていることです。

あとは、小さくはなっていないけど、普通の家になった感じの家もあります。外壁はサイディング、屋根はコロニアル、床は普通のフローリング、壁はクロス、間取りも普通、ただUa値だけがすごいという感じです。それがその人の優先順位だったら悪くはないけど、でも個人的には、逆にメンテナンスコストが掛かるんじゃないかなとも思います。住み心地がよくて性能もいい家はもちろんいいと思うけど、それだけで人生何十年と住む所の環境を作るのは、私はもったいないと思います。

若い方であれば、家はこれから50年ぐらいは住むわけです。その中で子育てもあり、子供が巣立ったら夫婦2人になります。夫婦2人になった時には、お互いの共通のところではない夫婦間の関わり合いがあります。旦那さんは旦那さんで、奥さんは奥さんで、それぞれが自分の趣味を楽しむ空間があります。一緒にご飯を食べたり、子供が帰ってきてみんなでバーベキューをしたり、そういういろんな人生の関わり合いがあります。最期には、どちらかが先に亡くなって独りぼっちになります。その時にはその時の生き方もあります。そういうところまで含めて、家や空間を考えていくと、良い家というのはそこだけじゃないと、私は思います。

今当社でやっているお客さんみなさんに、共通して私がアドバイスすることがあります。それは、せっかく家を建てるんだから、庭を作ってお子さんと遊ぶとか、自分自身も遊ぶとか、そういう所を作った方がいいよ、ということです。少しでも緑があったら当然いいし、ウッドデッキでも、洗濯物を干すこともできれば、お子さんがプールに入ったり、そこに椅子を置いて、小さいキャンプ用のテーブルでお酒を飲んだり、本を読んだりするのもすごく楽しいです。私も実際そうやっています。

最近当社のお客さんの一部で流行っているのが、庭に焚き火コーナーを作ることです。直径1.5mぐらいで石を積んで、その中を掘って砕石を入れて、そこで焚き火やバーベキューをする感じです。人間は火を見ると、わくわくしたり癒されたりするものです。そういう体験をお子さんにもさせてあげたり、そこでマシュマロを焼いたりするのもすごく良い経験だと思います。1.5mの石を積んで掘ってやるのなら、外構工事と一緒にやれば、金額も5〜6万円ぐらいです。それを1個作ることで一生遊べるなら、それもいいじゃないですか。

こういうのを提案すると、意外にみなさん反応がいいです。そういうことも考えながら、家づくりをした方がいいのかなと、個人的には思います。

次は以下の動画に対してです。

▼①湿気は通さなくても通気はするのか②防湿気密シートを貼ると幾ら?③集成材を使う場合の注意点④スプルースを使う場合の注意点⑤現場も設計も知らない営業マンが間取りを書くのはどうか?

①湿気は通さなくても通気はするのか②防湿気密シートを貼ると幾ら?③集成材を使う場合の注意点④スプルースを使う場合の注意点⑤現場も設計も知らない営業マンが間取りを書くのはどうか?

「この動画は個人的には神回。特に最後のコメントの方、構造外注、男女の思考の違い。素晴らしく的を得てて驚きました。その通りだと思いました。」

私もお客さんと話す時に思うけど、男女の思考の違いはありますよね。良い・悪いじゃなくて、男性・女性の、それぞれ得意なところ・不得意なところが必ずあります。家づくりも同じで、男女の思考の違いを理解しながらやっていくのが、私は一番いいと思っています。そういう風にしている方が、お客さんも楽しいと思います。いろんな意見があっていいんだけど、同じ方向に向かっていくようにしないと、楽しくないと思うし、意見・感覚もずれていっちゃうと思います。

コメントの返信でも書きましたが、男女の思考差で家づくりも工務店選びも変わってきます。家づくりにおいて、どちらが主導権を握っているのかによっても変わります。当社に家づくりを任せてもらえるお客さんは、比較的男性的な思考を持たれる方が多いと思います。理論的・客観的な事実を重要視される傾向のある方が、ご主人でも奥さんでも多いと感じます。

一方、デザイン・仕様で選ばれる方は、多分そういう思考ではないのではないかと感じます。カッコよさとか、仕様がいいとか、○○が最初から付いているとか、設備が豪華とか、そういうところの方は、客観的・論理的ではないところで惹かれることが多いんだと思います。

