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ホーム > ブログ > YouTube > ①施工ミスの対応で住宅会社のレベルが解る②ガラス交換と気密の関係③上棟したら直ぐに窓を付ける理由④色々な浴室換気扇の活用方法⑤性能評価証明取得+許容応力度計算=完璧?⑥ホームインスペクションは信頼出来るのか?
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 | 2024.03.25

①施工ミスの対応で住宅会社のレベルが解る②ガラス交換と気密の関係③上棟したら直ぐに窓を付ける理由④色々な浴室換気扇の活用方法⑤性能評価証明取得+許容応力度計算=完璧?⑥ホームインスペクションは信頼出来るのか?

今回は質問コーナーです。

まずは以下の動画に対してです。

▼①住宅会社の手違いでアルゴンガスが入っていなかった②いま蓄電池を買ってはいけない③セルロースファイバーが正しく施工されているか?を確認する方法④私が不得意なお客さん⑤ノボパンを採用する理由は何か?
https://www.kosodate-sekkei.co.jp/blog/gus_denchi_riyuu/

「我が家の場合は内窓で、ガラスの厚みが異なるタイプ(5mm+3mm)で注文したはずが、実際に届いたものは3mm+3mmで交換対応になりました。」

これは気づかない人も多いと思います。一般的な現場監督さんでも、窓ガラスの厚み・仕様まではチェックしていないと思います。当社の場合は現場監督がいい意味で細かいので、窓ガラスに全部ラベルが貼ってあるのでそれを確認しています。

失礼ですが、住宅会社の現場監督は「請負なんだから」という思いがどこかにあると思います。確かにそれはそうです。請負契約とは「業者さんがこの金額で責任を持ってこの工事をやります」という契約で、責任は業者に移管しているわけです。

ただ、それはあくまでも住宅会社と業者の間だけの問題です。最終的にはお客さんと住宅会社の約束が一番です。業者が何を間違えようが、結局は住宅会社が一番悪いという事になります。そういう感覚で仕事をしないとまずいです。

しかしなぜか住宅会社には「業者が悪いんです!下請けが間違ったんです!」という人が多いらしいです。確かに間違ったのは下請けだけど、それを管理監督するのがあなたの仕事でしょ、と思います。私はそういう感覚でやってきましたし、現場監督にも常日頃言っています。当社の下請けさんも「うちがいくら謝っても、最終的には子育て設計さんに迷惑かけるんだから」という感覚です。

次のコメントです。同じ動画に対してです。

「我が家はFIXガラスにキズがあり、ガラスのみ交換していただきました。交換に立ち会いましたが、ガラスの枠部分を外し、その場でガラスのみ交換して、枠は流用して取り付けていました。構造的にも、気密に全く影響無さそうでした。」

当社もこの前、初めてガラスのみの交換をしました。LIXILさんの窓で、パッキンが一部切れているように見えたからです。

交換は本当に簡単で、外側から枠を外して、ガラスを変えて、また枠を組んで終わりです。それをやると気密性がなくなるのでは、と心配するコメントもありましたが、私が見る限りではほぼ影響はないと感じました。そもそも気密の取り方が、窓ガラスを交換する前提で作られていますし、工場でも同じ方法で作っています。

ただ、今回当社が交換したのは北側に使うような小さい窓でした。もしこれが大開口の窓だったら、不安もあると思います。もしそういう窓で住宅会社さんの手違いがあったなら、住宅会社さんのサービスとしてもう1回気密測定をするなども、お客さんの不安を消すという意味ではいいと思います。私ならもう1回測定します。その方が私も安心して引き渡しできるし、お客さんも納得できると思います。

この窓の件については、納入ミスも案外あるようです。当社も過去に、納入された窓の色が全部違ったなんて笑えない話もありました。

その時に困ったのが、全て樹脂窓だったことです。樹脂窓はアルミみたいに切った部材を組み合わせるものではなく、樹脂を組み付けるのも簡単ではないんです。私も工場を見たことがありますが、手作業の部分が多かったです。