私も、モデルハウスでいろんな方と話をする中で、残念ながら「このお客さんは、当社のお客さんにはならないだろう」と感じる人がいらっしゃいます。奥さんと旦那さんを見た時に、どちらが主導権(決定権)を握っているのかというところでも、何となく感じることはあります。これは住宅に限らず、営業マンは感じるものだと思います。ただ、変わった家・特殊な家になればなるほど、選ばれる方の基準がすごくわかりやすいから、なかなか難しいかなという感じがする時はあります。

そういうことも含めて工務店さん選びをした方が、お客さんも余計な時間を使わないし、余計な情報を入れないことにも繋がります。今は情報が氾濫しているし、自分の優先順位に合わない情報を手に入れても時間がもったいないし、却ってそれが変な方向にいってしまうこともあります。他の動画で話しましたが「それはあくまでもここだけの話」という情報が、変に邪魔しちゃうこともあり得ます。統合的に物事が見られるならいいけど、そうではないのにある点だけを抜き出してしまって、そちらに引っ張られてしまうことがすごく多い感じがします。

次は以下の動画に対してです。

▼①屋根断熱に最適な断熱材は?②室内がカラッとする断熱材がある?③アクアフォーム施工時の注意点④棟換気と屋根通気は違う

①屋根断熱に最適な断熱材は? ②室内がカラッとする断熱材がある? ③アクアフォーム施工時の注意点 ④棟換気と屋根通気は違う

「透湿防水シートに発泡ウレタンを直接吹き付けすること自体が問題があります。ウレタンが硬化する過程の熱や化学変化でシートの品質に影響を与えるため、シート協会?では直接吹き付けることをNGとしています。」

全くその通りです。透湿防水シートに発泡ウレタンを吹き付けるのはNGなんです。熱・化学変化によって透湿防水シートの機能がおかしくなってしまうことや、透湿防水シートが通気層側に膨らんで、通気がしづらくなってしまうことが理由です。これは実際に事故としてもありました。

透湿防水シートには、外側に水が当たった時に水を染み込ませないように、活性剤みたいな成分が入っているんですが、その活性剤が、発泡ウレタンの中に入っている成分によってダメになっちゃうんです。でも、仮にそういうことに対応したシートだったとしても、発泡ウレタンを吹くと特に100倍発泡ではすごく膨らむので、シートが外側に引っ張られます。膨らまないぐらいに胴縁を細かくやっているならいいけど、大体胴縁は1.8m間隔です。そうすると、その間から膨らみが出てしまい、通気層がなくなってしまいます。だから発泡ウレタンの100倍などを吹く場合は、絵のように必ず外側に構造用合板を張って、その上に透湿・防水シートをやって、構造用合板で押せなくして、通気層が潰れないようにします。

ここで、100倍発泡ウレタンは湿気を通しやすいから、構造用合板は透湿抵抗が低い(湿気を通しやすい)ものじゃないとダメですよね、と突っ込みたくなるんだけど、なぜかここに普通のベニヤやノボパンを張る人もいるんです。でもそこは今度は言わなかったりするし、「こっちはいいけどこっちはダメ」みたいなのがあるから、家づくりは難しいです。

何でもそうだけど、家というのは「ここはこうだからどう」という話ではないんです。私がいただく質問でも、失礼だけど「この方はまだその辺りを理解されていないんだろうな」「まだそこまでの勉強をされていない方なのかな」という質問もあります。今みたいな、「それをやると、こっちはいいけどこっちはダメ」という話です。そこを理解しないで、片方だけのことをずっと質問しているケースもあります。

それを全て勉強できる方もいます。例えば“nobandさん”は、比較的理論的に考えられる方だと思います。そういう商売の職業もしているんだと思います。普段の仕事がそういう仕事ではない場合は、思考の違いも出ますから、なかなか難しいです。

そういう場合は、勉強しまくることよりも、基本的な勉強をしてあとは工務店を探す方に注力をした方がいいかなと思います。理論武装して騙されないようにするよりも、基本をちゃんと勉強することです。その基本を勉強する方法としては、私も過去に読んだ方がいい書籍を紹介しました。それを読んで、そこに書いてあることを実際に施工している、もしくはその本に書いてある質問にきちんと理論的に応えられる工務店さんを探すことに、注力した方がいいと思います。

変に理論武装して話して、工務店さんに嫌がられるケースもあるかと思います。私も過去にそういうケースがあったけど、「多分私のことをあまり信用していないんだろうな」「いろんな会社で質問しまくっているんだな」という人もいました。

最後は私の愚痴になってしまいましたが、くれぐれもお気をつけ願います。