また製造キャパシティの問題もあり、樹脂の場合は「納入の3週間前までには発注ください」と言われます。納入されたものが全部違うとなると、そこから再発注で3週間かかります。それが夏休みなどにかかると、1ヵ月延びてしまいます。

当社の場合も夏休みで1ヵ月延長になりました。窓がつかないと外回りは塞げないから、大工さんも全く進めません。仕方がないからブルーシートを垂らして、先行して断熱材や床を張ることもできなくはないけど、湿気が入り放題の状態でやるのは怖いです。

窓をちゃんとやって、それから透湿防水シート、障子、鍵もつけて安全面を配慮しながら、断熱材、気密シート、配線、床などの作業になるわけです。その窓がダメになると1ヵ月遅れてしまい、引き渡しも遅れるとお客さんに迷惑がかかりますから、その時はすごい騒ぎになりました。

最終的にはメーカーさんが頑張って納期を詰めてくれました。大工さんも応援の大工さんを連れてきて休みなしでやってくれて、お客さんに迷惑をかけずに終えられました。受注生産のものを使う場合は特に気をつけないと、本当に怖いです。

次の質問です。以下のコメントにいただきました。

▼①家づくりがうまくいかない方の特徴②空調計画を考慮しない工務店や設計事務所は多い③理屈を理解していない施工方法も多い
https://www.kosodate-sekkei.co.jp/blog/ie_kucho_sekkei/

「空調と少し話はずれますが、お風呂の換気扇、最近のお家ではつけられておりますでしょうか。入浴後換気扇つけないでも、夏も冬もしっかり乾くし、換気扇だけつけようにもC値0.1なので、排気が苦しそうな感じに思えます。」

お風呂の換気扇は当社でもつけます。確かに高断熱住宅で暖かい家では、開けっ放しにすれば乾きやすいです。そうは言っても、湿気が隣の脱衣室に行くのも気持ち悪いです。それなら換気扇をすぐ回して排出したいという要望は多いと思います。当社ではつけないことはないです。

最近、お風呂に換気する換気扇があります。意味がわからないと思うので絵で解説します。さっき言ったお風呂の換気扇は、お風呂にある湿気を外に排気する話です。今言ったものは、隣の部屋からお風呂に向けて換気するんです。

例えば、乾燥した脱衣室の空気をお風呂に天井から突っ込んで、お風呂を強制的に換気させます。冬にリビングの暖かい空気をお風呂に突っ込めば、外への換気をしなくてもその熱で水分を飛ばせてしまう感じです。

お風呂から外への換気では、室内の空気を引っ張るわけだから、夏・冬は熱損失を起こすことがあります。しかし今言った換気は室内の空気の移動だけで済むので、外に熱を捨てません。

この方法はそんなに難しくありません。例えばトイレの天井の換気扇はダクトで外に排気しています。あれと同じものを部屋につけて、部屋に排気するようにするだけです。

ただ心配なのは、換気扇を回してお風呂に空気を送っておかないと、ダクトにお風呂からの湿気が入って湿気が部屋に戻ってしまう可能性がある事です。こういう場合は必ず、お風呂が乾くまで換気扇を回す方がいいです。

高断熱住宅であれば配管自体がそんなに冷えないから、配管の中で結露してカビが生えることはなかなかないと思いますが、でも脱衣室から塵が配管に入ってお風呂からの水分を取り込んで配管についてしまうと、カビが生えるかもしれません。

お風呂の湿気をリビングに送って、これを冬の加湿対策にするという人もいます。この方法は確かに一理あります。しかしあくまで私のイメージですが、お風呂で垢を含んだ汚そうな水分を、リビングでご飯を食べている上からぶっかけられるのは、本当に垢を含んでいるかは別としても私はちょっと嫌です。

また、この方法が使えるのは基本的に冬だけです。夏はエアコンに負荷がかかるし、春・秋もそこまで加湿器はいらないですから。

他には、2方向排気という方法をとる人もいるそうです。お風呂に換気扇が2個あって、冬はお風呂を出た後に室内に向けた換気をし、それ以外の季節は室内への換気を止めて、室外への換気だけをやる方法です。でもさっきと同じで、配管の中に水分が回らないか、使っていない換気扇の配管から水分が戻らないかなど、心配になります。

こういうのは考えたらキリがなくて、最後は気にするかどうかの話になってしまいます。配管1個でもいろいろあります。私はこういうのを「こうなったらこうなって…」と考えるのが面白いです。

次です。以下の動画に対していただきました。

▼①大手ハウスメーカーの建売住宅を解説したら怒られた②悪口と客観的な情報の違い③夢のマイホームの現実④家は資産か?⑤セルロースファイバーは湿式か?乾式か?
https://www.kosodate-sekkei.co.jp/blog/tateuri_kaisetsu_shisan/

「近々木造平屋を建てる予定です。「設計住宅性能評価書」「建設住宅性能評価書」「許容応力度計算をした上で耐震等級3の取得」を作成してもらえば、概ね不良物件や瑕疵にならずに済みますか?」

あくまでもそれらは机上の理屈なので、だから不良物件や瑕疵にならずに済むかはわかりません。

許容応力度計算と耐震等級3をやる、性能評価証明を取得するのもいいことです。ただそれはあくまで設計の話です。一番大事なのは、それをちゃんと施工するかどうかです。極端な話、図面はそうなっていてもプレカットを間違ったとか、建物の基礎のコンクリートを間違えたとか、鉄筋がちゃんと結合されていないということもあります。

耐震は、ちゃんと構造計算をしてその上でプレカットをして、基礎を第三者検査で検査していれば、搬入書にはコンクリートの強度証明が書いてありますし、そんなに間違いは起きないと思います。

プレカットは、昔は手刻みと言って現場に材木を持ってきて彫り込んでやっていたから、間違ってしまうこともありました。今は工場で全部合わせているので、ほぼプレカットでは間違いはありません。その通りに組み合わせれば、ちゃんとした強度が出ます。

耐震についてはそんなに問題ないと思うけど、性能面(断熱・気密)はちょっと違って、ちゃんとしないといけません。適当に吹いてその瞬間は良い値が出ても、長い目で見てその性能を維持できていなければ違うと思います。

最近あれ?と思ったことで、群馬県内の他社業者さんで作っている家の仕様が、当社が昔やった仕様と同じだったんです。屋根の断熱材、厚さ、壁の断熱材の厚さ、基礎断熱、使っている窓など、構成は全く同じでした。しかしその会社さんが表記しているUA値の数値が低すぎるんです。

私が昔やった時には、どう頑張ってもどう計算しても、0.46は切るけど0.4台でした。しかしその会社さんは、0.3の中盤〜前半の値なんです。感覚としては、間違いなくその構成でその数字にはならないと思います。

この方からは返信をいただきました。

「九州地方なのでHM選び迷っています。施工が不安なので、ホームインスペクションっていう業者と契約して、建設中に契約回数分見に来てもらえばある程度は防げますか?」

ホームインスペクションは案外いいと思います。当社も過去にやったことがあり、かなりいい評価をもらってお客さんも安心して、当社は逆に勉強になりました。別に特別なことはやっていなくて、昔の旧住宅金融公庫(今のフラット35)で規定されている施工要領書の通りにチェックするだけです。

ただ、かなりしっかり見てくれる方もいれば、安いものだとそこまで見ないこともあるでしょうから、インスペクション選びは重要だと思います。どのくらいの頻度で現場に行って、どのくらいの枚数の写真を撮っているか。その代わりお金は何十万円もかかるでしょうけど、そこがちゃんとあれば、ホームインスペクションはいいと思います。もし気密・断熱に不安がある場合は、そういうのを使ってみてもいいかもしれません。